電子デバイスⅠ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子デバイスⅠ
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科(電気電子コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電子デバイス工学,森北出版,古川静二郎・荻田陽一郎・浅野種正
担当教員 浅倉 邦彦

到達目標

(1)エネルギー帯図を用いて説明した半導体、導体、絶縁体の違いを理解できる。
(2)半導体のキャリヤとその生成機構、電気伝導機構について理解できる。
(3)エネルギー帯図を用いたpn接合ダイオードの整流特性の説明を理解できる。
(4)バイポーラトランジスタとMES-FETのバイアスの印加方法を図示し、動作原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体、導体、絶縁体の違いをエネルギー帯図を用いて説明できる。エネルギー帯図を用いて説明した半導体、導体、絶縁体の違いを理解できる。エネルギー帯図を用いて説明した半導体、導体、絶縁体の違いを理解できない。
評価項目2半導体のキャリヤとその生成機構を理解し、電気伝導機構について説明できる。半導体のキャリヤとその生成機構、電気伝導機構について理解できる。半導体のキャリヤとその生成機構、電気伝導機構について理解できない。
評価項目3エネルギー帯図を用いて接合ダイオードの整流特性を説明できる。エネルギー帯図を用いたpn接合ダイオードの整流特性の説明を理解できる。エネルギー帯図を用いたpn接合ダイオードの整流特性の説明を理解できない。
評価項目4バイポーラトランジスタとMES-FETのバイアスの印加方法を図示し、動作原理を説明できる。バイポーラトランジスタとMES-FETのバイアスの印加方法、動作原理を理解できる。バイポーラトランジスタとMES-FETのバイアスの印加方法、動作原理を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子のエネルギーとエネルギー帯の考え方を学び、半導体のキャリヤとその生成機構、電気伝導機構について理解する。
また、pn接合とpn接合ダイオードについて動作原理、特性について学び、バイポーラトランジスタ、FETの構造、動作原理、特性について理解する。
授業の進め方・方法:
半導体内部でどのような現象が起きるのか、その現象を利用するとどのような電気的特性が得られるのかということを中心に説明する。教科書の図やグラフが何を表わしているのかをよく理解することが大切である。そのためには、説明を良く聞き、不明点は積極的に質問すること。説明を聞いて理解することに集中できるよう、ノートに書き写す時間は別途与える。また、講義のあとに随時演習を行い、理解の促進を図る。
注意点:
成績は、定期試験70%、演習30%の配分比率で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス。
電子デバイス、半導体とは。
電子デバイスの特徴、半導体の基本性質を理解する。
2週 価電子と結晶(ボーアの量子論) ボーアの量子論について理解する。
3週 エネルギー準位 エネルギー準位について理解する。
4週 エネルギー帯 エネルギー帯について理解し、エネルギー帯により金属、半導体、絶縁体の違いを説明できる。
5週 真性半導体のキャリヤ 真性半導体内のキャリアの種類とその生成機構を理解する。
6週 キャリヤ生成機構 外因性半導体におけるキャリアの生成機構について理解する。
7週 フェルミの分布関数 フェルミの分布関数について理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 キャリア密度 キャリア密度の式が表す意味を理解する。
10週 キャリア密度の計算 真性半導体と外因性半導体のキャリア密度を計算し、フェルミ準位との関係を理解する。
11週 フェルミ準位の計算 不純物密度とフェルミ準位の関係を理解する。
12週 ドリフト ドリフトによるキャリアの移動について理解する。
13週 半導体におけるオームの法則 ドリフト電流を計算し、不純物密度や移動度との関係を理解する。
14週 拡散 キャリヤ連続の式 拡散によるキャリアの移動と、キャリア連続の式について理解する。
15週 前期期末試験
16週 復習
後期
3rdQ
1週 pn接合 pn接合の構造について理解する。
2週 pn接合ダイオード pn接合の整流性について理解する。
3週 pn接合ダイオードの電流 pn接合の印加電圧と電流の関係を理解する。
4週 ダイオードの応用・接合容量 ダイオードの接合容量や応用分野について理解する。
5週 バイポーラトランジスタの動作原理 バイポーラトランジスタの構造と動作原理を理解する。
6週 バイポーラトランジスタの基本接続法 各接地方式におけるバイアス印加方法を理解する。
7週 バイポーラトランジスタの静特性 バイポーラトランジスタの静特性について理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 トランジスタ増幅回路 バイポーラトランジスタの固定バイアス増幅回路の動作原理を理解する。
10週 接地形式と増幅利得 各接地方式による増幅利得の違いを理解する。
11週 金属-半導体接触 整流性接触、オーム性接触について理解する。
12週 MES-FETの動作原理 MES-FETの構造と動作原理について理解する。
13週 MES-FETの動作特性 MIF-FETの特性について理解する。
14週 接合型FETの動作原理と動作特性 接合型FETの構造、動作原理、特性について理解する。
15週 学年末試験
16週 復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000001545
専門的能力3000001040
分野横断的能力100000515