化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 米子工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合工学科(化学・バイオコース) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 竹内敬人ほか「化学基礎」、「化学」東京書籍/「ニューグローバル 化学基礎+化学」東京書籍
担当教員 田中 晋,藤井 雄三,谷藤 尚貴,浦木 勇

到達目標

(1) 物質の性質や変化を原子・分子の微視的な視点から説明できる
(2) 物質量などの概念を理解し、論理的に量的関係を計算できる
(3) 三態相互の変化を粒子的観点で説明できる
(4) 中和反応・酸化還元反応などの化学反応に関する基本的事項を説明できる
(5) 気体、溶液の性質に関する基本的な計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の性質や変化を原子・分子の微視的な視点から説明できる物質の性質や変化を原子・分子の微視的な視点からほぼ説明できる物質の性質や変化を原子・分子の微視的な視点から説明できない
評価項目2物質量などの概念を理解し、論理的に量的関係を計算できるおおむね物質量などの概念を理解し、量的計算ができる物質量などの概念を理解できない
評価項目3三態相互の変化を粒子的観点で説明できる三態相互の変化を粒子的観点でほぼ説明できる三態相互の変化を粒子的観点で説明できない
評価項目4中和反応・酸化還元反応などの化学反応に関する基本的事項を説明できる中和反応・酸化還元反応などの化学反応に関する基本的事項をほぼ説明できる中和反応・酸化還元反応などの化学反応に関する基本的事項を説明できない
評価項目5気体、溶液の性質に関する基本的な計算ができる気体、溶液の性質に関する基本的な計算がほぼできる気体、溶液の性質に関する基本的な計算ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々の身の周りには様々な物質があり、それらの特性を利用して生活に役立てている。さらに、工学分野においては材料の性質を正確に把握して、それぞれの場面に適した物質を利用する必要があるため、物質に関する知識は必須のものである。本科目では、技術者としてはもちろん、一般教養としても欠かすことのできない基礎的な化学知識を学び、基礎力を養う。また、身近な化学物質の性質を知り、これらが自然環境へ及ぼす影響を考えることで、環境分野での倫理力も養う。
授業の進め方・方法:
座学が中心となるが、理解を深めるため、授業時間中に演習も行う。さらに学生実験で実際の化学現象を観察し、実験結果と考察をプリントに記入してレポートとして提出する。定期試験以外にも小テストを行い、理解力を養う。オフィスアワーは別途掲示等で知らせる。オフィスアワー以外の放課後、休憩時間にも可能であれば質問を受け付ける。
注意点:
授業での到達目標が達成され、化学に関する基礎的な概念や法則が習得できたかを評価する。成績は定期試験、実験レポート、小テストをもとに総合的に評価する。
評価点は定期試験(70%)+実験レポート・課題(20%)+小テスト(10%)の割合で算出する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 修学ガイダンス、化学と人間生活 化学と人間生活の関係において金属、プラスチックの用途や、化学物質の有効性や環境リスクを説明できる。
2週 純物質と混合物、化合物と元素、物質の三態 純物質と混合物、化合物と元素について説明できる。物質の三態を知っている。
3週 物質の三態、原子の構造/学生実験「混合物の分離」 物質の三態および原子の構造について説明できる。
4週 元素の周期律と元素の性質 元素の周期律と元素の性質について説明できる。
5週 イオンとイオン結合、共有結合 イオンの生成とイオン結合、および共有結合について説明できる。
6週 配位結合、分子間力 配位結合について理解している。分子間力について説明できる。
7週 金属結合と金属結晶の構造 金属結合と金属結晶の構造について説明できる。
8週 前期中間試験までの復習(前期中間試験) 前期中間試験までの学習内容を理解する。
2ndQ
9週 化学結合と物質の分類・用途 化学結合と物質の分類・用途について説明できる。
10週 原子量・分子量・式量 原子の相対質量や原子量・分子量・式量について説明できる。
11週 物質量 物質量について説明できる。
12週 物質量、溶液の濃度 物質量や濃度を理解し、基本的な計算ができる。
13週 化学反応式と量的関係/学生実験「気体の分子量の測定」 化学反応式の表す意味を理解し、化学反応式を書くことができる。
14週 化学反応式と量的関係/化学の基本法則と原子説・分子説 化学反応式を使った基本的な計算ができる。化学の基本法則を説明できる。
15週 前期末試験 前期末試験までの学習内容を説明できる。
16週 前期末までの復習 前期末までに習った内容について、自らの課題を認識し修正できる。
後期
3rdQ
1週 酸と塩基、水素イオン濃度とpH 酸と塩基を説明でき、水素イオン濃度とpHの関係を理解し、基本的な計算ができる。
2週 中和反応と塩の生成 塩の生成を含め中和反応を説明できる。
3週 中和滴定 中和滴定の基本的な計算ができる。
4週 酸化と還元 酸化と還元について説明できる。
5週 酸化剤と還元剤 酸化数、酸化剤と還元剤について説明できる。
6週 金属の酸化還元反応 金属の酸化還元反応、イオン化列について説明できる。
7週 電池 電池の原理やダニエル電池、鉛蓄電池について説明できる。一次電池、二次電池について説明できる。
8週 後期中間試験までの復習(後期中間試験) 後期中間試験までの学習内容を説明できる。
4thQ
9週 電気分解/学生実験「電気分解」 電気分解の原理を説明でき、電気分解の基本的な計算ができる。
10週 物質の三態、状態変化 物質の状態変化を粒子運動から説明できる。
11週 気体の性質、気体の状態方程式 気体の性質を説明し、ボイルーシャルルの法則や気体の状態方程式について基本的な計算ができる。
12週 混合気体、溶解のしくみ、固体の溶解度 分圧について基本的な計算ができる。固体の溶解度の原理を説明し、基本的な計算ができる。
13週 再結晶、気体の溶解度 再結晶、気体の溶解度について説明し、基本的な計算ができる。
14週 学年末試験までの復習 学年末までに習った内容について、自らの課題を認識し修正できる。
15週 学年末試験 学年末試験までの学習内容を理解する。
16週 希薄溶液の性質、コロイド
学年末までの復習
沸点上昇、浸透圧について説明し、基本的な計算ができる。コロイドについて説明できる。学年末までに習った内容について、自らの課題を認識し修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。1前1
物質が原子からできていることを説明できる。1前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1前1
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1前1
純物質と混合物の区別が説明できる。1前1
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。1前1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。1前2
水の状態変化が説明できる。1前2
物質の三態とその状態変化を説明できる。1前2,後10
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。1後11
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。1後11
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。1前3
同位体について説明できる。1前3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。1前3
価電子の働きについて説明できる。1前3
原子のイオン化について説明できる。1前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。1前5
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。1前4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。1前4
イオン式とイオンの名称を説明できる。1前5
イオン結合について説明できる。1前5,前8
イオン結合性物質の性質を説明できる。1前5
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。1前5
共有結合について説明できる。1前5,前8
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。1前5
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。1前7
金属の性質を説明できる。1前7,前8
原子の相対質量が説明できる。1前10
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。1前10
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。1前11,前12
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1前11
気体の体積と物質量の関係を説明できる。1前12
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。1前13,前14
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。1前13,前14
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。1前12
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。1前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。1前12
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。1後1
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。1後1
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。1後1
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。1後1
中和反応がどのような反応であるか説明できる。1後2
中和滴定の計算ができる。1後2
酸化還元反応について説明できる。1後3,後4
イオン化傾向について説明できる。1後5
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。1後5
ダニエル電池についてその反応を説明できる。1後6
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。1後6
一次電池の種類を説明できる。1後7
二次電池の種類を説明できる。1後7
電気分解反応を説明できる。1後7
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。1後9
ファラデーの法則による計算ができる。1後9
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。1前3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。1前3
測定と測定値の取り扱いができる。1前7,前13,後9
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。1前7,前13,後9
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。1前3,前7,前13,後9
ガラス器具の取り扱いができる。1前3,前7,前13,後9
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。1前3,前7,前13,後9
試薬の調製ができる。1
代表的な気体発生の実験ができる。1前13
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000