到達目標
(1)交流回路の基礎電気量の説明・計算ができる.
(2)交流回路の直並列回路の解析ができる.
(3)交流回路網の解析ができる.
(4)演習課題の設問について適切な解答を行うことができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 交流回路の基礎電気量の説明・計算が正しくできる. | 交流回路の基礎電気量の説明・計算ができる. | 交流回路の基礎電気量の説明・計算ができない. |
評価項目2 | 交流回路の直並列回路の解析が正しくできる. | 交流回路の直並列回路の解析ができる. | 交流回路の直並列回路の解析ができない. |
評価項目3 | 交流回路網の解析が正しくできる. | 交流回路網の解析ができる. | 交流回路網の解析ができない. |
評価項目4 | 演習課題の設問について適切な解答を十分行うことができる. | 演習課題の設問について適切な解答を行うことができる. | 演習課題の設問について適切な解答を行うことができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電気回路は電気工学の基礎科目の一つであり,電力工学,電子工学,通信工学,情報工学,制御工学,電気電子材料等の分野を学習していく上で必要不可欠である.特に,回路設計は電気系技術者に求められる能力の1つである.これを行うために重要な回路解析に関する知識のうち,抵抗・コイル・コンデンサという受動素子で組まれた回路の解析に必要な諸理論を学ぶのが「電気回路」という科目である.
本科目では,「交流回路」に関し,専門科目の基礎となる電気回路の概念や解析法について解説する.
授業の進め方・方法:
・到達目標(1)~(3)については試験で評価する.到達目標(4)は演習課題の出来で評価する.
・成績は,中間試験40%,期末試験40%,演習課題20%で評価し,50点以上(100点満点)を合格とする.
・欠席した授業の演習課題もすべて提出すること.
・不合格者のうち,(1)総合点が30点以上,(2)課題の提出遅れが3回を超えていない,かつ(3)課題を全て提出した者,には再評価試験(上限50点)を実施する.追認試験は再評価試験を受けたものを対象とする.
注意点:
電気回路は頻繁に以前の学習内容を用います.そのため,わからないことを放置するとすぐに,わからない苦痛な授業になります.わからないことがあれば,その週のうちに理解するよう努力(友達や先生に聞くことも含む)してください.本学科で,電気回路がわからないと,以降の全学年で苦労することになります.
本授業では教科書以外の内容も扱います.しっかりと話しを聞き,重要と思ったところはメモをとるよう心がけましょう.また,計算科目ですので,毎回電卓を持参してください.
以下の参考書は説明がわかりやすく,長期にわたって利用できる良書です.購入を勧めます.
(1) 高崎 和之,“カラー徹底図解 基本からわかる電気回路”, ナツメ社
また,以下の書籍はより専門的かつ例題が多いため,自主学習で使用すると良いです.ただし,解答の省略が多く,行列形式で書かれているので,わからない場合は質問に来るようにしてください.
(2) 高田 和之ら,”電気回路の基礎と演習(第2版)”, 森北出版
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
交流波(pp.60-62,課題1) |
交流波の数学的定義と性質について理解する.
|
2週 |
平均値と実効値 / 位相の進みと遅れ(pp. 62-65,課題2) |
位相,平均値と実効値について理解する.
|
3週 |
受動素子の性質(課題3) |
受動素子が持つ性質について理解する.
|
4週 |
フェーザ表示とフェーザ図 (pp. 68-69,課題4) |
正弦波の情報を凝縮する方法について理解する.
|
5週 |
複素数表示と指数関数表示(pp. 53-58,70-73,課題5) |
複素数表示と指数関数表示における数式計算方法について理解する.
|
6週 |
インピーダンスとアドミタンス / フェーザで記述された各素子の性質(pp. 75-81,課題6) |
インピーダンスおよびアドミタンスについて理解する.また,複素数を用いた交流回路解析の簡単化に関する方法について理解する.
|
7週 |
学びあいの時間 |
学びあいを通して,これまで学習した知識の理解を深める.
|
8週 |
中間試験
|
|
4thQ |
9週 |
R-C・L-C直列回路における合成インピーダンスの算出(pp.83-86,課題7) |
各種回路の合成インピーダンス算出方法について理解する.
|
10週 |
R-C・L-C並列回路における合成アドミタンスの算出(pp. 86-88,課題8) |
各種回路の合成アドミタンス算出方法について理解する.
|
11週 |
様々な回路の合成インピーダンス・アドミタンスの算出(演習,課題9) |
様々な回路の合成インピーダンス・アドミタンスを算出できるようにする.
|
12週 |
R-L-C直列・並列共振回路(pp. 174-179,183-184,課題10) |
R-L-C直列・並列共振回路の解析方法と共振周波数,Q値について理解する.
|
13週 |
総合演習 |
交流回路に関する知識を深める.
|
14週 |
学びあいの時間 |
学びあいを通して,これまで学習した知識の理解を深める.
|
15週 |
期末試験
|
|
16週 |
測定機器の情報セキュリティ |
測定機器の情報セキュリティに関する理解を深める.
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 2 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 2 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 2 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 1 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 2 | |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 2 | |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 2 | |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 2 | |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 2 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 2 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 演習課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 40 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |