計測工学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0057 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 大浦 他, “新しい電気・電子計測”, オーム社
担当教員 藤嶋 教彰

到達目標

(1) 測定誤差・精度の算出方法を理解する.
(2) アナログ・ディジタルの違いと変換方法を理解する.
(3) 各種物理量の測定方法を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1測定誤差・精度の算出が正しくできる.測定誤差・精度の算出ができる.測定誤差・精度の算出ができない.
評価項目2アナログ・ディジタルの違いと変換方法を正しく理解している.アナログ・ディジタルの違いと変換方法を理解している.アナログ・ディジタルの違いと変換方法を理解していない.
評価項目3各種物理量の測定方法を正しく理解している.各種物理量の測定方法を理解している.各種物理量の測定方法を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 E1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 今日のハイテク技術は,電気・電子工学を利用した計測技術が支えている.計測が正しく行われなければ,思い通りの製品を作り出すことはできず,安全保証もできない.ゆえに,これらの技術の大切さや測定原理を技術者になろうとする学生は把握し,理解しておく必要がある.
 本科目では測定誤差・精度の算出方法,アナログ・ディジタルの違いと変換方法,各種物理量の測定方法について取り扱う.これらの単元を理解できるレベルにおいて,到達目標と評価を設定する.
授業の進め方・方法:
・ 到達目標(1)~(3)は中間試験と期末試験で評価する.
・ 与えた課題をすべて提出完了している者のみを評価する.
・ 評価の割合は,中間試験(50 %),期末試験(50 %)とし,60点以上(100点満点)を合格とする.いずれかの試験で60点以上を取っている場合は再評価試験を実施する.
注意点:
・ 本科目は学修単位(2単位)であるため,1週あたり予習・復習あわせて180分以上の学習が必須である.
・ 本科目は上記の条件に加えて,事前の内容理解を予習に求める.授業内では(1) 質疑応答により内容を聞く,(2) 過去の授業に関連するものの一部については授業中に内容を説明してもらう,という,能動的活動を行う.
・ 質問事項に答えようとしない,説明を求めるものに応じないなど,授業遂行の妨げになるような行動をした場合には退室を命じることがある.
・ 各授業では課題演習の時間を取る.課題を行えるようにレポート用紙を持参すること.
・「自主性」を持ち,「主体的に学び取る」力を持つこと.これは自立した大人に成長する上で特に必要なことであると言える.
・オフィスアワー(質問可能時間):平日8:30~17:00のうち,授業等で不在の時間以外
・ この分野に興味があり,本科目の内容を深めたい学生は,以下の本を読み,知識を深めるとよい.

(1) 大内繁男, 坂巻佳侏
(1) 岡野大祐, “教えて?わかった! 電気電子計測”, オーム社, 2011.
(2) 宮下收ら, “基本からわかる 電気電子計測講義ノート”, オーム社, 2015.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 測定法 / 測定誤差(pp.1-15,課題1) 様々な測定方法について理解する.また,測定誤差を数値化する方法について理解する.
2週 最小二乗法 / 有効数字と有効桁数(pp.15-25,課題2) 最小二乗法の原理について理解し,計算できるようにする.また,有効数字や有効桁数を考える意味を理解する.
3週 利得(pp. 22-25,課題3) 電力利得と電圧利得について理解する.
4週 雑音(pp.28-36,課題4) 雑音について理解する.
5週 アナログ信号とディジタル信号 / アナログ・ディジタル変換(1)(pp.61-69,課題5) アナログ信号とディジタル信号について理解する.またA /D変換について理解する.
6週 アナログ・ディジタル変換(2)/ ディジタル・アナログ変換(pp.69-72,課題6) A / D変換とD /A変換について理解する.
7週 交流波形にまつわる重要な値(pp.74-77,課題7) 平均値,実効値,波形率,波高率の定義を理解し,計算できるようにする.
8週 中間試験
4thQ
9週 電流と電圧の測定 /指示計器(1)(pp.74-80,課題8) 指示計器とディジタル計器の違いを理解する.また,電流・電圧の測定方法を理解する.
10週 指示計器(2)(pp.80-82,課題9) 可動鉄片・整流・熱電対型指示計器について理解する.また,電位差計法について理解する.
11週 抵抗の測定(1)(pp.88-90,課題10) 電圧降下法について理解する.また,2端子法と4端子法について理解する.
12週 抵抗の測定(2)(pp. 90-92,課題11) ホイートストンブリッジを用いた抵抗測定法,およびインピーダンス測定時の誤差を低減させるためのワグナー接地法について理解する.
13週 周波数の測定(pp.98-106,課題12) 周波数の測定方法を理解する.
14週 電力の測定(1)(pp.110-114,課題13) 電力の測定方法を理解する.
15週 期末試験
16週 総論 本授業の全体を俯瞰し,知識を深める.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3
電力量の測定原理を説明できる。3
オシロスコープの動作原理を説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000