固体物性論

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 固体物性論
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 角田 直輝

到達目標

1. 主な結晶構造,結合様式について説明し,ミラー指数を指定することができる
2. 固体の誘電的性質の起源について説明し,屈折率の結晶方位依存性について,材料の例を示して説明できる
3. 固体の磁気的性質の起源について説明し,反磁性体,常磁性体,強磁性体など色々な磁性体の分類について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1主な結晶構造,結合様式について説明ができ,ミラー指数を指定することができる.主な結晶構造,結合様式についてある程度説明ができ,ミラー指数を指定することができる.主な結晶構造,結合様式について説明ができず,ミラー指数を指定することができない.
評価項目2固体の誘電的性質の起源について説明できる.屈折率の結晶方位依存性について,材料の例を示して説明できる.固体の誘電的性質の起源についてある程度説明できる.屈折率の結晶方位依存性について,材料の例を示してある程度説明できる.固体の誘電的性質の起源について説明できない.屈折率の結晶方位依存性について,材料の例を示して説明できない.
評価項目3固体の磁気的性質の起源について説明できる.また,反磁性体,常磁性体,強磁性体など色々な磁性体の分類について説明できる.固体の磁気的性質の起源についてある程度説明できる.また,反磁性体,常磁性体,強磁性体など色々な磁性体の分類についてある程度説明できる.固体の磁気的性質の起源について説明できない.また,反磁性体,常磁性体,強磁性体など色々な磁性体の分類について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
固体物性論は,その名前にあるように物質の固体状態に対して様々な入力(電界,磁界,応力,熱,光)をしたときにどのような出力が現れるかを取り扱う学問である.
産業的に用いられる固体は,規則的に原子が配列した固体である結晶であることが多いので,本授業でははじめに結晶構造について取り扱う.
次に,結晶の代表的な解析手法としてX線回折を取り扱う.
固体には様々な物性があるが,本授業では電磁波と固体との相互作用,すなわち,固体の誘電的性質と磁気的性質について取り扱う.
授業では,誘電的性質と磁気的性質において顕著な物性をもつ材料であり,産業応用に用いられている材料についても紹介する.
授業の進め方・方法:
 板書による授業を行い,補足資料は適宜配布する.
学科によって基礎的な力が異なり,また履修してから相当時間が経過した科目もあるので,授業は復習を織り交ぜながら勧める.また,授業のはじめに前回の授業の大切な点の要約を述べる.授業において,関連する簡単な質問をして理解できているかを確かめるので,ふるって答えてほしい.
 学習内容における重要な点は授業中にその都度強調するので,メモなどしっかり取って復習に役立ててほしい.

 また,次のような自学自習を60時間以上行うこと.
 ・授業内容を理解するため,予め配布したプリントや教科書で予習する
 ・授業内容の理解を深めるため,復習を行う
 ・課題を与えるので,レポートを作成する
 ・定期試験の準備を行う

質問は随時受け付けるので,予めメールなどで連絡してから,ノートなどを持って質問しに来ること.
 角田研究室または電子デバイス実験室に居ることが多い.
 e-mail:kakuda@yonago-k.ac.jp
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の進め方,評価のガイダンス 授業の進め方,評価方法を確認することができる
2週 結晶構造 結晶構造を説明することができる
3週 実在の結晶,工業における結晶と結晶成長技術 実在の結晶,工業における結晶と結晶成長技術を説明することができる
4週 X線回折とブラッグの回折条件 X線回折とブラッグの回折条件を説明することができる
5週 逆格子ベクトル 逆格子ベクトルを説明することができる
6週 逆格子と実格子の変換 逆格子と実格子の変換説明することができる
7週 結晶表面層の観察技術-SPM,SEM 結晶表面層の観察技術-SPM,SEMを説明することができる
8週 中間試験 1週目から7週目の授業の到達度を確認することができる
2ndQ
9週 試験返却,講評,マクスウェル方程式による電磁波の表現I 試験返却,講評,マクスウェル方程式による電磁波の表現を説明することができる
10週 マクスウェル方程式による電磁波の表現II マクスウェル方程式による電磁波の表現を説明することができる
11週 固体の誘電的性質-結晶構造と電気分極 固体の誘電的性質-結晶構造と電気分極を説明することができる
12週 固体の誘電的性質-光波の伝搬,光学的異方性,光―電気相互作用 固体の誘電的性質-光波の伝搬,光学的異方性,光―電気相互作用を説明することができる
13週 固体の磁気的性質-磁気双極子モーメント 固体の磁気的性質-磁気双極子モーメントを説明することができる
14週 固体の磁気的性質-スピン磁気モーメント 固体の磁気的性質-スピン磁気モーメントを説明することができる
15週 磁性体の分類,磁気異方性,磁気―電気相互作用 磁性体の分類,磁気異方性,磁気―電気相互作用を説明することができる
16週 期末試験 9週目から15週目までの到達度を確認することができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3前11,前12,前13,前14,前15,前16
金属と合金の結晶構造を説明できる。3前2,前3,前4,前6,前8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000