基礎ディジタル回路2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 基礎ディジタル回路2
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 速水治夫,“基礎から学べる論理回路(第2版)”,森北出版
担当教員 藤嶋 教彰

到達目標

(1) 2進数を用いて文字や数値データを表現する方法について理解できる.
(2) データ通信における誤り検出・訂正を行う方法について理解できる.
(3) 記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解できる.
(4) 順序回路の設計方法について理解できる.
(5) A/D・D/A変換の仕組みが理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12進数を用いて文字や数値データを表現する方法について正しく理解している.2進数を用いて文字や数値データを表現する方法について理解している.2進数を用いて文字や数値データを表現する方法について理解していない.
評価項目2データ通信における誤り検出・訂正を行う方法について正しく理解している.データ通信における誤り検出・訂正を行う方法について理解している.データ通信における誤り検出・訂正を行う方法について理解していない.
評価項目3記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について正しく理解している.記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解している.記憶回路であるラッチ,フリップフロップの動作と役割について理解していない.
評価項目4順序回路の設計方法について正しく理解している.順序回路の設計方法について理解している.順序回路の設計方法について理解していない.
評価項目5A/D・D/A変換の仕組みについて正しく理解している.A/D・D/A変換の仕組みについて理解している.A/D・D/A変換の仕組みについて理解していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 ありとあらゆるところでコンピュータが使用される現代で活躍するエンジニアはコンピュータ自体の動作原理を知っていることが求められる.
 基礎ディジタル回路2ではディジタル回路を設計するうえで特に重要な項目を講義する.本授業の目標は集約すると5つのトピック,(1)2進数を用いたデータ表現の方法,(2) 正しいデータを通信で送るための方法,(3) 2値情報を保持する方法,(4) 順序回路を設計する方法,(5) A/D・D/A変換を実現する方法,を習得することである.この知識は電気・電子回路などのハード面だけではなく,プログラミングなどのソフト面を扱う分野とも関連がある.コンピュータを扱う電気電子・情報関係の学生にとって重要度が高く,習得が必須となる内容である.
授業の進め方・方法:
・到達目標 (1)~(4)について,中間試験および期末試験で評価する.
・評価の割合は,中間試験(45%),期末試験(45%),小テスト(10%)とし,50点以上(100点満点)の者を合格とする.不合格者のうち,総合点が45点以上,小テストを全て受けている者は再評価試験を受験できるものとする.追認試験は再評価試験を受けたものを対象とし,特別課題提出を条件に実施する.
注意点:
 本授業で使用する教科書は自習がしやすくなるよう,特に重要な内容に限定して記述され,例題や図が豊富に含まれているものを選定した.授業前に予習として内容の確認と重要事項の把握をしておき,授業で知識を獲得し,復習で獲得した知識を定着させるよう複数回復習すると,記憶の定着が良い.学習を楽にするために実践することが望ましい.
 論理回路では他にも重要な単元が多くある.ゆえに本授業の知識に多く触れる職業に携わりたいという学生には,本講義および教科書の内容だけでは不足がある.より学習を進めたい学生のために,以下のものを専門書として推薦しておく.
(1) 浜辺 隆二,“論理回路入門(第3版)”,森北出版
(2) 田丸 啓吉,“論理回路の基礎”,工学図書

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 進数 / 基本論理演算 / 標準形 / カルノー図 / 組み合わせ論理回路 基礎ディジタル回路1で学習した中で特に重要な単元を復習し,理解を深める.
2週 データの表現(pp. 29-33,小テスト1) ASCIIコードによる文字表現,2進化10進法について理解する.
3週 ディジタル回路技術と社会 ディジタル回路技術が社会でどのように利用されているのかについて知識を深める。
4週 通信を目的とした誤り検出・訂正コード(pp. 34-38,小テスト2) パリティ方式,ハミングコード方式による誤り検出方法について理解する.
5週 記憶回路の概要 / ラッチ(pp. 88-94,小テスト3) 記憶回路の概要,ラッチの動作について理解する.
6週 フリップフロップ(pp. 95-102,小テスト4)
フリップフロップの動作について理解する.
7週 2のn乗進カウンタ(pp. 108-114,小テスト5) 2のn乗進カウンタの設計方法について理解する.
8週 中間試験
4thQ
9週 A/D・D/A変換回路 A/D・D/A回路の仕組みについて学ぶ.
10週 A/D・D/A変換回路 A/D・D/A回路の仕組みについて学ぶ.またコンピュータ演習により具体的な動作を体験し,ふるまいを理解する.
11週 ディジタル回路・信号と情報セキュリティ ディジタル回路・信号にまつわる情報セキュリティの知識を得る。
12週 A/D・D/A変換回路 A/D・D/A回路の仕組みについて学ぶ.
13週 A/D・D/A変換回路 A/D・D/A回路の仕組みについて学ぶ.
14週 A/D・D/A変換回路 A/D・D/A回路の仕組みについて学ぶ.
15週 期末試験
16週 総論
これまで学習した内容について理解を深める

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。2
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。2
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。2
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。2
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。2
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。2
電力システムの経済的運用について説明できる。2
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2
情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。2
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2
基本的な論理演算を行うことができる。2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。2
論理式の簡単化の概念を説明できる。2
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。2
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。2
組合せ論理回路を設計することができる。2
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。2
与えられた順序回路の機能を説明することができる。2
順序回路を設計することができる。2
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験小テスト合計
総合評価割合454510100
基礎的能力0000
専門的能力454510100
分野横断的能力0000