電子回路

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子回路
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電子回路 和田成夫、他 著 実教出版
担当教員 井上 学

到達目標

1.ダイオード、トランジスタの基本動作を理解し、等価回路等を説明できる。
2.増幅回路の基礎を理解し、動作量等を計算できる。
3.演算増幅器の基本動作を理解し、増幅回路等を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ダイオード、トランジスタの基本動作を理解し、等価回路等を説明できる。ダイオード、トランジスタの基本動作をある程度理解し、等価回路等をある程度説明できる。ダイオード、トランジスタの基本動作を理解しておらず、等価回路等を説明できない。
評価項目2増幅回路の基礎を理解し、動作量等を計算できる。増幅回路の基礎をある程度理解し、動作量等をある程度計算できる。増幅回路の基礎を理解しておらず、動作量等を計算できない。
評価項目3演算増幅器の基本動作を理解し、増幅回路等を説明できる。演算増幅器の基本動作をある程度理解し、増幅回路等をある程度説明できる。演算増幅器の基本動作を理解しておらず、増幅回路等を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路は、微弱な信号の抽出・増幅・伝達に使われる半導体素子を組み込んだ回路のことであり、電子工学分野の基礎科目の一つである。本科目では、半導体素子であるダイオードや接合型トランジスタ、電界効果型トランジスタについて理解した後、これらを利用した基本的な増幅回路や演算増幅器、発信回路、変・復調回路について習得する。
授業の進め方・方法:
授業は、Teamsで提供するオンデマンド教材による学習をベースに、不明点を受け付ける形をとる。また、理解度を確認するための小テストを実施する。
その他、Formsによる課題提示を行い、理解度を深める。
Teamsでは、定期試験の予習・復習のため、試験前は模擬問題を、試験後は問題と解答例を提示する。
注意点:
2年生までの数学、物理、電磁気学(回路理論)が基礎であり、習得していることが前提となる。
不明点があれば授業内もしくはその後、休憩時間や放課後に質問すること。Teamsのチャットなどでの質問も受け付ける。
成績評価は、4回の定期試験が70%、Forms課題が20%、授業中の小テストが10%の割合である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、直流・交流の電圧・電流、電源、素子の表記 電圧・電流の定義と向きに応じた計算ができる。
2週 直列・並列回路の計算、キルヒホッフの法則 分圧則・分流則など基礎理論やキルヒホッフの法則などの電気理論を説明・活用できる。
3週 半導体とPN接合ダイオード 半導体とPN接合ダイオードの構成や性質、特徴などを説明できる。
4週 ダイオードの近似特性と等価回路 ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
5週 ダイオードの特性、ダイオードと直流回路 ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
6週 トランジスタとバイポーラ・トランジスタ、バイポーラ・トランジスタの温度特性 トランジスタの種類について理解している。
バイポーラトランジスタの動作原理と温度特性について説明できる。
7週 前期中間試験対策 基本的な電気理論を説明できる。
半導体やダイオード、バイポーラトランジスタの特徴を説明できる。
ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
8週 前期中間試験 基本的な電気理論を説明できる。
半導体やダイオード、バイポーラトランジスタの特徴を説明できる。
ダイオードを利用した回路の電圧・電流を計算できる。
2ndQ
9週 試験返却・解答、バイポーラ・トランジスタによる増幅回路 バイポーラトランジスタによる増幅回路について説明できる。
10週 バイポーラ・トランジスタのバイアス回路1 バイポーラトランジスタのバイアス回路の動作を説明し、バイアス値を計算することができる。
11週 バイポーラ・トランジスタのバイアス回路2 バイポーラトランジスタのバイアス回路の動作を説明し、バイアス値を計算することができる。
12週 エミッタ接地回路の動作点と負荷線 トランジスタによる増幅回路の動作量を特性図を活用し求めることができる。
13週 hパラメータと等価回路 等価回路を書き出し、利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。
14週 前期期末試験対策 バイポーラトランジスタによる増幅回路について説明できる、バイアス回路の動作の説明やバイアス値の計算ができる、等価回路の書き出しや利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。
15週 前期期末試験 バイポーラトランジスタによる増幅回路について説明できる、バイアス回路の動作の説明やバイアス値の計算ができる、等価回路の書き出しや利得や入出力インピーダンス等の基本事項を説明できる。
16週 等価回路による増幅回路の解析1 等価回路をもとに、増幅度の計算ができる、周波数特性の基本事項を説明できる。
後期
3rdQ
1週 等価回路による増幅回路の解析2 等価回路をもとに、低域・広域の利得や低域遮断周波数を導出できる。
2週 FETとFETの特性 FETとその特性を説明できる。
3週 FETのバイアス回路 FETのバイアス回路の動作を説明し、バイアス値を計算することができる。
4週 FET増幅回路の解析1 FETの特性や等価回路をもとに、動作量や利得などを計算することができる。
5週 FET増幅回路の解析2 FETの特性や等価回路をもとに、動作量や利得などを計算することができる。
6週 オペアンプの基礎 オペアンプ(演算増幅器)とその特徴について説明することができる。
7週 後期中間試験対策 バイポーラトランジスタとFETの増幅回路について、特性図や等価回路をもとに動作量や利得などを計算することができる。
オペアンプとその特徴について説明することができる。
8週 後期中間試験 バイポーラトランジスタとFETの増幅回路について、特性図や等価回路をもとに動作量や利得などを計算することができる。
オペアンプとその特徴について説明することができる。
4thQ
9週 試験返却・解答、オペアンプの基本回路1 オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
10週 オペアンプの基本回路2 オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
11週 発振回路と変復調回路1 発振回路と変・復調回路について理解し、動作原理を説明することができる。
12週 発振回路と変復調回路2 発振回路と変・復調回路について理解し、動作原理を説明することができる。
13週 発振回路と変復調回路3 発振回路と変・復調回路について理解し、動作原理を説明することができる。
14週 学年末試験対策 オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
発振回路と変・復調回路について理解し、動作原理を説明することができる。
15週 学年末試験 オペアンプによる基本的な回路について説明、計算ができる。
発振回路と変・復調回路について理解し、動作原理を説明することができる。
16週 試験返却・解答 解説と併せて1年間の総括を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2前5,前6,前7,前8
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2前9,前10,前13,前14,前15,前16,後4,後5,後6,後7,後8
FETの特徴と等価回路を説明できる。2後9,後10,後13,後14,後15,後16
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後14,後15,後16
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2前11,前12,前15,前16,後11,後12,後15,後16
演算増幅器の特性を説明できる。2
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。2
発振回路の特性、動作原理を説明できる。2
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000