工業力学1

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業力学1
科目番号 0015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 工業力学、青木弘・木谷晋著、森北出版、2100円税込
担当教員 佐々木 翔平

到達目標

(1)力、モーメントを自由に合成・分解できる(1章)
(2)静止物体は、必ず力が釣り合っている事が説明できる(2章)
(3)重心(物体の中心)を計算する方法が説明できる(3章)
(4)点の運動を計算することができる(4章)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力、モーメントを自由に合成・分解が正しくできる力、モーメントを自由に合成・分解できる力、モーメントを自由に合成・分解できない.
評価項目2静止物体は、必ず力が釣り合っている事が正しく説明できる静止物体は、必ず力が釣り合っている事が説明できる静止物体は、必ず力が釣り合っている事が説明できない.
評価項目3重心(物体の中心)を計算する方法が正しく説明できる重心(物体の中心)を計算する方法が説明できる重心(物体の中心)を計算する方法が説明できない.
評価項目4点の運動を計算することが正しくできる点の運動を計算することができる点の運動を計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 M1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学科では、力学的な基盤となる科目は、「材料力学」、「熱力学」、「機械力学」、「流体力学」と言われており、これらは“4力学(よんりきがく)”と呼ばれ重要視される。工業力学1、2は、これらの4力学の基礎知識を修得する学問で、一般力学、応用力学とも呼ばれる事もある。高専1学年で学んだ物理Ⅰ、Ⅱの内容との重複も多い。工業力学1、2の講義内容は、大きく2つに分けられる。静力学と動力学である。静力学は、力が作用するけれども物体が運動しない問題を扱う。対して、動力学は、力が作用して物体が運動する問題を扱う。
工業力学1では、静力学を中心に、以下の順序で講義する。
静力学(力、モーメント、およびその合成・分解する方法)(1章)
 〃 (力を釣り合わせる方法)(2章)
 〃 (重心を求める方法)(3章)
 〃 (点の運動を表す方法)(4章)
授業の進め方・方法:
・定期試験80%、課題・ノート20%で評価する.50点以上を合格とする.
・課題の提出遅れは1週間につき10%を減点する.
・再評価試験:再評価試験の期間中に1回実施し,50点以上で合格とする.再評価試験の合格者の最終成績は50点.ただし,中間・期末試験ともに25点未満だった場合は,受講意思なしと判断し受験資格を与えない.
注意点:
授業だけで理解できるものではありません.予習、復習を欠かさずに行うこと.
まず教科書を読むこと.
授業中は、筆記用具を持ち、分からないことをノートに記述する.
演習問題を丁寧に解く.
課題はもちろんのこと,演習問題等を積極的に解き授業の復習をする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
第1章 力 1.1 力 1.2 一点に働く力の合成と分解
・力の表示と単位を理解できる
・1点にはたらく2力を合成・分解できる
2週 1.2 一点に働く力の合成と分解
1.3 力のモーメント
・1点に働く多くの力を合成することが出来る(数式と図式による解法で)
・力のモーメント,偶力を理解できる
3週 1.4 着力点の異なる力の合成 ・着力点の異なる複数の平行な力を合成することができる
4週 第2章 力のつりあい 2.1 1点にはたらく力のつりあい
2.2 接触点,支点にはたらく力
・力のつり合い式を立てることが出来る
・力の支点の3種類を説明できる
5週 2.3 着力点の異なる力のつりあい
・着力点の異なる複数の力を合成することが出来る(数式による解法)
6週 2.4 トラス
・節点法
7週 2.4 トラス ・切断法
8週 中間試験
範囲:第1回~第7回までの学習内容。
2ndQ
9週 第3章 重心
3.1 重心と図心、3.2 物体の重心
・重心の定義式を理解し,重心を求められる
・回転体の断面の重心と積体積・表面積の関係が理解できる
10週 3.3 物体のすわり

・安定なすわりの条件が説明できる
11週 第4章 点の運動
4.1 点の運動
・運動の速度と加速度の定義式が理解できる
12週 4.2 直線運動 ・直線運動の式が導ける
13週 4.3 平面運動 ・円運動の式が導ける
14週 4.4 相対運動 ・相対速度が説明できて計算できる
15週 期末試験
範囲:第9回~第14回までの学習内容。
16週 期末試験の解答、まとめ
試験の返却・解答、および第9回から第14回までのまとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200100
基礎的能力0000
専門的能力80200100
分野横断的能力0000