電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科(電気電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 臼田昭司「例題で学ぶ はじめての電気回路」技術評論社 (参考書 柴田尚志「電気・電子系教科書シリーズ 電気回路(1)」コロナ社、など各電気回路の書籍)
担当教員 松岡 祐介

到達目標

交流回路の複素数表示・周波数特性・相互誘導現象および多相交流方式を理解し、回路解析法により実際的な計算法を習得することができる。
(1)交流回路における複素数・フェーザ表示を理解し、関連する内容について理解・計算ができる。
(2) 回路網に対する回路方程式の立て方を理解し、計算ができる。
(3) 相互誘導現象を理解し回路計算ができる。
(4) 回路の周波数特性について理解し、共振現象などの説明・計算ができる。
(5) 多相交流方式の特性や結線方式の等価変換を理解し、各電圧・電流などの計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1交流回路における複素数・フェーザ表示を理解し、関連する内容について理解・計算ができる。交流回路における複素数・フェーザ表示を理解し、関連する内容について理解・計算がある程度できる。交流回路における複素数・フェーザ表示の理解や、関連する内容について計算ができない。
評価項目2回路網に対する回路方程式の立て方を理解し、計算ができる。回路網に対する回路方程式の立て方を理解し、計算がある程度できる。回路網に対する回路方程式の立て方や計算ができない。
評価項目3相互誘導現象を理解し、現象に関する回路計算ができる。相互誘導現象を理解し、現象に関する回路計算がある程度できる。相互誘導現象の理解、現象に関する回路計算ができない。
評価項目4回路の周波数特性について理解し、共振現象などの説明・計算ができる。回路の周波数特性について理解し、共振現象などの説明・計算がある程度できる。回路の周波数特性についての理解、共振現象などの説明・計算ができない。
評価項目5多相交流方式の特性や結線方式の等価変換を理解し、各電圧・電流などの計算ができる。多相交流方式の特性や結線方式の等価変換を理解し、各電圧・電流などの計算がある程度できる。多相交流方式の特性や結線方式の等価変換の理解、各電圧・電流などの計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気回路は電磁気学とともに電気工学の最も基本となる科目であり、高学年における種々の専門科目の基礎となる。本科目では、2年生で習得した基礎的な解析方法を発展させ、より実際的な回路解析法および回路について学ぶ。具体的な項目は交流回路の複素数・フェーザ表示、回路網に対する回路方程式による解析、相互誘導現象、回路の周波数特性、多相交流方式とその計算である。
授業の進め方・方法:
教科書と講義を中心に授業を行うが、理論の理解を助けるため、適時練習・演習を行う。基本の内容に的を絞るので、自分で考えしっかり理解すること。2年生の電気回路の知識・回路解析手法が基礎となるため、十分に復習を行い理解しておくこと。また三角関数、微分、積分、行列の計算、複素数の計算など、数学の知識をよく復習し、身に付けておくこと。
注意点:
質問について:休憩時間、放課後等に随時応じる。授業での到達目標が達成され、基礎的な事項の理解と応用力が習得されたかを評価する。成績は定期試験 (75%)、演習等(25%)により評価する。定期試験は正しく解答することが大前提であるが、間違っていても解法の説明などがあればその内容を勘案して部分点を与える。原則として再試験は行わない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス、電気回路における複素数表示 電気回路における複素数表示の理解と複素数の計算ができる
2週 フェーザ表示とインピーダンス フェーザ表示とインピーダンスなどを理解し、関連する計算ができる
3週 RLCと複素数・フェーザ表示を用いた回路解析 RLCと複素数表示を用いた交流回路の計算ができる
4週 交流回路の直並列接続などの各練習問題 これまでの内容の理解、計算ができる。
5週 ブリッジ回路、複素電力 交流ブリッジの平衡条件と複素電力を理解し、導出などができる。
6週 回路のグラフ理論 回路におけるグラフ理論について理解できる
7週 各演習問題 これまでの内容の問題を理解でき計算することができる
8週 前期中間試験 これまでの内容の問題を理解することができる
2ndQ
9週 試験振り返り、閉路電流法について 閉路電流法を用いて回路の計算ができる。
10週 節点電位法とその演習 節点電位法を用いて回路の計算ができる。
11週 電磁誘導現象について 電磁誘導現象について理解ができる
12週 電磁誘導結合回路 電磁誘導を含む回路の計算ができる
13週 相互インダクタンスと等価回路 相互インダクタンス等価回路が理解できる
14週 各演習問題 これまでの内容の問題を理解でき計算することができる
15週 前期期末試験 これまでの内容の問題を理解することができる
16週 これまでの内容のまとめ これまでの内容の問題を理解することができる
後期
3rdQ
1週 回路の周波数特性について 交流回路の周波数特性を理解することが出来る
2週 フィルタ回路と周波数特性 基本回路の周波数特性を計算し、フィルタ機能を理解することが出来る
3週 直列共振回路と周波数特性 直列共振回路とその周波数特性を計算することが出来る
4週 直列共振回路と周波数特性 直列共振回路とその周波数特性・フィルタ機能を理解することが出来る。
5週 フェーザ図について フェーザ図について理解し電圧・電流の関係を描くことができる。
6週 多相交流方式と性質について 三相交流方式の仕組みと基本特性、定義などが理解できる
7週 各演習問題 これまでの内容の問題を理解でき計算することができる
8週 後期中間試験 これまで内容の問題を理解し、計算することが出来る
4thQ
9週 試験振り返り、平衡Y-Y形回路について 平衡Y-Y形回路について理解が出来る
10週 平衡Y-Y形回路の計算 平衡Y-Y形回路について電流電圧計算ができる
11週 平衡Δ-Δ回路について 平衡Δ-Δ形回路について理解が出来る
12週 平衡Δ-Δ回路の計算 平衡Δ-Δ形回路について電流電圧計算ができる
13週 対称Y形-対称Δ形の等価変換 対称Y形-対称Δ形の等価変換ができる
14週 各演習問題 これまでの内容の問題を理解でき計算することができる
15週 後期期末試験 これまでの内容の問題を理解し、計算することが出来る
16週 まとめ これまでの内容を理解することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1,前6,後13
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前2,前3,前14,後13
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前7,前8,前14,後13
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前2,前7,前8,前14,後13
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前5,前7,前8
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前5,前7,前8
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前1,前2,前3,前4,前7,前8,前10,前14,後5
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前1,前3,前4,前7,前8
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前7,前8,前14,後5
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前3,前4,前5,前7,前8,前14,後1,後2,後5
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3前1,前2,前4,前7,前8
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3前2,前3,前4,前5,前7,前8,前14,後1,後2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前2,前3,前4,前5,前7,前8,前14,後1,後2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前3,前4,前5,前7,前8,前14,後1,後2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前2,前4,前7,前8,前14,後1,後2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2前14,後3,後4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3前11,前12,前13,前14
理想変成器を説明できる。2前13,前14
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3前5
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3前9,前14
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3前10,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力0000000
専門的能力75000025100
分野横断的能力0000000