流体工学1

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 流体工学1
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:学生のための流体力学入門(パワー社) / 演習書:①演習水力学(森北出版),Exercises for Fluid Engineering(パワー社)
担当教員 高尾 学

到達目標

(1)流体工学で用いる専門用語および流体の物理的性質を理解し,説明できる.
(2)流体粒子間に相対的な運動がない場合の力学的な諸問題を理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体工学で用いる専門用語および流体の物理的性質を理解し,正しく説明できる.流体工学で用いる専門用語および流体の物理的性質を理解し,説明できる.流体工学で用いる専門用語および流体の物理的性質を理解し,説明できない.
評価項目2流体粒子間に相対的な運動がない場合の力学的な諸問題を理解し,正しく説明できる.流体粒子間に相対的な運動がない場合の力学的な諸問題を理解し,説明できる.流体粒子間に相対的な運動がない場合の力学的な諸問題を理解し,説明できない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 M1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では,「流体工学」の導入科目である「水力学」の学習範囲のうち,流体の物理的性質および静止している流体の作用について講義する.
水力学は,静止または運動している流体について,速度,力,エネルギーなど所要の物理量の関係を力学的な面から考究する学問で,さらに経験的知識や実験的結果を導入することによって流体に関する実際的諸問題を合理的に取扱うよう体系づけられている.
本科目では,水力学の学習範囲の中でも次の2つについて解説する.
(1)水力学の理論の展開を行うために必要な流体の物理的性質
(2)流体粒子間に相対的な運動がない場合の問題を扱う流体静力学
本科目の履修によって流体の物理的性質を習得できるとともに,流体の静力学を理解することで,静止流体により壁面に及ぼす力など,流体工学に関する初歩的な諸問題を解くことができる.
本科目で使用する教科書は,大学工学部で機械工学を学ぶ学生が水力学について学習する内容とほぼ同様のレベルに設定されている.
授業の進め方・方法:
定期試験:2回の試験により,到達目標(1),(2)を評価する.
成績評価:課題により,到達目標(1),(2)を評価する.
合否判定:総合成績60点以上の受講生を合格とする.
注意点:
本科目は学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり180分以上の予習復習をしているものとして講義・演習を進める.
再評価試験は,総合成績36点以上60点未満の受講生に対して,期末試験後に1回のみ実施し,その得点が70点以上の場合,最終成績60点とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の物理的性質(流体の定義,基本物理量,単位)
流体の基礎となる特徴や現象,流体の定義,比体積などの基本物理量と単位について学ぶ.
2週 流体の物理的性質(流体の物性-粘性,圧縮性)
流体の粘性(粘性係数,動粘性係数),せん断応力,圧縮率について学ぶ.
3週 流体の物理的性質(流体の物性-表面張力・毛管現象)
表面張力,毛管現象,接触角について学ぶ.
4週 流体の物理的性質(流体の分類)
液体と気体,完全流体と実在流体,ニュートン流体と非ニュートン流体について学ぶ.
5週 流体の物理的性質(流れの分類)
定常流れと非定常流れ,層流と乱流,高速流れと低速流れについて学ぶ.
6週 流体の静力学(圧力・密度)
圧力について,単位,工学気圧,標準気圧,換算方法など圧力と密度に関する基礎知識について学ぶ.
7週 中間試験
第1回から第7回までの範囲で試験を行う.
8週 中間試験問題の解説
中間試験の問題について解説するとともに,第6回までの授業内容に関する質問を受ける.
2ndQ
9週 流体の静力学(静止液体の圧力)
パスカルの原理と水中の深さと圧力の関係について学ぶ.
10週 流体の静力学(マノメータ)
U字管マノメータ,逆U字管マノメータなどマノメータの原理やその応用例について学ぶ.
11週 流体の静力学(静水圧1)
静止液体中の平面に働く力の原理やその応用例について学ぶ.
12週 流体の静力学(静水圧2)
静止液体中の曲面に働く力の原理やその応用例について学ぶ.
13週 流体の静力学(静水圧3)
水平及び垂直に運度する容器の液体に働く力や自由表面に関する原理やその応用例について学ぶ.
14週 流体の静力学(回転・浮力)
容器が回転する場合(円筒座標系)の液体に働く力と自由表面,浮力(アルキメデスの原理)やその応用例について学ぶ.
15週 期末試験
第9回から第14回までの範囲で試験を行う.
16週 期末試験問題の解説
期末試験の問題について解説するとともに,第15回までの授業内容に関する質問を受ける.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
パスカルの原理を説明できる。3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000