到達目標
(1) 様々な数値表現方法を理解できる.
(2) 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解できる.
(3) 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解できる.
(4) 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 様々な数値表現方法を理解できる. | 様々な数値表現方法を理解できる. | 様々な数値表現方法を理解できない. |
評価項目2 | 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解できる. | 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解できる. | 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解できない. |
評価項目3 | 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解できる. | 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解できる. | 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解できない. |
評価項目4 | 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解できる. | 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解できる. | 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
ありとあらゆるところでコンピュータが使用される現代で活躍するエンジニアはコンピュータ自体の動作原理を知っていることが求められる.
本授業ではコンピュータの中身を理解する糸口をつかむために特に重要な項目を講義する.
本授業の目標は集約すると3つのトピック,(1) 数値表現手法,(2)「0」「1」の2値情報により論理的な動作を実現する手法,(3) 2値情報を保持する手法,を習得することである.この知識は電気・電子回路などのハード面だけではなく,プログラミングなどのソフト面を扱う分野とも関連がある.コンピュータを扱う電気電子・情報関係の学生にとって重要度が高く,習得が必須となる内容である.
授業の進め方・方法:
・到達目標 (1)~(4)について,中間試験および期末試験で評価する.
・評価の割合は,中間試験(40 %),期末試験(45 %),課題(15%)とし,50点以上(100点満点)を合格とする.不合格となった場合,中間・期末試験をそれぞれ30点以上取得し,総合点が45点以上の者は再評価試験を受験できるものとする.追認試験は実施しない.
注意点:
本授業で使用する教科書は自習がしやすくなるよう,特に重要な内容に限定して記述され,例題や図が豊富に含まれているものを選定した.授業前に予習として内容の確認と重要事項の把握をしておき,授業で知識を獲得し,復習で獲得した知識を定着させるよう複数回復習すると,記憶の定着が良い.学習を楽にするために実践することが望ましい.
論理回路では他にも重要な単元が多くある.ゆえに本授業の知識に多く触れる職業に携わりたいという学生には,本講義および教科書の内容だけでは不足がある.より学習を進めたい学生のために,以下のものを専門書として推薦しておく.また,「論理回路をICチップではなく,回路素子を用いて実現する手法」はディジタル回路関係の書物に記載がある.授業内では論理ゲートの電子回路表現に触れる予定であるが,深く知りたい学生はディジタル回路の専門書も確認するとよい.
(1) 浜辺 隆二,“論理回路入門(第3版)”,森北出版
(2) 田丸 啓吉,“論理回路の基礎”,工学図書
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
本授業の概論/符号なし2進数の表現方法と基数変換(pp.1-6) |
本授業で扱う内容の概論を把握する.符号なし2進数の表現方法,基数変換の方法について理解する.
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2週 |
16進数の表現方法と基数変換(pp.8-10) |
16進数の表現方法,16進数の絡む基数変換の方法について理解する.
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3週 |
負の数の表し方とメモリ内での表現(pp.12-14, 16-17) |
2進数における0負の数の表現方法と8ビットメモリ内での2進数の格納状態について理解する.
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4週 |
基本論理演算(1)(pp.42-48) |
AND,OR,NOTの真理値表,MIL記号,論理関数について理解する.
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5週 |
ブール代数と標準形(pp. 49-52) |
ブール代数の公理・定理,それらを用いた論理式の簡単化,標準形について理解する.
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6週 |
カルノー図による論理式の簡単化(pp. 52-59) |
カルノー図による論理式の簡単化を理解する.
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7週 |
中間演習 |
第1回から第6回までの内容に関する理解を深める.
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8週 |
基本論理演算(2)/ 回路形式の変換(pp. 59-69) |
NAND,OR,XORゲート,ド・モルガンの定理,および回路形式の変換方法について理解する.
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2ndQ |
9週 |
中間試験
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10週 |
組み合わせ論理回路(pp. 73-78) |
真理値表から論理式を誘導し,簡単化する手法を,加算器について理解する.
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11週 |
記憶回路の概要 / ラッチ(pp. 88-94) |
記憶回路の概要について学習する.また,ラッチの動作を学習について理解する.
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12週 |
フリップフロップ(pp. 95-102) |
フリップフロップの動作について理解する.
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13週 |
2のn乗進カウンタ(pp. 108-114) |
2のn乗進カウンタの構成手法を学習する.
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14週 |
期末演習 |
第8回,第10回から第13回までの内容に関する知識を深める.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
総論 |
本授業で学習したことに関する知識を深める.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 2 | |
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 2 | |
インターネットの仕組みを理解し、実践的に使用できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 情報 | プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。 | 2 | |
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 2 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 2 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 2 | |
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。 | 2 | |
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。 | 2 | |
論理式から真理値表を作ることができる。 | 2 | |
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。 | 2 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 45 | 15 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 45 | 15 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |