耐震構造論

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 耐震構造論
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 建築学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 柴田明徳著「最新耐震構造解析」森北出版
担当教員 藤原 圭康

到達目標

1)耐震設計のコンセプトを理解できる。
2)1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
3)2次設計の設計コンセプトと手法を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)耐震設計のコンセプトを適切に理解している。耐震設計のコンセプトを理解している。耐震設計のコンセプトを理解してない。
評価項目(2)1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算が適切にできる。1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができない。
評価項目(3)2次設計の設計コンセプトと手法を適切に理解している。2次設計の設計コンセプトと手法を理解している。2次設計の設計コンセプトと手法を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科の構造力学で学習した事項を基礎とし、鉄筋コンクリ-ト造建築物を対象として現行設計法の基本的な考え方や構造計算ルート及び計算方法を学びます。従って,本科の構造力学や鉄筋コンクリート構造で学習した内容を十分に復習し、理解しておくことが重要です。また,数学や物理の基礎知識も重要なので,不安な場合は復習しておくこと。日々の学習の積み上げが重要な教科です。
授業の進め方・方法:
本科目は、構造力学、鉄筋コンクリート構造、基礎構造などの関連科目との関連が深く、それらの科目の内容が理解されているものとして授業を進めるので充分復習をしておくこと。また、講義科目なので自学自習を60時間以上行うこと。
 自学自習時間は、講義毎に出題する問題にあて、レポートとして提出すること。また、定期試験の準備時間とすること。
 なお、質問は,昼休みおよび会議の無い日の放課後(17:00まで)稲田研究室で受け付ける.また,メールでも随時受け付ける(E-mail:inada@yonago-k.ac.jp)。
また、次のような自学自習を60時間以上行うこと。
・シラバスを参照しテキストを用いて予習をする。
・授業終了後、テキストや配布資料を用いて復習する。
・授業で課題が出た場合、レポートを作成し提出する。
・定期試験に備えて自己学習をする。
注意点:
・到達目標に対する達成度を下記の割合で評価し、60点以上を合格とする。
 なお、60点未満の学生には再試験を実施し、所定の点数に達した場合は合格とし、評価点を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,建築物の震害 耐震設計のコンセプトを理解できる。
2週 地震動の性質 耐震設計のコンセプトを理解できる。
3週 応答スペクトル 耐震設計のコンセプトを理解できる。
4週 地盤の振動 耐震設計のコンセプトを理解できる。
5週 建物の地震応答解析 耐震設計のコンセプトを理解できる。
6週 建物の耐震計算(強さと粘り) 耐震設計のコンセプトを理解できる。
7週 建物の震害と壁率 耐震設計のコンセプトを理解できる。
8週 部材の設計 1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
4thQ
9週 設計地震力 1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
10週 固定モーメント法 1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
11週 D値法 1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
12週 設計用応力 1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
13週 形態規定:偏心率、剛性率 1次設計の設計コンセプトと構造計算ルートを理解し、基本部材の許容応力度計算ができる。
14週 終局強度設計:2次設計,塑性設計法 2次設計の設計コンセプトと手法を理解できる。
15週 試験 到達度の確認
16週 振返り(期末試験までの復習) 試験結果を踏まえ,学習した内容について自ら課題を認識し修正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。3
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。3
力の定義、単位、成分について説明できる。5
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。5
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。5
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。5
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。5
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。5
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。5
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。5
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。5
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。5
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。5
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。5
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。5
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。5
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。5
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。5
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。5
ラーメンやその種類について説明できる。5
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。5
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。5
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。5
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。5
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。5
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。5
木構造の特徴・構造形式について説明できる。3
木材の接合について説明できる。3
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。3
S造の特徴・構造形式について説明できる。3
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。3
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。3
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。3
曲げ材の設計の計算ができる。3
継手の設計・計算ができる。3
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3
溶接接合の種類と設計法について説明できる。3
仕口の設計方法について説明ができる。3
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。3
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。5
構造計算の設計ルートについて説明できる。5
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。5
断面内の応力の分布について説明できる。5
許容曲げモーメントを計算できる。5
主筋の算定ができる。5
釣合い鉄筋比について説明ができる。5
中立軸の算定ができる。5
許容せん断力を計算できる。5
せん断補強筋の算定ができる。5
終局曲げモーメントについて説明できる。5
終局剪断力について説明できる。5
断面内の応力の分布について説明できる。5
許容曲げモーメントを計算できる。5
MNインターラクションカーブについて説明できる。5
主筋の算定ができる。5
釣合い鉄筋比について説明ができる。5
中立軸の算定ができる。5
許容せん断力を計算できる。5
せん断補強筋の算定ができる。5
終局曲げモーメントについて説明できる。5
終局剪断力について説明できる。5
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。5
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。5
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。3

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50050000100
基礎的能力2502500050
専門的能力2502500050
分野横断的能力0000000