概要:
電卓用汎用チップとしてスタートしたマイクロプロセッサは、ユビキタス・コンピューティング社会と言われる現在、携帯電話、家電製品、そして自動車など、ほとんど全ての工業製品に組み込まれている。更に、近い将来、ユビキタス・ネットワークの時代を迎えれば、通信ネットワークをコアの一部とする根本的な見直しなどが技術基盤であるマイクロプロセッサ内部アーキテクチャに求められ、当然それに伴う新しいOSの出現なども予想されることから、計算機システムに関する基本アーキテクチャの理解が、研究者・技術者にとって極めて重要と言える。本講義前半においては、コンピュータの計算原理の基礎となる論理回路や数値表現を復習し、コンピュータの計算回路構成と命令セットアーキテクチャを学習する。講義の後半は、パイプライン処理、仮想記憶、外部インターフィス等のプロセッサおよびコンピュータの周辺技術を学習する。
授業の進め方・方法:
(1) 座学を中心に、必要に応じて小テスト・演習および課題(レポート)を実施する。講義中に課す課題は、講義で学んだ内容に関して理解を確認し、演習する機会であるため、必ず問題を解き、提出すること。
(2) 本科目は学修単位であるので、次のような自学自習を45時間以上行うこと。
(a) 講義受講の準備のために予習や、理解の確認のために復習する。
(b) 課題(レポート)の作成を行う。
(c) 演習問題の解答作成を行う。
(d) 定期試験の準備をする。
(3) 試験は、学年末試験を1回実施する。積極的に授業に参加することが肝要である。
(4) 講義の内容に関して質問等がある場合は、徳光のところまで来ること。
(5) 授業の連絡、講義資料の配布はWebClassまたはTeamsを使用するため、定期的に最新の情報を確認すること。
注意点:
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 3 | |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 3 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 3 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 3 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 3 | |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
順序回路を設計することができる。 | 3 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。 | 3 | |
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。 | 3 | |
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。 | 3 | |