材料学2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料学2
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】工業材料 文部科学省,実教出版
【参考書】材料技術基礎,里達雄,実教出版
     機械・金属材料学,黒田大介,実教出版
担当教員 新野邊 幸市

到達目標

1)前年度の材料学1に継続して,共晶型および包晶型合金の凝固過程を学習して,2元系状態図の図読ができる.
2)金属原子の変形挙動と塑性変形を理解して,塑性加工における加工硬化と加熱による回復・再結晶を理解する.
3)硬さ試験,衝撃試験,疲労試験,クリープ試験等の各種材料試験の特徴を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1共晶反応ならびに包晶反応が起こる合金系の凝固過程と状態図を正しく理解できる.共晶反応ならびに包晶反応が起こる合金系の凝固過程と状態図を理解できる.共晶反応ならびに包晶反応が起こる合金系の凝固過程と状態図を理解できない.
評価項目2金属の塑性変形を理解し,加工硬化および回復・再結晶を正しく理解できる.金属の塑性変形を理解し,加工硬化および回復・再結晶を理解できる.金属の塑性変形を理解し,加工硬化および回復・再結晶を理解できない.
評価項目3硬さ試験,衝撃試験,疲労試験,クリープ試験等の各種材料試験を正しく理解できる.硬さ試験,衝撃試験,疲労試験,クリープ試験等の各種材料試験を理解できる.硬さ試験,衝撃試験,疲労試験,クリープ試験等の各種材料試験を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 M1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 すべての構造物は「材料」で構成されていて,強さが強く,美麗さがあり,かつ再生が可能であるなどの理由から「金属」が多く用いられる.金属のうちで「鉄」は古代から最も身近に使われてきていて,加熱・冷却などの熱処理することにより,またわずかに他の元素を合金することにより多種多用な性質が得られる.そこで材料学では,機械工学を学ぶ上で基礎知識となる金属材料の材料強度・組織学を主として学習する.第2回となる本講義では,材料学1に続いて共晶系および包晶系状態図を学習する.続いて,金属原子の変形挙動を理解して,金属材料の塑性変形と加工硬化,さらには加熱時に起こる回復・再結晶を学習する.最後に,硬さ試験,衝撃試験,疲労試験,クリープ試験等の各種材料試験法と評価方法を学習する.
授業の進め方・方法:
 中間試験は到達目標 1) および 2) の項目,期末試験は到達目標 2) および 3)の項目について,学習内容の理解度を評価するため実施する.レポート課題および小テストは5-7回程度実施する.最終成績は中間試験,期末試験ならびにレポート等を評価対象として,次の式により計算する.50点以上を合格とする.
中間試験 : 期末試験 : レポート課題 等 = 40% : 40% : 20%
注意点:
再評価試験は総合成績が50点未満の学生に対して実施する.70点以上を合格とする. 

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 Trial 1 合金の凝固と状態図
共晶系状態図の凝固過程を理解するとともに,重量比および模式図を理解する.
共晶系の合金状態図を読み解き,重量比や模式図を説明できる.
2週 Trial 2 合金の凝固と状態図
前週に続いて,共晶系状態図の凝固過程を理解するとともに,重量比および模式図を理解する.
共晶系の合金状態図を読み解き,重量比や模式図を説明できる.
3週 Trial 3 合金の凝固と状態図
包晶系状態図の凝固過程を理解するとともに,重量比および模式図を理解する.
包晶系の合金状態図を読み解き,重量比や模式図を説明できる.
4週 Trial 4 合金の凝固と状態図
前週に続いて,包晶系状態図の凝固過程を理解するとともに,重量比および模式図を理解する.
包晶系の合金状態図を読み解き,重量比や模式図を説明できる.
5週 Trial 5 塑性変形、加工硬化と回復・再結晶
引張試験における応力-歪み線図を理解する.
塑性変形を理解するうえで必要となる応力-歪みの関係を説明できる.
6週 Trial 6 塑性変形、加工硬化と回復・再結晶
前週に続いて,応力-歪み線図を理解し,弾性,塑性変形を理解する.
塑性変形と加工硬化,回復・再結晶の関係を説明できる.
7週 Trial 7 塑性変形、加工硬化と回復・再結晶
前週に続いて,塑性変形における結晶中のすべり変形・双晶変形を理解する.
塑性変形と加工硬化,回復・再結晶の関係を説明できる.
8週 中間試験
第1週~第7週までの学習到達度を中間試験により評価する.
2ndQ
9週 Trial 8 塑性変形、加工硬化と回復・再結晶
塑性加工した金属材料の回復・再結晶をを理解する.
塑性変形と加工硬化,回復・再結晶の関係を説明できる.
10週 Trial 9 金属材料の材料試験法
硬さ試験(ビッカース硬さ試験,ブリネル硬さ試験,ロックウェル硬さ試験)を理解する.
金属材料に関する各種の材料試験方法(硬さ試験)を説明できる.
11週 Trial 10 金属材料の材料試験法
前週に続いて,各種の硬さ試験を理解する.
金属材料に関する各種の材料試験方法(硬さ試験)を説明できる.
12週 Trial 11 金属材料の材料試験法
衝撃試験の原理,ならびに延性-脆性遷移温度を理解する.
金属材料に関する各種の材料試験方法(衝撃試験)を説明できる.
13週 Trial 12 金属材料の材料試験法
疲労試験の原理,ならびにS-N線図を理解する.
金属材料に関する各種の材料試験方法(疲労試験)を説明できる.
14週 Trial 13 金属材料の材料試験法
高温の材料試験法であるクリープ試験を理解する.
金属材料に関する各種の材料試験方法(クリープ試験)を説明できる.
15週 期末試験
第9週~第14週までの学習到達度を期末試験により評価する.
16週 総評

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3前6
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3前2
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3前3
合金の状態図の見方を説明できる。3前6
塑性変形の起り方を説明できる。3前1
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験レポート・小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000