概要:
建築や都市のデザインにおいては,利害関係者への実用的な情報の提供能力が求められる。いかにわかりやすい表現で伝えていくか,ということがデザイナーには必須の姿勢である。誰もがわかるように整理,表現,表示された情報をつくりあげるのには,情報を取捨選択して組み換えを行う方法論や表現方法,表現技術の知識が不可欠である。
前半は建築分野に係わる情報デザインの概論を中心に,後半はデジタルデザインツールを用いて建築,都市を対象とした情報の視覚化作業を中心とした実践を行う。
授業の進め方・方法:
1.建築分野に係わる情報デザインの基礎知識を習得する。
2.明快に,整理・表現・表示された情報をつくることができること。
3.ビジュアルデザインツール等を使用して,情報をグラフィカルに表現できること。
注意点:
次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・授業内容を理解するため、予め配布したプリントで予習すること。
・授業内容の理解を深めるため、復習を行うこと。
・毎時間、課題を与えるので、レポートを作成すること。
・定期試験を行う際には、予め準備を行うこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス,イームズ夫妻の仕事について,諸準備等 |
イームズ作品「POWERS OF TEN」で示された紙面・画面デザインの構造を理解し説明できる。
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2週 |
ピクトグラム |
ピクトグラムの特徴と効果について理解し説明できる。
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3週 |
使いやすさとデザイン |
建築の扉を例に見た目のデザインと使いやすさについて考え、機能を発揮する(目的を果たす)デザインについて理解する。
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4週 |
時間地図 |
時間地図の特徴と効果について理解し説明できる。
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5週 |
ビジュアルデザインツールの概要とグラッフィク表現の実践 |
「Processing」を用いた基本的な図形表現について学び、簡単なプログラミング表現ができるようになる。
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6週 |
ビジュアルデザインツールを用いたグラッフィク表現・課題出題 |
パラメーターの変更に応じて、生成図形の印象が大きく変更するというプログラミングによるグラフィック表現の効果特徴を理解し、説明・実践できるようになる。
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7週 |
課題プレゼンテーション |
各自が取組んだ課題を発表し、質疑応答の際には適切に説明できるようになる。
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8週 |
BIMソフトウエア概論 |
BIMソフトウエアについての基本的知識を習得し、導入する意義や効果について説明できるようになる。
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4thQ |
9週 |
建築3次元モデルの入力方法 |
BIMソフトウエア「ArchiCad」を用いての建築物3次元データの入力ができるようになる。
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10週 |
建築3次元モデルの編集方法・課題出題 |
BIMソフトウエア「ArchiCad」を用いての建築物3次元データの編集ができるようになる。
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11週 |
課題プレゼンテーション |
各自が取組んだ課題を発表し、質疑応答の際には適切に説明できるようになる。
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12週 |
地理情報システム概論 |
GISソフトウエア「QGIS」の導入を通じ、地理情報システムについて基本的な知識を習得する。
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13週 |
課題出題・データ収集 |
地方自治体が公開している各種地図の存在を確認、現状を説明できるようになる。課題の遂行に必要なデータを収集できるようになる。
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14週 |
情報の視覚化作業,地図の作成 |
公の機関が公開しているデータを用いて、コロプレスマップ等の地図を作成できるようになる。
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15週 |
課題プレゼンテーション |
各自が取組んだ課題の発表を行い、データから読み取れる具体的な問題を発見・提示することができるようになる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 設計・製図 | ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。 | 5 | |
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。 | 5 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | コミュニケーションスキル | コミュニケーションスキル | 円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 4 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 5 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 5 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 5 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 4 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 5 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 5 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |