流体工学2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 流体工学2
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:学生のための流体力学入門,高尾ほか5名,パワー社 / 演習書:①演習水力学,国清ほか2名,森北出版 ②Exercises for Fluid Engineering,アラムほか15名,パワー社
担当教員 高尾 学

到達目標

1)「ながれ」を説明する用語(流線・定常流・流管など)を説明できる。
2)「連続の式」が理解(意味・導出・使用)できる。
3)「実質加速度」が理解(意味・導出・使用)できる。
4)「オイラーの運動方程式」が理解(意味・導出・使用)できる。
5)「ベルヌーイの定理」が理解(意味・導出・使用)できる。
6)「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が理解できる。
7)「運動量理論」が理解(意味・導出・使用)できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「ながれ」を説明する用語(流線・定常流・流管など)を説明できる。「ながれ」を説明する用語(流線・定常流・流管など)を正しく説明できる。「ながれ」を説明する用語(流線・定常流・流管など)を説明できる。「ながれ」を説明する用語(流線・定常流・流管など)を説明できない.
評価項目2「連続の式」が正しく理解(意味・導出・使用)できる「連続の式」が理解(意味・導出・使用)できる「連続の式」が理解(意味・導出・使用)できない.
評価項目3「実質加速度」が正しく理解(意味・導出・使用)できる。「実質加速度」が理解(意味・導出・使用)できる。「実質加速度」が理解(意味・導出・使用)できない.
評価項目4「オイラーの運動方程式」が正しく理解(意味・導出・使用)できる。「オイラーの運動方程式」が理解(意味・導出・使用)できる。「オイラーの運動方程式」が理解(意味・導出・使用)できない.
評価項目5「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が正しく理解(意味・導出・使用)できる。「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が理解(意味・導出・使用)できる。「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が理解(意味・導出・使用)できない.
評価項目6「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が正しく理解(意味・導出・使用)できる。「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が理解(意味・導出・使用)できる。「計測理論(ベンチュリ管・ピトー管・オリフィス)」が理解(意味・導出・使用)できない.
評価項目7「運動量理論」が正しく理解(意味・導出・使用)できる。「運動量理論」が理解(意味・導出・使用)できる。「運動量理論」が理解(意味・導出・使用)できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 M1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流体工学1(4年前期)では,「静止している流体」に関する力学を学んだ。
流体工学2では,「運動する流体」に関する力学を学ぶ。キーワードは「流速」である。さらに,流速変化(加速度)は運動方程式により「力」を生じる。具体的には,下記の内容を学ぶ。
流れの状態(3章1節) ・・・ 流れの特徴・種類を学ぶ。
2)質量保存の法則(3.2) ・・・ 流れに1)質量保存則を適用する。
3)流体粒子の加速度(3.3) ・・・ 静止者が見た流れる粒子の加速度を定義。
4)運動方程式(3.4) ・・・ 流れに2)運動方程式をミクロに適用する。
5)エネルギー保存の法則(3.5) ・・・ 2)から3)力学的エネルギー保存則を導く。
6)運動量の法則(3.6) ・・・ 流れに運動方程式をマクロに適用する。
 さらに,流体工学に関する技術者による特別講義を実施し,現場における流体工学の応用例を学ぶ。
授業の進め方・方法:
成績評価は,定期試験および課題により行い,配点は以下の通りである。
定期試験:2回の試験により80点分を評価
課題:20点
総合評価で60点以上を得た者を合格とする。
注意点:
本科目では,流体工学1の単位を取得していることを想定して講義する。したがって,流体工学が苦手な学生は、余分に予習復習が必要になる可能性がある。 また,本科目は学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり180分以上の予習・復習をしているものとして講義・演習を進める。
再評価試験については,総合評価で36点以上60点未満の者を対象に1回のみ実施し,その試験で70点以上を得た者を合格(最終成績60点)とみなす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 第3章 流体運動の基礎方程式、3.1 流れの状態、3.1.1 層流と乱流、3.1.2 定常流と非定常流
目標:用語(流体、圧力、重力、慣性力、粘性力、流れの運動状態、理想流体、層流、乱流、遷移、レイノルズ数、下臨界レイノルズ数、定常流、一様流)を理解する。
2週 3.1.3 一様流と非一様流、3.1.4 一次元・二次元・三次元・軸対称流れ、3.1.5 流線・流跡線・流脈線
目標:用語(流速、流量、一次元流れ、軸対称流れ、トレーサー(微粒子)、流線、流管、流跡線、流脈線)を理解する。
3週 3.2 質量保存の法則、3.2.1 一次元流れの連続の式、3.2.2 オイラーの連続の方程式
目標:流量(体積流量、質量流量)、「連続の式」を理解する。例題3-1(連続の式)を解く。
4週 3.3 流体粒子の加速度、3.3.1 一次元流れの加速度、3.3.2 三次元流れの加速度
目標:流速(ラグランジュ表示、オイラー表示)と加速度を理解する。
5週 3.4 運動方程式、3.4.1 一次元流れのオイラーの運動方程式、3.4.2 三次元流れのオイラーの運動方程式
目標:完全流体(非圧縮・非粘性)に運動方程式を適用し「オイラーの運動方程式」を導出する。
6週 3.5 エネルギー保存の法則、3.5.1 ベルヌーイの定理
目標:オイラーの運動方程式を流線に沿って適用し「ベルヌーイの定理」を導出する。例題3-2(ベルヌーイの式)、演習3.3(ベルヌーイの式)を解く。
7週 3.5.2 ベルヌーイの定理の応用、(1) ベンチュリ管、(2) ピトー管
目標:ベンチュリ管に関する問題を理解する。例題3-3(ベンチュリ管)、例題3-4(ピトー管)、演習3.1(ベンチュリ管)、演習3.2(ピトー管)を解く。
8週 (3) トリチェリの定理
目標:トリチェリの定理やオリフィスに関する問題を理解する。例題3-5(トリチェリの定理)、演習3.5(オリフィス)を解く。
4thQ
9週 中間試験
第1回~8回までの評価試験を行う。
10週 3.6 運動量保存の法則、3.6.1 運動量の法則、3.6.2 運動量の法則の応用、(a) 曲がり管に働く力、
目標:曲り管に作用する力について理解する。例題3-6(曲り管)、演習3.6(曲り管)を解く。
11週 (b) 平板に衝突する噴流、(c) 曲面板に衝突する噴流、
目標:板に衝突する噴流に関する問題を理解する。例題3-7(平板)、演習3.7(曲面板)を解く。
12週 (d) 噴流による推進
目標:噴流による推進に関する問題を理解する。例題3-8(噴流)を解く。
13週 3.6.3 角運動量の法則、3.6.4角運動量の法則の応用、(a) 散水器
目標:角運動量の法則と散水器に関する問題を理解する。例題3-9(散水器)、演習3.8(散水)を解く。
14週 3.6.4 角運動量の法則の応用、 (b) 反動水車、(c) 遠心ポンプ
目標:反動水車や遠心ポンプに関する問題を理解する。
15週 期末試験
第9回~14回までの評価試験を行う。
16週 試験問題の解答、まとめ
試験問題の解答と講義全体のまとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000