材料学1

科目基礎情報

学校	松江工業高等専門学校	開講年度	令和06年度 (2024年度)
授業科目	材料学1
科目番号	0008	科目区分	専門 / 必履修
授業形態	授業	単位の種別と単位数	履修単位: 1
開設学科	機械工学科	対象学年	2
開設期	後期	週時間数	2
教科書/教材	【教科書】工業材料　文部科学省　 【参考書】機械・金属材料学，黒田大介，実教出版 材料技術基礎 材料の基礎から新素材まで，里達雄，実教出版
担当教員	新野邊 幸市

到達目標

1) 機械材料に要求される性質と金属材料，非金属材料等の特性を理解する．
2) 金属の結晶構造を学び，単位格子の充填率や結晶方位(ミラー指数)を理解する．
3) 合金の特徴と凝固過程を理解する．
4) 合金の2元系状態図を理解する．

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1	機械材料に要求される性質と金属材料，非金属材料等の特性を正しく理解できる．	機械材料に要求される性質と金属材料，非金属材料等の特性を理解できる．	機械材料に要求される性質と金属材料，非金属材料等の特性を理解できない．
評価項目2	金属の結晶構造を学び，充填率やミラー指数を正しく理解できる．	金属の結晶構造を学び，充填率やミラー指数を理解できる．	金属の結晶構造を学び，充填率やミラー指数を理解できない．
評価項目3	合金の特徴と凝固過程を正しく理解できる．	合金の特徴と凝固過程を理解できる．	合金の特徴と凝固過程を理解できない．
評価項目4	合金の2元系状態図を学び、全率固溶型と共晶型状態図を正しく理解できる．	合金の2元系状態図を学び、全率固溶型と共晶型状態図を理解できる．	合金の2元系状態図を学び、全率固溶型と共晶型状態図を理解できない．

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 M1 （機械工学に関する基礎知識がある。）

機械工学科教育目標 M1 （機械工学に関する基礎知識がある。）

教育方法等

概要:

　すべての構造物は「材料」で構成されていて，強さが強く，美麗さがあり，かつ再生が可能であるなどの理由から「金属」が多く用いられる．金属のうちで「鉄」は古代から最も身近に使われてきていて，加熱・冷却などの熱処理することにより，またわずかに他の元素を合金することにより多種多用な性質が得られる．そこで材料学では機械工学を学ぶ上で基礎知識となる金属材料の材料強度・組織学を主として学習する．初回となる本講義では，材料の分類、金属の結晶構造、合金の凝固過程と2元系状態図を学習する．

授業の進め方・方法:

　中間試験は到達目標1) と2) の項目，期末試験は到達目標3) と4) の項目について，学習内容の理解度を評価するため実施する．レポート課題および小テストは5回ほど実施する．最終成績は中間試験，期末試験ならびにレポート課題等を評価対象として，次の式により計算する．50点以上を合格とする．
中間試験：期末試験：レポート・小テスト＝ 40% ： 40% ： 20%

注意点:

再評価試験は総合成績が50点未満の学生に対して実施して，『70点以上』を合格とする．　

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	Trial 1 機械材料 金属材料と非金属材料，複合材料，機能材料の違いを理解する．	金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を理解できる．
		2週	Trial 2 金属の結晶構造 周期表の知識を踏まえ、原子構造や結合様式から金属材料の特徴を理解する．	周期表を参照し、金属材料の特性を理解できる．
		3週	Trial３ 金属の結晶構造 金属材料の結晶構造を理解する．	金属材料の結晶構造を理解し、セラミックス材料の結晶構造との違いを理解できる．
		4週	Trial４ 金属の結晶構造 bcc, fcc, hcpなど金属の結晶構造を学ぶ．	金属の結晶構造を理解できる．
		5週	Trial５ 金属の結晶構造 前週に続いて，bcc, fcc, hcpなど金属の結晶構造を学び，さらに充填率を理解する．	充填率を算出することで、金属の結晶構造を詳しく理解できる．
		6週	Trial６ 金属の結晶構造 結晶面を表すミラー指数を理解するほか，結晶方法を表すミラー指数を理解する．	ミラー指数の表示法を理解できる．
		7週	Trial７ 金属の結晶構造 前週に続いて，結晶面を表すミラー指数を理解するほか，結晶方法を表すミラー指数を理解する．	演習問題を解くことで、ミラー指数の表示法を詳しく理解できる．
		8週	中間試験 第1週～第7週までの学習到達度を中間試験により評価する．
	4thQ
		9週	Trial 8 合金の凝固と状態図 純金属と合金を比較して，合金の特徴を理解する．	溶質原子と溶媒原子を理解して、合金の特徴を理解できる．
		10週	Trial９ 合金の凝固と状態図 純金属と合金の凝固過程を理解することで，合金の特徴および状態図を理解する．	純金属と合金の凝固過程を理解できる．
		11週	Trial 10 合金の凝固と状態図 全率固溶型状態図を読み解き，合金の凝固過程を理解する．	全率固溶型状態図を理解できる．
		12週	Trial 11 合金の凝固と状態図 前週に続いて、全率固溶型状態図を読み解き，合金の凝固過程を理解する．	全率固溶型状態図をもとに、重量比の計算、凝固過程の組織形態ができる．
		13週	Trial 12 合金の凝固と状態図 共晶型状態図を読み解き，合金の凝固過程を理解する．	共晶型状態図を理解できる．
		14週	Trial 13 合金の凝固と状態図 前週に続いて、共晶型状態図を読み解き，合金の凝固過程を理解する．	共晶型状態図をもとに、重量比の計算、凝固過程の組織形態ができる．
		15週	期末試験 第9週～第14週までの学習到達度を期末試験により評価する．
		16週	総評

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
専門的能力	分野別の専門工学	機械系分野	材料	機械材料に求められる性質を説明できる。	3	後1
				金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。	3	後1
				金属と合金の結晶構造を説明できる。	3	後10
				金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。	3
				合金の状態図の見方を説明できる。	3

評価割合

	中間試験	期末試験	小テスト・レポート課題	合計
総合評価割合	40	40	20	100
基礎的能力	0	0	0	0
専門的能力	40	40	20	100
分野横断的能力	0	0	0	0