現代の社会

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 現代の社会
科目番号 0045 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 人文科学科・数理科学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じプリント、写真、映像資料を利用する。参考文献:池上彰『社会人として必要な経済と政治のことが5時間でざっと学べる』(KADOKA、2018年)、図説 世界の紛争がよくわかる本」,毎日新聞社外信部,東京書籍,2001、坂東太郎『「政治のしくみ」が(イチから)わかる本』(日本実業出版社、2016年)、菅原晃『経済学サクわかり中学の教科書から学び直す』(朝日新聞出版、2018年)
担当教員 鳥谷 智文

到達目標

授業を通じて達成が期待される事項は,以下の通りである。
(1)「戦争」の実態を理解し,技術者として平和を実現する倫理観を理解できる。
(2)経済や政治の仕組みについて理解できる。
(3)人間の幸福の一つである音楽の魅力を理解し、感じることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「戦争」の実態を理解し,技術者として平和を実現する倫理観を十分理解できる。「戦争」の実態を理解し,技術者として平和を実現する倫理観を理解できる。「戦争」の実態を理解し,技術者として平和を実現する倫理観を理解できない。
評価項目2経済や政治の仕組みについて十分理解できる。経済や政治の仕組みについて理解できる。経済や政治の仕組みについて理解できない。
評価項目3人間の幸福の一つである音楽の魅力を十分理解し、感じることができる。 人間の幸福の一つである音楽の魅力を理解し、感じることができる。人間の幸福の一つである音楽の魅力を理解できず、感じることもできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代の社会構造や人間の特徴を理解する上で、戦争は避けて通れない。人類は,戦争の度に戦争の愚かさを認識し,平和を築く多くの試みを行う。しかし,戦争は今も世界のどこかで勃発している。戦争の愚かさや平和の尊さなどについての国際的な相互理解に代表される知的・道徳的(倫理的)距離は依然として縮まっていないのではなかろうか。本授業では、まず「戦争」をとりあげ、21世紀に生きる我々が,技術者としてー1人の人間としてー,平和のグローバル化(国際的平和),「戦争のない世紀」をめざすための基礎的思考力(倫理観,相互理解力)を養うことを目標としたい。そして、現代社会を生き抜くために経済の仕組み、政治の仕組みについて基礎的な知識を理解し、社会人として経済や政治の動向を常に把握しようとする力を育てたい。また、現代における人間の幸福感は、経済の分野だけではとらえられず、人間が育んだ文化をとらえることによって最良の幸福を得られることもある。むしろ、経済的な部分よりも文化的部分における共感が大きいのではないかと考える。そのような幸福に至る可能性の高いスキルの一つとして音楽がある、本授業では、音楽の持つ魅力と音楽の背景にある社会構造について紹介する。

授業の進め方・方法:
学習目標の達成度の評価:
・中間・期末試験50%
・レポート50%
・60%以上を合格とする。
注意点:
・授業は,集中して聴き,きちんとメモをとることが必要である。
・本授業は,基礎的な内容しか提示しないので、図書館などでじっくり調査,分析し,理解を深めることが重要である。
・再評価試験は実施しない。但し、レポートの提出により再評価する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業概要の説明,日本の対外戦争(日清戦争,日露戦争)について概説する。レポート1 日本の対外戦争について理解できる。
2週 第一次世界大戦について解説する。 レポート2 第一次世界大戦について理解できる。
3週 第二次世界大戦について解説する。レポート3  第二次世界大戦について理解できる。
4週 民族紛争,内戦について、コソボ紛争,ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦などの具体的事例を検討することによって理解する。 レポート4  民族紛争について理解できる。
5週 戦争と音楽、国家と音楽の関係について概説する。レポート5 戦争や国家に関わっていく音楽について、理解できる。
6週 お金と向き合うためのルール(家計のあり方を含む)について概説する。レポート6 家計の問題について理解でき、実際の計算ができる。
7週 景気、金融、投資の仕組みについて概説する。
経済関係の記事を読み、理解することができる。
8週 中間試験 第1週から第7週までの内容を理解できている。
4thQ
9週 国会議員、国会の役割、総理大臣、ニュースを読むにあたっての政治用語について概説する。 政治関係の記事を読み、理解することができる。
10週 選挙について概説し、選挙の争点となる憲法についても注目される点を示す。レポート7 選挙の仕組みと争点になる事項について理解できる。
11週 人間の幸福と音楽について、J-POPを題材に分析を試みる。レポート8
JーPOPの特徴を理解し、幸福を感じることができる。
12週 各地域の民族に根付いた芸術(音楽を中心に)について、例えば日本の場合、アニメを取り上げ、アメリカの場合、ジャズ、ミュージカルなどを通じて、社会構造に一側面を描きたい。レポート9 各地域の民族に根付いた芸術について考え、感じ取るとことができる。
13週 革命を起こしたベートーヴェンの音楽についてその社会的背景とともに概説する。レポート10 ベートーヴェンの革命的音楽の特徴とその効果について考えることができる、
14週 ワーグナーの示した音楽とそれを基底として発展していくドビュッシーなどの音楽を概説する。 ワーグナーの音楽の特徴と、発展していく様々な音楽について理解し、音楽の主張について考えることができる。
15週 期末試験 第8週から第14週までの内容を理解できている。
16週 試験返却、復習(音楽鑑賞とともに、再評価のための幸福感の分析レポートを書く) 音楽鑑賞により、幸福感を味わうことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3後1
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3後1
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3後16

評価割合

試験課題合計
総合評価割合1000100
基礎的能力1000100
専門的能力000
分野横断的能力000