工業力学2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業力学2
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 : 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 工業力学、青木弘・木谷晋著、森北出版、2100円税込み
担当教員 後藤 宏介

到達目標

1)ニュートンの運動の法則、慣性力、向心力、遠心力が説明でき、問題が解ける。
(2)慣性モーメント、断面二次モーメントが説明でき、問題が解ける。
(3)直交軸、平行軸の定理が説明でき、問題が解ける。
(4)回転の運動方程式を立て、解く事が出来る。
(5)運動量、力積、運動量保存の法則が説明でき、衝突の問題が解ける。
(6)仕事、エネルギー、動力が説明でき、問題が解ける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ニュートンの運動の法則、慣性力、向心力、遠心力が説明でき、問題が正しく解ける。ニュートンの運動の法則、慣性力、向心力、遠心力が説明でき、問題が解ける。ニュートンの運動の法則、慣性力、向心力、遠心力が説明でき、問題が解けない.
評価項目2慣性モーメント、断面二次モーメントが説明でき、問題が正しく解ける。慣性モーメント、断面二次モーメントが説明でき、問題が解ける。慣性モーメント、断面二次モーメントが説明でき、問題が解けない.
評価項目3直交軸、平行軸の定理が説明でき、問題が正しく解ける。直交軸、平行軸の定理が説明でき、問題が解ける。直交軸、平行軸の定理が説明でき、問題が解けない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 説明 閉じる
機械工学科 到達目標 M1 機械工学科 基礎知識 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学科では、理論的な基盤となる主要科目は、「材料力学」、「熱力学」、「機械力学」、「流体力学」と言われており、これらは“4力学(よんりきがく)”と呼ばれることもある。
工業力学は、4力学の基礎となる学問で、一般力学、応用力学とも呼ばれる。内容の多くは1学年の物理Ⅰ、物理Ⅱの内容と重複する。
講義内容は、大きく2つに分けられる。静力学と動力学である。工業力学1では、静力学(力が作用するけれども物体が運動しない問題)を扱った。工業力学2では、動力学(力が作用して物体が運動する問題)を扱う。
以下の順序で講義する。
1) 動力学(運動と力 : 運動方程式、慣性力、向心力、遠心力)(5章)
2)  〃 (剛体の運動: 慣性モーメント、平行軸・直交軸の定理、剛体の平面運動)(6章)
3)  〃 (衝突   : 運動量、力積、運動量保存の法則)(7章)
4)  〃 (仕事、エネルギー、動力: ばね・重力・回転の仕事、位置・運動・回転のエネルギ ー)(8章)
授業の進め方・方法:
定期試験90%、取組姿勢等(出席点を含む)10%で評価する.50点以上を合格とする.

再試験:再試験期間中に1回実施し,60点以上で合格とする.再試験合格者の最終成績は50点.ただし,中間・期末ともに25点未満だったものは,受講意思なしと判断し受験資格を与えない.
注意点:
授業だけで理解できるものではありません.課題、復習を欠かさずに行うこと.
まず教科書が読むこと.
授業中は、筆記用具を持ち、分からないことをノートに記述する.
演習問題を丁寧に解く.
課題はもちろんのこと,演習問題等を積極的に解き授業の復習をする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 第5章 運動と力  5.1運動の法則 5.2慣性力 ニュートンの運動方程式、慣性力を理解する。
2週 5.3向心力と遠心力  向心力(および遠心力)を理解する。
3週 第6章 剛体の運動 6.1慣性モーメント 6.2平行軸の定理 (高専祭) 重心周りの物体の回転させにくさ(慣性モーメント)の定義と求め方を理解する。重心を通らない軸まわりの慣性モーメントの求め方(平行軸の定理)を学ぶ。
4週 6.2直交軸の定理 6.3断面二次モーメント x軸まわりの慣性モーメントとy軸まわりの慣性モーメントから、直行するz軸まわりの慣性モーメントを求める方法(直行軸の定理)を学ぶ。
5週 6.4簡単な物体の慣性モーメント(1)棒、(2)長方形板、(3)円板、(4)円柱、(5)球 いろいろな形状の物体の、慣性モーメントを計算してみる。
6週 6.5剛体の平面運動、6.6剛体の平面運動の方程式  平面運動は、回転運動と並進運動の組み合わせである事を学ぶ。回転運動の方程式の立て方を学ぶ。
7週 6.7回転体のつりあい 回転体の釣り合いを学ぶ。
8週 中間試験 第1回~7回までの評価試験を行う。
4thQ
9週 第7章 衝突   7.1運動量と力積、7.2角運動量 運動量、力積、描く運動量の定義を学ぶ。
10週 7.3運動量保存の法則 7.4衝突 (1)向心衝突、(2)斜め衝突 衝突時の運動量保存の法則を学ぶ。
11週 7.4衝突 (3)偏心衝突、(4)打撃の中心 偏心衝突、打撃には反力を受けない打撃の中心がある事を学ぶ。
12週 第8章 仕事、エネルギー、動力  8.1仕事 (1)単位、(2)バネの仕事、(3)重力の仕事、(4)回転の仕事 ばねの仕事(=力×距離)、重力の仕事、回転の仕事を理解する。
13週 8.2エネルギー(1)エネルギー、(2)位置エネルギー、(3)運動エネルギー、(4)回転のエネルギー エネルギー(=仕事をする能力)を位置エネルギー・運動エネルギー(並進・回転)について理解する。
14週 8.3動力 動力(=仕事率、馬力)を直線運動と回転運動の場合について理解する。
15週 期末試験 第1回~14回までの評価試験を行う。
16週 試験の回答、まとめ 試験の回答と講義全体のまとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
応力-ひずみ線図を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3

評価割合

試験取組姿勢合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000