概要:
この授業は本校の教育目標のうち、「基礎力」として,機械システムの運動・振動・騒音に関する専門基礎知識を養う科目です.機械や構造物を設計する上で、力学に関する知識は必要不可欠です。工業力学は、力学のなかでも特に機械工学に関連した部分を中心に講義します。大部分は一般科目の物理学で学習した力学と重複しますが、工業力学では機械工学への応用という観点から授業を行います。
前期は主に構造物の強さなどを考える上で重要な静力学を中心に講義します。また、後期は機械の運動を考える上で必要となる動力学が中心となります。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、授業を進めていきます.
毎回の授業終了後に、演習問題を課します。必ず自分の力で考えながら演習に取り組んで下さい。
工業力学を学ぶ上で重要なことは、結果を覚えるのではなく、基本となる概念をまず理解すること、そしてそこから式を立てて展開する過程を自分で考えることです。工業力学は、4学年以降で学ぶ、より専門的な授業の基本となる科目ですから、基礎からしっかりと修得することを心がけて下さい。
なお、授業内容に関する質問は随時受け付けます。休憩時間または放課後に機械工学科山口研究室に来室するか、担当教官(山口)の電子メールアドレス(yama@yonago-k.ac.jp)に質問のメールを送ってください。些細なことでもかまいません。授業のなかでわからないことをそのままにせず、自分なりに理解するように努力して下さい。
注意点:
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 1 | 前3 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 1 | 前3 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 1 | 前6 |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 1 | 前4 |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 1 | 前4 |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 1 | 前7 |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 1 | 前11,前12 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 1 | 前13 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 1 | 前13 |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 1 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 1 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 1 | |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 1 | 前14 |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 1 | 前14 |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 1 | |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 1 | |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 1 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 1 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 1 | |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 1 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 1 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 1 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 1 | |