電子工学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 中澤・藤原、電子工学基礎、コロナ社参考書:1)寺本著、半導体デバイス概論、培風館    2)東京電機大学編、半導体工学、東京電機大学出版局    3)筒井著、よくわかる電子デバイス、オーム社、など
担当教員 福間 眞澄

到達目標

1.真空中,固体中の電子の振る舞いについて,基礎的内容が説明できる。
2.pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の特性を説明できる。
3.バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
4. 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1真空中と固体中の電子の振る舞いについて,基礎的内容が図と文章を用いて正確に説明できる。真空中と固体中の電子の振る舞いについて,基礎的内容が図と文章を用いて説明できる。真空中と固体中の電子の振る舞いについて,基礎的内容が図と文章を用いて説明できない。
評価項目2pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の特性を正確に説明できる。pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の特性を説明できる。pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の特性を説明できない。
評価項目3バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を正確に説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できない。
評価項目4電界効果トランジスタの構造と動作を正確に説明できる。電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。電界効果トランジスタの構造と動作説明できない。

学科の到達目標項目との関係

電気情報工学科教育目標 E1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代エレクトロニクスは、固体電子工学理論を応用した各種の電子デバイス、特に半導体デバイスを中心に成り立っている。これら半導体デバイスを設計するためには回路機能に関する知識だけでなく、電子デバイスの働きや電子材料の性質等を理解することが大切である。本講義では、電子の性質を理解するため、真空中での電子の振る舞い、原子内での電子の挙動、固体内での電子の性質等についての知識を身につけることができる。
授業の進め方・方法:
(1)成績は,2から4回の小テスト(各10から5点満点・合計20点満点)と中間試験及び期末試験の平均点(80点満点)の合計で評価する。(2)50点以上を合格とする(100点満点)。(3)課題レポートは,授業内容に関係する節末問題または授業のまとめを課題とする。この課題レポートについては,成績の評価に入れないが,レポート提出状況を小テストの受験資格とする。(4)再試験は,小テストをやむを得ない事情により欠席した者について実施することがある。基本的には実施しない。
注意点:
(1)ゲーム機や携帯電話の使用、私語、居眠り、周囲の者への迷惑等、授業を妨害する行為が見られた時には退出させることがある。
(2)教科書に記載されている基礎的専門用語が説明でき,その専門用語を用いて,到達目標の項目が説明できることを試験で評価します。課題レポートは,主に復習の実施の証明と判断しています。課題レポートは,文章,数式,モデル図などを用いて説明するようにして試験の準備としてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 真空中における電子の挙動-1 総論及び講義概要、低圧気体放電、電界内での運動
2週 真空中における電子の挙動-2 磁界内での運動、ミリカンの実験
3週 真空中における電子の挙動-3 物質内からの電子の放出、コンプトン散乱(X線の粒子性)、X線回折(X線の波動性)
4週 真空中における電子の挙動-4 電界による電子の加速、電子の波動性、電子線回折、磁界内での荷電粒子の運動
5週 原子内における電子の挙動-1 水素原子のスペクトル、分光の方法
6週 原子内における電子の挙動-2 ボーアの理論、エネルギー準位とスペクトル系列
7週 原子内における電子の挙動-3 電子の量子状態、ゾンマーフェルトの量子条件、調和振動子、電子の楕円軌道
8週 中間試験 第1回~第7回までの範囲で試験を行う
2ndQ
9週 固体内での電子の挙動-1 シュレディンガー方程式、波動Ψの意味
10週 半導体の種類とエネルギーバンド図
11週 pn接合、バンド図、空乏層、内臓電位
12週 pn接合ダイオード、ダイオードの整流特性、pn接合ダイオードの等価回路
13週 バイポーラトランジスタの構造と動作原理、接地方式と増幅、スイッチング特性
14週 MOS形電界効果トランジスタ、構造と動作原理
15週 期末試験 第9回から第14回までの範囲で試験
16週 期末試験の解答及びまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2
原子の構造を説明できる。2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。2
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2

評価割合

中間試験期末試験小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000