到達目標
(1)条件付き確率のベイズ則から送信信号を推定し,誤り率を理解する.
(2)ベースバンド伝送路符号の条件と各種符号の特徴を理解する.
(3)キャリアバンド符号の幾つかについて特徴、変復調法を理解する.
(4)符号間干渉とナイキスト条件、パーシャルレスポンス符号について理解する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 2元対称通信路の確率モデルから,信号電力と雑音電力が誤り率につながることを理解できる. | 事前確率と事後確率が通信システムの設計と評価に係わることを理解できる. | 誤り率がどんな条件から導き出されるのか理解できない. |
評価項目2 | パルス波形にはどんな制約があり,どんな特性が求められるか,理解できる. | 論理値とパルス波形の変換規則を理解できる. | 変換規則が理解できない |
評価項目3 | ディジタル変調にはどんな制約があり,どんな特性が求められるか,理解できる. | 論理値と正弦波変調の変換規則を理解できる. | 変換規則が理解できない |
評価項目4 | 符号間干渉が生じる理由とそれを回避する手法を理解できる | 符号間干渉が生じる因果関係を理解できる | 符号間干渉が生じることを理解できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
情報を離れた場所に伝えることを伝送あるいは通信という.古くは文字を物(粘土板,板,紙など)に記録して運んだ.物では無く,電磁波という波動に情報を載せると瞬間的に通信ができる.そこで情報を如何にして波動に載せるか(信号方式)を学ぶ.どんな載せ方が良いかを評価するのに誤り率という概念を導入し,いろいろな信号方式の特徴を電力,帯域,誤り率の観点から学ぶ(帯域とは信号の周波数成分の広がり幅).
波動を扱うため,その時間軸と周波数軸を関係づけるフーリエ変換が必須である.しかし,限られた時数の関係で,フーリエ変換は自学主体で進め,授業では最小限に留める.
授業の進め方・方法:
本科目では,到達目標(1)から(4)の達成度を中間試験41%,期末試験41%の割合で評価する.また,レポートの提出状況を 18%の割合で評価する.
レポートは指定の日までに提出すること.未解提出の場合は再提出すること.重みは期限内でほぼ正解のとき2,期限内で未解のとき0.5,再提出で正解のとき+1.5とする.
60%以上を合格とする.
注意点:
【自学自習】予習・復習 50時間
定期試験の準備 10時間
ただ聴講するだけでは無く,自分で手を動かして演習することを期待しています.そのため,毎回簡単な問題を出します.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
通信の歴史を概観し、通信の原理・理論を説明する. |
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2週 |
条件付き確率を復習し,ディジタル通信の考え方と性能評価について述べる. |
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3週 |
正規分布の雑音を仮定した最適受信機から誤り率の考え方を説明し,1次元信号の誤り率を導出する. |
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4週 |
ディジタル信号は時間軸上の信号であるが,多次元空間内の点として表現し,信号の性能を評価する. |
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5週 |
具体的なベースバンド符号の特徴・性能について述べる. |
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6週 |
上記の続き |
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7週 |
キャリアバンドにおけるディジタル変復調について述べる. |
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8週 |
中間試験:第2週から第7週までの範囲で出題する. |
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2ndQ |
9週 |
符号間干渉について,スペクトルと時間波形の関係とナイキストの第1無ひずみ条件について述べる. |
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10週 |
パーシャルレスポンス方式について概要を述べる. |
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11週 |
アナログ信号をディジタル信号に変換する際の基本定理(標本化定理)を述べる. |
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12週 |
上記の続き |
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13週 |
現代の無線通信で使われているマルチキャリア通信(SS,OFDM)方式を概説する. |
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14週 |
上記の続き |
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15週 |
期末試験:第9週から第14週までの範囲で出題する |
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16週 |
試験の返却と解答 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | 通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | レポートの提出 | 合計 |
総合評価割合 | 41 | 41 | 18 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 41 | 41 | 18 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |