半導体工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 半導体工学Ⅰ
科目番号 0015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 : 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 渡辺英夫、半導体工学、コロナ社「半導体LSIのできるまで」編集委員会、半導体LSIのできるまで、日刊工業新聞社参考書:1)寺本著、半導体デバイス概論、培風館    2)東京電機大学編、半導体工学、東京電機大学出版局    3)筒井著、よくわかる電子デバイス、オーム社、など
担当教員 福間 眞澄

到達目標

1.固体中での電子の振る舞いの基礎的内容が説明できる。
2.半導体の種類とその特性がエネルギーバンド図を用いて説明できる。
3.基礎的な半導体デバイスの特性をエネルギーバンド図等により説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
固体中での電子の振る舞いの基礎的内容が説明できる。固体中での電子の振る舞いの基礎的内容が説明できる。固体中での電子の振る舞いの基礎的内容が説明できない。
半導体の種類とその特性がエネルギーバンド図を用いて説明できる。半導体の種類とその特性がエネルギーバンド図を用いて説明できる。半導体の種類とその特性がエネルギーバンド図を用いて説明できない。
基礎的な半導体デバイスの特性をエネルギーバンド図等により説明できる。基礎的な半導体デバイスの特性をエネルギーバンド図等により説明できる。基礎的な半導体デバイスの特性をエネルギーバンド図等により説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ICやLSIといわれる半導体素子は、携帯電話や家電製品、自動車等あらゆる製品を構成する電子機器に必要不可欠なものとなっている。このような半導体素子を理解する上で必要となる、真空中や固体中での電子の振る舞い、半導体の動作、各種半導体、製造技術等について学習し、半導体素子の基本的性質やプロセス技術を身につける。本科目は、電子情報通信学会の解説記事を読み理解するレベルとなるように目標を設定する。
授業の進め方・方法:
(1)成績は,2から4回の小テスト(各10から5点満点・合計20点満点)と中間試験及び期末試験の平均点(80点満点)の合計で評価する。(2)60点以上を合格とする(100点満点)。(3)課題レポートは,授業内容に関係する節末問題または授業のまとめを課題とする。この課題レポートについては,成績の評価に入れないが,レポート提出状況を小テストの受験資格とする。(4)再試験は,小テストをやむを得ない事情により欠席した者について実施することがある。基本的には実施しない。
注意点:
学修単位科目であり、1回の講義あたり4時間以上の予習復習をしているものとして講義を進める。
(1) ゲーム機や携帯電話の使用,私語,居眠り,周囲の者への迷惑等,授業を妨害する行為が見られた時には退出させることがある。
(2)教科書に記載されている基礎的専門用語が説明でき,その専門用語を用いて,到達目標の項目が説明できることを試験で評価します。課題レポートは,主に復習の実施の証明と判断しています。課題レポートは,文章,数式,モデル図などを用いて説明するようにして試験の準備としてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 真空中の電子 授業概要、粒子としての電子、電子の波動性、モデル
2週 固体中の電子 原子のエネルギー準位、固体中の価電子の振る舞い
3週 電気伝導と伝導体の種類 電気伝導のメカニズム、絶縁体、半導体、移動度
4週 半導体中のキャリア濃度-1 フェルミ準位、不純物を含まない半導体
5週 半導体中のキャリア濃度-2 不純物を含む半導体、ホール効果
6週 pn接合の電気的特性 pn接合の物理、pn接合を流れる電流
7週 バイポーラトランジスタ バイポーラトランジスタの基本的構造、トランジスタ作用、電気的特性
8週 中間試験 第1回~第7回までの範囲で試験を行う
4thQ
9週 電界効果トランジスタ 電界効果トランジスタの基本的構造、動作メカニズム、電気的特性
10週 集積回路、その他 集積回路の意義、実現方法、具体例、サイリスタ、CCD、超伝導
11週 オプトエレクトロニック素子-1 半導体の光学的性質、化合物半導体
12週 オプトエレクトロニック素子-2 光-電気変換素子(受光素子)、電気-光変換素子(発光素子)
13週 プロセス技術の概要-1 プレーナプロセス、前工程、後工程の概要(副読本参照)
14週 プロセス技術の概要-2 シリコン単結晶の製造、加工、マスクパターンの形成、パッケージング(副読本)、ビデオ教材
15週 期末試験 第9回~第14回までの範囲で試験を行う
16週 期末試験解答及びプロセス技術の展望など 真空中の電子

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

小テスト試験合計
総合評価割合2080100
基礎的能力000
専門的能力2080100
分野横断的能力000