工業力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工業力学Ⅱ
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合工学科(機械システムコース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 青木弘、木谷晋 ,工業力学, 森北出版 (2010)
担当教員 山口 顕司

到達目標

工業力学Ⅱでは、工業力学Ⅰに引き続き,基礎的な力学の知識を再確認し、実際の問題に適用できるような応用力を修得することが目標です。
1.運動方程式の意味するところを理解し、実際の問題に適用して運動の状態を解析することができるようになること。
2.仕事・エネルギ・運動量などの概念を理解できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
運動方程式の意味するところを理解し、実際の問題に適用して運動の状態を解析することができるようになること。問題に応じて直線運動,回転運動に関する運動方程式を立てて解くことができる直線運動,回転運動に関する運動方程式が理解できる運動方程式を理解できていない
仕事・エネルギ・運動量などの概念を理解できるようになること。仕事・エネルギ・運動量の概念を理解して,適切に問題の解決に応用できる仕事・エネルギ・運動量の概念を説明できる仕事・エネルギ・運動量の概念が認識できていない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業は本校の教育目標のうち、「基礎力」として,機械システムの運動・振動・騒音に関する専門基礎知識を養う科目です.機械や構造物を設計する上で、力学に関する知識は必要不可欠です。工業力学は、力学のなかでも特に機械工学に関連した部分を中心に講義します。大部分は一般科目の物理学で学習した力学と重複しますが、工業力学では機械工学への応用という観点から授業を行います。
 前期は主に構造物の強さなどを考える上で重要な静力学を中心に講義します。また、後期は機械の運動を考える上で必要となる動力学が中心となります。
授業の進め方・方法:
 教科書に沿って、授業を進めていきます.
 毎回の授業終了後に、演習問題を課します。必ず自分の力で考えながら演習に取り組んで下さい。
 工業力学を学ぶ上で重要なことは、結果を覚えるのではなく、基本となる概念をまず理解すること、そしてそこから式を立てて展開する過程を自分で考えることです。工業力学は、4学年以降で学ぶ、より専門的な授業の基本となる科目ですから、基礎からしっかりと修得することを心がけて下さい。
 なお、授業内容に関する質問は随時受け付けます。休憩時間または放課後に機械工学科山口研究室に来室するか、担当教官(山口)の電子メールアドレス(yama@yonago-k.ac.jp)に質問のメールを送ってください。些細なことでもかまいません。授業のなかでわからないことをそのままにせず、自分なりに理解するように努力して下さい。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 運動と力 運動の法則,運動方程式が理解できる
2週 慣性力 慣性力,遠心力が理解できる
3週 慣性モーメント 慣性モーメントの意味が理解できる.平行軸の定理を用いることができる
4週 剛体の運動 剛体内の速度,加速度が理解できる
5週 剛体の平面運動 剛体の平面運動の運動方程式が理解できる
6週 回転体のつりあい 回転体のつりあいの条件が理解できる
7週 前期中間試験
8週 前期中間試験の振り返り・再試験
2ndQ
9週 運動量と力積 運動量と力積の関係,運動量保存の法則が理解できる
10週 衝突 はね返りの係数が理解できる.向心衝突,斜めの衝突が理解できる
11週 偏心衝突 偏心衝突が理解できる
12週 仕事・エネルギー・動力1 仕事・エネルギー・動力が理解できる
13週 仕事・エネルギー・動力2 仕事・エネルギー・動力が理解できる
14週 前期末試験のための振り返り
15週 定期試験
16週 前期の振り返り・再試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。1前3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。1前3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。1前6
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。1前4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。1前4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。1前7
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。1前11,前12
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。1前13
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。1前13
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。1
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。1
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。1
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。1前14
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。1前14
仕事の意味を理解し、計算できる。1
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。1
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。1
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。1
動力の意味を理解し、計算できる。1
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。1
運動量および運動量保存の法則を説明できる。1
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。1
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。1

評価割合

試験演習・小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000