材料学1

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料学1
科目番号 0008 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】 基礎機械材料学,松澤和夫,日本理工出版会,(2014) 【参考書】機械・金属材料学,黒田大介,実教出版,(2015)
担当教員 新野邊 幸市

到達目標

1) 機械材料に要求される性質と金属材料,非金属材料等の特性を理解する.
2) 引張試験,硬さ試験のほか,衝撃,疲労,クリープなど機械的特性を求める試験法を理解する.
3) 金属の結晶構造を学び,充填率や配位数を理解する.
4) ミラー指数を用いた結晶面と方向の表示法を理解する.



ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械材料に要求される性質と金属材料,非金属材料等の特性を正しく理解できる.機械材料に要求される性質と金属材料,非金属材料等の特性を理解できる.機械材料に要求される性質と金属材料,非金属材料等の特性を理解できない.
評価項目2引張試験,硬さ試験のほか,衝撃,疲労,クリープなど機械的特性を求める試験法を正しく理解できる.引張試験,硬さ試験のほか,衝撃,疲労,クリープなど機械的特性を求める試験法を理解できる.引張試験,硬さ試験のほか,衝撃,疲労,クリープなど機械的特性を求める試験法を理解できない.
評価項目3金属の結晶構造を学び,充填率や配位数を正しく理解できる.金属の結晶構造を学び,充填率や配位数を理解できる.金属の結晶構造を学び,充填率や配位数を理解できない.
評価項目4ミラー指数を用いた結晶面と方向の表示法を正しく理解できる.ミラー指数を用いた結晶面と方向の表示法を理解できる.ミラー指数を用いた結晶面と方向の表示法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

機械工学科教育目標 M1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 すべての構造物は「材料」で構成されていて,強さが強く,美麗さがあり,かつ再生が可能であるなどの理由から「金属」が多く用いられる.金属のうちで「鉄」は古代から最も身近に使われてきていて,加熱・冷却などの熱処理することにより,またわずかに他の元素を合金することにより多種多用な性質が得られる.そこで材料学では機械工学を学ぶ上で基礎知識となる金属材料の材料強度・組織学を主として学習する.初回となる本講義では,機械的特性と各種の試験法のほか、金属の結晶構造とその結晶面と方向の表示法、ならびに加工硬化と回復・再結晶を学習する.
授業の進め方・方法:
 中間試験は到達目標1) と2) の項目,期末試験は到達目標3) と4) の項目について,学習内容の理解度を評価するため実施する.レポートおよび小テストは5回ほど実施する.最終成績は中間試験,期末試験ならびにレポート等を評価対象として,次の式により計算する.50点以上を合格とする.
中間試験:期末試験:レポート・小テスト= 40% : 40% : 20%
注意点:
再評価試験は総合成績が50点未満の学生に対して実施して,70点以上を合格とする. 

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 Trial 1 機械材料
周期律表中の金属の分類を学び,金属材料の特性を理解する.
機械材料に求められる性質を説明できる。
2週 Trial 2 機械材料
金属材料と非金属材料,複合材料,機能材料の違いを理解する.
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。
3週 Trial 3 機械的試験法
引張試験の原理と応力-歪み曲線を理解する.
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。
4週 Trial 4 機械的試験法
前週に続いて,引張試験の原理と応力-歪み曲線を理解する.
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。
5週 Trial 5 機械的試験法
硬さ試験の原理と硬さの表示法を理解する.
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。
6週 Trial 6 機械的試験法
前週に続いて,硬さ試験の原理と硬さの表示法を理解する.
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。
7週 Trial 7 機械的試験法
衝撃試験と疲労試験を理解し,脆性と靱性ならびにS-N曲線を理解する.
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。
8週 中間試験
第1週~第7週までの学習到達度を中間試験により評価する.
4thQ
9週 Trial 8 金属の結晶構造
結晶構造の分類を理解し,結晶系とブラベー格子を理解する.また,bcc, fcc, hcpなど金属の結晶構造を理解する.
金属と合金の結晶構造を説明できる。
10週 Trial 9 金属の結晶構造
結晶構造の分類を理解し,結晶系とブラベー格子を理解する.また,bcc, fcc, hcpなど金属の結晶構造を理解する.
金属と合金の結晶構造を説明できる。
11週 Trial 10 金属の結晶構造
前週に続いて,bcc, fcc, hcpなど金属の結晶構造を学び,さらに原子の充填率を理解する.

金属と合金の結晶構造を説明できる。
12週 Trial 11 金属の結晶構造
結晶面を表すミラー指数を理解する.
により求める.
金属と合金の結晶構造を説明できる。
13週 Trial 12 金属の結晶構造
結晶面を表すミラー指数を理解するほか,結晶方法を表すミラー指数を理解する.
金属と合金の結晶構造を説明できる。
14週 Trial 13 金属の塑性加工
加工硬化と回復・再結晶による組織変化を理解する.
金属と合金の結晶構造を説明できる。
15週 期末試験
第9週~第14週までの学習到達度を期末試験により評価する.
16週 総評

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3後1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3後1
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3後7
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3後6,後7
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3後7,後8
金属と合金の結晶構造を説明できる。3後10

評価割合

中間試験期末試験小テスト・レポート課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000