生産・精密加工学

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生産・精密加工学
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 稲城正高・米山猛,設計者に必要な加工の基礎知識,日刊工業新聞社
担当教員 山口 顕司,藤田 剛

到達目標

1.切削加工の基礎となる切削理論,工具摩耗・工具寿命,切削油剤などについて理解できる.
2.機械を設計・開発する観点から各種加工法の特徴・用途・コストなどが理解できる.
3.機械を製造するとき適切な加工法を選択し加工プロセスを設計できる.
4.量産プロセスにおける公差管理の手法が理解できる.
5.設計者の観点から製品の不具合につながるような加工・設計の問題点が認識できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
切削加工の基礎となる切削理論,工具摩耗・工具寿命,切削油剤などについて理解できる.切削理論について理解し,様々な加工条件が切削の状況や工具摩耗・工具寿命などにおよぼす影響を説明できる.切削理論を理解し,工具摩耗・工具寿命,切削油剤の役割などを認識できる.切削加工の基礎となる理論や,工具摩耗・工具寿命などとの関係性を認識できない.
機械を設計・開発する観点から各種加工法の特徴・用途・コストなどが理解できる.様々な加工法について,その特徴・用途.コストを理解し説明できる様々な加工法について,その特徴・用途.コストが概ね認識できる.様々な加工法について,その特徴・用途.コストを認識できない
機械を製造するとき適切な加工法を選択し加工プロセスを設計できる.設計者から見た加工法の役割を理解し,適切な加工法を選択し,設計に反映する方法を説明できる.設計者から見た加工法の役割を認識し,適切な加工法の選択が必要であることが理解できる.設計者から見た加工法の役割が認識できない.
量産プロセスにおける公差管理の手法が理解できる.累積公差について,分散の加法とP-P法を理解し,適切に使い分けられる.累積公差について,分散の加法とP-P法があることを認識できる累積公差の管理手法が認識できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械系の学生だけでなく,電気・電子系の学生にとっても,モノ作りの基礎である機械加工法の知識は不可欠です.

この授業では,前半で機械加工法の体系的な理解の基礎となる切削理論および工具摩耗・工具寿命,切削油剤などの各論について概説します.       
これらの基礎知識の応用として,後半では主として設計者の観点から知っておくべき機械加工法の特徴や用途,コストなどについて概観し,製品の製造において適切な加工法を選択することの重要性を説明します.また,量産プロセスにおける工程や公差の管理,実際の製品に生じる不具合などの原因と機械加工工程との関連,最近開発された新しい機械加工法や,周辺技術などについても取り上げます.
授業の進め方・方法:
受講生の皆さんは,設計者・開発者の視点をもってこれまでに学んだ機械加工法の知識を再度見直見直してください.授業内容に対する質問がある場合は随時受け付けるので研究室に来室してください.
この授業を修得するためには,次のような自学自習が60時間以上必要です.
 ・指定する教科書を事前に読んで予習する
 ・各授業の終了後,ノートなどを整理して復習する
 ・適宜課される課題に対して,レポート執筆のための調査検討を行う
 ・試験に備えた復習
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 様々な加工法と適切な選択
3週 設計者から見た加工法の選択と設計プロセス 切削の概念と切りくずの生成機構
4週 旋盤・フライス盤・ボール盤等の加工で設計者が考慮すべき事項 切削抵抗の理論計算
5週 熱処理・研削・測定・検査・組立の工程で設計者が考慮すべき事項 工具摩耗と工具寿命,工具刃先部角度とその作用
6週 量産プロセスにおける加工法の選択 切削油剤,加工表面の品位と切削面粗さ
7週 量産プロセスにおける公差管理の手法 切削と切りくず
8週 製品に想定される不具合と加工工程の関係・設計者が考慮すべき事項 被削性,経済工具寿命および切削条件選定
4thQ
9週 切削の概念と切りくずの生成機構
10週 切削抵抗の理論計算
11週 工具摩耗と工具寿命,工具刃先部角度とその作用
12週 切削油剤,加工表面の品位と切削面粗さ
13週 被削性,経済工具寿命および切削条件選定
14週 機械加工,機械設計に関連した最近のトピック
15週 試験
16週 全体の振り返り

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。5
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。5
鋳物の欠陥について説明できる。5
溶接法を分類できる。5
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。5
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。5
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。5
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。5
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。5
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。5
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。5
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。5
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。5
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。5
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。5
切削工具材料の条件と種類を説明できる。5
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。5
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。5
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。5
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。5
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000