高電圧工学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高電圧工学,コロナ社,箕田他
担当教員 箕田 充志

到達目標

(1)各相における放電現象理論について理解できる。
(2)高電圧の取り扱いが理解できる。
(3)高電圧利用技術が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各相における放電現象理論について十分理解できる。各相における放電現象理論について理解できる。各相における放電現象理論について理解できない。
評価項目2高電圧の取り扱いが十分理解できる。高電圧の取り扱いが理解できる。高電圧の取り扱いが理解できない。
評価項目3高電圧利用技術が十分理解できる。高電圧利用技術が理解できる。高電圧利用技術が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 E3 説明 閉じる
電気情報工学科教育目標 E3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高電圧工学は,電圧が高くなると現れてくる放電現象のような高電圧特有の物理現象と,それらに関連した技術を取り扱う学問である。我が国の高電圧技術は世界の最高水準にある。特に,電力送電線路は,UHV送電(Ultra-High Voltage,百万ボルト級の送電)が実用化されつつある.放電現象は,電子やイオンの気体,液体,固体中での振る舞いを理解する上で重要である。近年,高電圧の利用は発電・送電のみならず,例えば,電子やイオンを利用した新素材の加工製造なども行われており,幅広い分野で応用されている。本講義は,高電圧に関する基礎的現象と高電圧機器の基礎を学ぶ。
本科目は、電気主任技術者に必要な基礎的知識を有するレベルとなるよう到達目標および評価基準を設定する。
授業の進め方・方法:
到達目標(1)(2)(3)について課題試験および期末試験で評価する。
なお,課題試験2回(60点)+期末試験(40点)で評点を決定する。
合計60点以上(100点満点)を合格とする。
再評価試験を実施する.実施基準は40点以上とする。
*全体の1/3(5回)以上の欠席は不合格とする。また,再試験など評価を自ら放棄した学生の2回目の履修は認めない。
注意点:
自学自習50時間,定期試験の準備10時間を目安とする。授業での復習を必ず行うこと。
学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり90分以上の予習復習をしているものとして講義・演習を進めます。
到達目標については,教科書に記載されている概要および演習問題が理解できれば 優が可能なレベルとなります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高電圧工学の必要性について講義する。また,気体の物性に関する知識を講義する。 高電圧工学の必要性について理解できる。
2週 気体放電の基礎となる電荷を持った粒子について講義する。荷電粒子がどの様に発生し消滅するか,そのメカニズムを理解することを期待する。 気体放電の基礎が理解できる。
3週 気体放電における電圧-電流特性について講義する。この特性から,放電の性質を理解することを期待する。(関連科目:電気回路の基礎) 気体放電の基礎が理解できる。
4週 気体放電の基礎となる理論を講義する。気体の放電のメカニズムを理解することを期待する。 気体放電の基礎が理解できる。
5週 実機における電気絶縁設計を講義する。また,身近な蛍光灯や水銀灯・アーク溶接などについて放電の関わりを講義する。 気体放電の基礎が理解できる。
6週 課題試験1 試験を実施する。
7週 変圧器などの電気絶縁について講義する。液体と気体との違いを明確に理解することを期待する。 液体放電の基礎が理解できる。
8週 液体絶縁及び絶縁設計について講義する。 液体放電の基礎が理解できる。
2ndQ
9週 電力ケーブルなどで用いられている固体絶縁物における放電現象について講義する。気体・液体絶縁との違いを理解することを期待する。 個体絶縁の基礎が理解できる。
10週 実機で用いられている複合絶縁について講義する。単独絶縁との異なりについて理解することを期待する。 複合絶縁の基礎が理解できる。
11週 課題試験2 試験を実施する。
12週 複合絶縁設計で問題となる様々な現象について講義する。複合絶縁設計上の問題点を理解することを期待する。 複合絶縁の基礎が理解できる。
13週 高電圧の発生方法および測定方法について講義する。 高電圧の発生が理解できる。
14週 高電圧の応用技術について講義する。高電圧を利用した各種分野への関わりを理解することを期待する。 高電圧の応用が理解できる。
15週 期末試験 試験を実施する。
16週 講義のまとめを行う。 全体が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3

評価割合

課題試験期末試験合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000