概要:
熱移動現象に関係しない工学問題はほとんどなく,熱・物質移動現象を理解することは大変重要である.本講義は,熱エネルギ移動解析に不可欠である熱伝導,熱伝達,熱放射および物質移動によるエネルギ移動について講義する.
この科目は,製造業関連の職業能力開発支援を担当していた教員が,その経験を活かし,熱及び物質移動論について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
熱物質移動は,熱力学を基本とすると共に流体力学と大きく関連する.熱力学および流体力学を受講し,基礎知識を身につけた上で受講することが望ましい.なお,毎週水曜日の16時~17時をオフィスアワーとするので,質問などがある学生は担当教員の研究室に来ること.
また,次のような自学自習を60時間以上行うこと.
・授業内容を理解するため,予め配布したプリント(教科書)で予習する.
・授業内容の理解を深めるため,復習を行う.
・毎時間,課題を与えるので,レポートを作成する.
・定期試験の準備を行う.
注意点:
授業での到達目標が達成され,専門基礎的な原理の理解と応用力が習得されたかを評価する.成績は定期試験の得点,レポート,演習・小テストの得点の合計によって評価する.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 5 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 5 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 5 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 5 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 5 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 5 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 5 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 5 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 5 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 5 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 5 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 5 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 5 | |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 5 | |