応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0052 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人文科学科・数理科学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 なし (参考書 物理学演習テキスト 物理学演習テキスト編集委員会 学術図書出版社)
担当教員 須原 唯広

到達目標

慣性力、2 体系、多体系、剛体の運動について基本事項の理解と、これらを用いた運動の解析ができるようになることを目標とする。特に、「慣性力が座標変換に伴って見かけの力であること」、「大きさのある物体の運動が多体系の運動として解析できること」、「剛体の運動が慣性モーメントを用いて解析できること」の理解を到達目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1座標変換に伴う見かけの力(慣性力)について正確に理解できる。座標変換に伴う見かけの力(慣性力)について理解できる。座標変換に伴う見かけの力(慣性力)について理解できない。
評価項目22 体問題について、重心運動と相対運動を正確に理解できる。2 体問題について、重心運動と相対運動を理解できる。2 体問題について、重心運動と相対運動を理解できない。
評価項目3多体系の運動量、角運動量、エネルギーについて正確に理解できる。多体系の運動量、角運動量、エネルギーについて理解できる。多体系の運動量、角運動量、エネルギーについて理解できない。
評価項目4多体系から出発した剛体の運動方程式の導出を正確に理解できる。多体系から出発した剛体の運動方程式の導出を理解できる。多体系から出発した剛体の運動方程式の導出を理解できない。
評価項目4慣性モーメントを計算し、剛体の運動方程式を立て、正確に解くことができる。慣性モーメントを計算し、剛体の運動方程式を立て、解くことができる。慣性モーメントを計算し、剛体の運動方程式を立て、解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
慣性力、2 体系、多体系、剛体の運動について解説する。座標の変換について解説し、座標変換に伴って見かけの力である慣性力(遠心力、コリオリ力等)が現れることを解説する。2 体系の重心運動、相対運動について解説する。多体系の重心運動、重心周りの運動について解説する。多体系に基礎を置き、剛体の運動方程式を解説する。慣性モーメントの計算に関する定理を解説する。具体例も取り扱う。
授業の進め方・方法:
中間試験 (40 点) 、期末試験 (40 点) 、 課題レポート (20 点) で評価する。60 点以上を合格とする。
再評価試験、追認試験は実施しない。ただし、成績が50点以上60点未満のものに対しては再評価課題を実施する。
注意点:
本科目は学修単位科目であり,1回の授業(90分)に対して180分以上の自学自習が必要である。
定期試験は、課題レポートの問題を参考に出題する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 座標変換
平行移動、回転移動の座標変換について解説する。
座標変換について理解する。
2週 並進座標系
慣性系のガリレイ変換、加速度系と慣性力について解説する。
並進座標変換に場合の慣性力について理解する。
3週 回転座標系1
回転座標系について解説する。
回転座標系の座標変換について理解する。
4週 回転座標系2
遠心力、コリオリの力について解説する。
遠心力、コリオリ力について理解する。
5週 回転座標系3
慣性系と回転座標系での物体の運動の見え方の違いについて解説する。
遠心力とコリオリ力が働く場合の物体の運動を説明できる。
6週 2 体系1
2 体系の重心運動と相対運動について解説する。
二体問題が重心運動と相対運動に分離できることを理解する。
7週 2 体系2
2 体系の運動エネルギーと角運動量について解説する。
重心運動と相対運動の運動エネルギーと角運動量を理解する。
8週 中間試験
第1 回~第7 回の内容について試験を行う。
合格ラインを超える。
4thQ
9週 多体系1
多体系の重心と重心周りの運動について解説する。
多体問題が重心運動と重心周りの運動に分離できることを理解する。
10週 多体系2
多体系の運動量、角運動量、エネルギーについて解説する。
多体系の運動量、角運動量、エネルギーについて理解する。
11週 剛体1
剛体の定義、剛体の運動について解説する。
剛体の運動を多体問題の考え方を用いて理解する。
12週 剛体2
剛体の運動方程式と慣性モーメントについて解説する。
剛体の運動方程式を理解し、そこに慣性モーメントが出てくることを理解する。
簡単な形状の物体の慣性モーメントの計算ができる。
13週 剛体3
慣性モーメントに関する定理について解説する。
慣性モーメントを求めるのに便利な定理を理解する。
それを用いて複雑な形状の物体の慣性モーメントの計算ができる。
14週 剛体4
剛体運動の具体例を解説する。
剛体の回転運動について、運動方程式を立てて、解くことができる。
15週 期末試験
第9 回~第14 回の内容について試験を行う。
合格ラインを超える。
16週 まとめ
試験の解説及びこれまでのまとめを行う。
内容全体を振り返り、定着させる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後12,後13
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後11,後14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000