概要:
日本語の授業においては、「対話力」を高めることを最終目標とする。
この授業では、「対話力」を高めるため、次の5点の向上を目指す。
1.文章を読んでその内容を正確に把握し、要約できる能力
2.話を聞いてその内容を正確に把握し、要約できる能力
3.文字言語を用いて、伝えるべき内容を的確に表現できる能力
4.音声言語を用いて、伝えるべき内容を的確に表現できる能力
5.言語文化とその歴史に関する、正確な知識とそれを応用する力
この日本語3の授業は「現代文」と「古典」に分けて授業を行う。
「現代文」の授業では、単元毎に文章を分析的に読みながら、文章の構造および内容を的確に把握することを目指す。また、8回の漢字テストを実施する。
「古典」のうち「古文」の授業では、主として言語文化の歴史を概観し、正確な知識の習得を目指す。「漢文」の授業では、古い中国の文章(漢文)を読むことによって漢字や熟語(漢語)の成り立ちや漢文的言い回しを理解し、語彙力を高め簡潔な表現の参考とする。
授業の進め方・方法:
予習:現代文 学習する単元の音読をし、読めない漢字、意味のわからない言葉をチェックする。古典 (古文)本文をノートに書き写しておく。(漢文)ノートに書き下し文を書いておく。授業:教員の説明を理解することを最優先し、理解した上でノートを取る。説明を受けてもわからないことは質問する。(辞書または電子辞書持参)古典 現代語にない語彙、現代語とは意味の異なる語彙に注意して、正しく現代語に訳し、文章の内容をしっかり理解する。復習:現代文 ノートを見て、授業中の説明が復元できるか確認する。古典 本文を読み返し、内容が理解できたか確認する。
注意点:
到達目標全般を定期試験(8割)で、(1)(3)(6)を漢字テスト・授業への参加(2割)の割合で評価する。漢字テストのレポート(10点満点中4点以下の者に課す課題)の未提出者は成績から減点し、再評価試験などの対象としない。実力テストの結果は成績に加算する。最終成績が合格点に満たない者には、再評価試験を行う。再評価試験を受けていない者は、追認試験の受験資格を認めない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
現代文:評論「『自明性の罠』からの解放」古 典:授業導入/古文『徒然草』「つれづれなるままに」他 |
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2週 |
現代文:評論「『自明性の罠』からの解放」 第17回漢字テスト(80-81p) 古 典:古文『徒然草』「猫また」(テキストは授業内で配布)他 |
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3週 |
現代文:小説「山月記」 第18回漢字テスト(82-83p) 古 典:古文『徒然草』「花は盛りに」他 |
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4週 |
現代文:小説「山月記」 第19回漢字テスト(84-85p) 古 典:古文『平家物語』「祇園精舎」他 |
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5週 |
現代文:小説「山月記」 第20回漢字テスト(86-87p) 古 典:古文『万葉集』(額田王の歌他) |
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6週 |
現代文:評論「手の変幻」 第21回漢字テスト(88-89p) 古 典:古文『古今和歌集』(在原業平の歌他)/『新古今和歌集』(西行法師の歌他) |
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7週 |
現代文:評論「手の変幻」 第22回漢字テスト(90-91p) 古 典:古文『奥の細道』「旅立ち」他 |
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8週 |
現代文:詩「ちがう人間ですよ」古 典:漢文(導入)/中国古代の思想(諸子百家) |
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2ndQ |
9週 |
中間試験(現代文〔第1回~8回の範囲〕と古典〔第1回~7回の範囲〕に分けて実施する) |
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10週 |
現代文:中間テストの返却と解説 /小説「タオル」古 典:中間テストの返却と解説 |
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11週 |
現代文:小説「タオル」 第23回漢字テスト(92-93p) 古 典:漢文『論語』(学問) |
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12週 |
現代文:小説「タオル」 第24回漢字テスト(94-95p) 古 典:漢文『論語』(仁) |
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13週 |
現代文:評論「動的平衡」 古 典:漢文『論語』(政治) |
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14週 |
現代文:評論「動的平衡」古 典:漢文『孟子』 |
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15週 |
期末試験(現代文〔中間試験以降の範囲〕と古典〔第8回、第11~14回の範囲〕に分けて実施する) |
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16週 |
現代文:期末試験の返却と解説 前期のまとめ 古 典:期末試験の返却と解説/中国の伝統思想について |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 3 | |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 3 | |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 3 | |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 3 | |
論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 3 | |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 3 | |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 3 | |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 3 | |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 3 | |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 3 | |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 2 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 2 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 2 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 2 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 2 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 2 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 2 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 2 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 2 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 2 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 2 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 2 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 2 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 2 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 2 | |