流体工学III

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 流体工学III
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:学生のための流体力学入門,高尾ほか5名(パワー社)    ターボ機械-入門編―【新改訂版】(日本工業出版)参考書:流体工学および流体機械に関する全ての書籍
担当教員 高尾 学,山根 清美

到達目標

流体力学(1)ニュートンの粘性の法則を理解し,説明できる。
(2)レイノルズ゙数の意味と用途を理解し,説明できる。
(3)ダルシー・ワイスバッハの式を理解し,説明できる。
(4)円管内の層流の流速分布を理解し,説明できる。
(5)ハーゲン・ポアズイユの法則を理解し,説明できる。
(6)境界層を理解し,説明できる。
(7)円管内の乱流の流速分布を理解し,説明できる。
(8)管路の損失ヘッドと水力勾配線を理解し,説明できる。
流体機械(1)ターボ機械の分類や特徴,作動原理について理解し,説明できる.
(2)ターボ機械の構成要素と内部流れについて理解し,説明できる.
(3)ターボ機械の性能や運転について理解し,説明できる.
(4)代表的なターボ機械の種類や特徴について理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ニュートンの粘性の法則を理解し,正しく説明できる。ニュートンの粘性の法則を理解し,説明できる。ニュートンの粘性の法則を理解し,説明できない。
評価項目2レイノルズ゙数の意味と用途を理解し,正しく説明できる。レイノルズ゙数の意味と用途を理解し,説明できる。レイノルズ゙数の意味と用途を理解し,説明できない。
評価項目3ダルシー・ワイスバッハの式を理解し,正しく説明できるダルシー・ワイスバッハの式を理解し,説明できるダルシー・ワイスバッハの式を理解し,説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 説明 閉じる
機械工学科 到達目標 M1 機械工学科 基礎知識 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「流体力学」および「流体機械」に関する講義を行う.
当科目における「水力学」の分野では,流体の粘性が流れに影響を及ぼす問題を中心に授業を行う。概ね以下の順序で授業を進行する。(1)粘性の影響は管壁に出る。/(2)粘性は圧力を損失させる。/(3)粘性は、流れの状態(層流と乱流)に影響し,レイノルズ数Reで判断する。/(4)層流の流速分布。
/(5)乱流の流速分布。/(6)境界層内の流速分布。
「流体機械」の分野では,特にターボ形流体機械(以下,ターボ機械)の理解を目的として,ターボ機械の分類,作動原理,性能など,ターボ機械の一般的な知識と理論,運転特性や運転時に発生する諸現象について解説する.また代表的なターボ機械(ターボポンプ,ターボ送風機,水車,風車など)についての概略を解説する.
本科目の履修によって,水力学やターボ機械の基礎知識を理解し,それらに関する演習問題を解くことができる.
授業の進め方・方法:
定期試験: 2回(中間・期末)実施し,全評価の90%とする.
中間試験では,「流体力学」の到達目標(1)~(8)を,
期末試験では,「流体機械」の到達目標(1)~(4)を評価する.
課題:全評価の10%とし,全ての到達目標を評価する.課題未提出者は欠席と判断する.
合否判定:定期試験と課題の評価により,総合成績が60点以上の受講生を合格とする.
再評価試験:期末試験後に中間・期末の全範囲を対象に1回のみ実施し,70点以上の得点で合格(最終成績60点)とする.ただし,定期試験と課題の総合成績により,50点以上60点未満の評価を獲得した者のみ受験できる.
注意点:
流体工学1、2の単位を取得していることを想定して講義します.また,本科目は学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり180分以上の予習復習をしているものとして講義・演習を進めます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 流体摩擦

2週 管摩擦損失

3週 損失ヘッドと損失を考慮したベルヌーイの式

4週 水力こう配線とエネルギーこう配線

5週 境界層の定義

6週 境界層内の速度分布

7週 境界層のはく離

8週 中間試験
第1回から第7回までの範囲で試験を行う.
4thQ
9週 流体のエネルギー利用とターボ機械

10週 ターボ機械の構成要素と内部流れ

11週 ターボ機械の性能と運転

12週 ポンプ

13週 送風機と圧縮機

14週 水車,風車およびその他の流体機械

15週 期末試験
第9回から第14回までの範囲で試験を行う.
16週 まとめ
第15回までの授業について,まとめを行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。3
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。3

評価割合

試験合計
総合評価割合9090
基礎的能力00
専門的能力9090
分野横断的能力00