到達目標
(1) 様々な数値表現方法を理解できる.
(2) 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解できる.
(3) 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解できる.
(4) 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解できる.
(5) 順序回路の設計方法について理解できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 様々な数値表現方法を正しく理解している. | 様々な数値表現方法を理解している. | 様々な数値表現方法を理解していない. |
評価項目2 | 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を正しく理解している. | 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解している. | 2値論理の基礎的事項であるブール代数およびカルノー図を理解していない. |
評価項目3 | 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を十分に理解している. | 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解している. | 組み合わせ論理回路を解析,設計するために必要となる手法・技法を理解していない. |
評価項目4 | 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について十分に理解している. | 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解している. | 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解していない. |
評価項目5 | 順序回路の設計方法について十分に理解している. | 順序回路の設計方法について理解している. | 順序回路の設計方法について理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 E2
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電気情報工学科教育目標 E2
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教育方法等
概要:
ありとあらゆるところでコンピュータが使用される現代で活躍するエンジニアはコンピュータ自体の動作原理を知っていることが求められる.
本科目ではコンピュータの中身を理解する糸口をつかむために特に重要な項目を講義する.本授業の目標は集約すると3つのトピック,(1) 数値表現手法,(2)「0」「1」の2値情報により論理的な動作を実現する手法,(3) 2値情報を保持する手法,を習得することである.この知識は電気・電子回路などのハード面だけではなく,プログラミングなどのソフト面を扱う分野とも関連がある.コンピュータを扱う電気電子・情報関係の学生にとって重要度が高く,習得が必須となる内容である.
授業の進め方・方法:
・到達目標 (1)~(5)について,試験と予習課題で評価する.
・評価の割合は,中間試験40%,期末試験45%,予習課題15%とし,50点以上(100点満点)を合格とする.
・不合格の場合,(1)総合点が45点以上,(2) 中間試験,期末試験いずれも30点以上,かつ(3)予習課題に不合格(満点未取得)が2回以内の者に対して再評価試験を実施する.追認試験は行わない.
注意点:
・本授業は「予習必須」科目である.予習が評価の一部となりますので,必ず行うこと.
・本授業で使用する教科書は自習がしやすくなるよう,特に重要な内容に限定して記述され,例題や図が豊富に含まれているものを選定した.授業前に予習として内容の確認と重要事項の把握をしておき,授業で知識を獲得し,復習で獲得した知識を定着させるよう複数回復習すると,記憶の定着が良い.学習を楽にするために実践することが望ましい.
・論理回路では他にも重要な単元が多くある.ゆえに本授業の知識に多く触れる職業に携わりたいという学生には,本講義および教科書の内容だけでは不足がある.より学習を進めたい学生のために,以下のものを専門書として推薦しておく.また,「論理回路をICチップではなく,回路素子を用いて実現する手法」はディジタル回路関係の書物に記載がある.授業内では論理ゲートの電子回路表現に触れる予定であるが,深く知りたい学生はディジタル回路の専門書も確認するとよい.
(1) 浜辺 隆二,“論理回路入門(第4版)”,森北出版
(2) 田丸 啓吉,“論理回路の基礎”,工学図書
(3) 河辺 義信, "はじめての論理回路", 森北出版
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
本授業の概論/符号なし2進数の表現方法と基数変換(pp.1-6) |
本授業で扱う内容の概論を把握する.符号なし2進数の表現方法,基数変換の方法について理解する.
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2週 |
16進数の表現方法と基数変換(pp.8-10) |
16進数の表現方法,16進数の絡む基数変換の方法について理解する.
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3週 |
負の数の表し方とメモリ内での表現(pp.12-14, 16-17) |
2進数における負の数の表現方法と8ビットメモリ内での2進数の格納状態について学習する.
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4週 |
基本論理演算(1)(pp.42-48) |
AND,OR,NOTの真理値表,MIL記号,論理関数を理解する.
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5週 |
ブール代数と標準形(pp. 49-52) |
ブール代数の公理・定理,それらを用いた論理式の簡単化,標準形について理解する.
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6週 |
カルノー図による論理式の簡単化(pp. 52-59) |
カルノー図による論理式の簡単化について理解する.
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7週 |
学びあいの時間(1) |
学びあいを通して授業で得た知識を深める.
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8週 |
基本論理演算(2) / 回路形式の変換 (pp. 59-69) |
NAND,OR,XORゲート,ド・モルガンの定理を利用した回路形式の変換方法について理解する.
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
組み合わせ論理回路(pp. 73-78) |
真理値表から論理式を誘導し,簡単化する手法,加算器について学習する.
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11週 |
記憶回路の概要 / ラッチ(pp. 88-94) |
記憶回路の概要,ラッチの動作について理解する.
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12週 |
フリップフロップ(pp. 95-102)
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フリップフロップの動作について理解する.
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13週 |
2のn乗進カウンタ(pp. 108-114) |
2のn乗進カウンタの設計方法について理解する.
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14週 |
学びあいの時間(2) |
学びあいを通して授業で得た知識を深める.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
まとめ |
授業で学習した内容全体に関する知識を深める.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 2 | |
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 2 | |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 2 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 2 | |
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 2 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 2 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 2 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 2 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 2 | |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 2 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 2 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 2 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 2 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 2 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 2 | |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 2 | |
順序回路を設計することができる。 | 2 | |
情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 3 | |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 予習課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 45 | 15 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 45 | 15 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |