基礎電気磁気学1

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎電気磁気学1
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「工学系の電磁気学」 W.H.ヘイト 著, 朝倉書店
担当教員 今尾 浩也

到達目標

・ 三次元のベクトル演算ができる
・ 空間座標の概念を理解する
・ クーロンの法則に基づいて空間における電界の計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1三次元のベクトル演算が充分にできる 三次元のベクトル演算ができる 三次元のベクトル演算ができない
評価項目2空間座標の概念を充分に理解する 空間座標の概念を理解する 空間座標の概念を理解できない
評価項目3クーロンの法則に基づいて空間における電界の計算が充分にできる クーロンの法則に基づいて空間における電界の計算ができる クーロンの法則に基づいて空間における電界の計算ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気磁気学は19世紀にファラデーにより現象論として整備され、マクスウェルにより4つの方程式として数学的に体系化された。電気・電子工学の根幹を 受け持つ本教科では、まずはじめにベクトル解析と空間座標の基礎知識を学び、3次元的な大きさと方向を持つ量としての電気磁気現象理解の根本とする。これらを元として、クーロンの法則と電界について様々な形状の電荷での解析を行う。
授業の進め方・方法:
授業への取り組み姿勢(出席・態度) (10%)、
小テスト(10%)、
宿題(練習問題・演習)の解答状況(20%)、
定期試験の成績(60%)
を総合して評価する。50点以上(100点満点)を合格とする。
不合格者に対して再評価試験は1回実施する。追認試験も1回実施する
注意点:
電気磁気学は数学の概念を工学現象の説明に見事に反映することができる体系である。基礎的な事項を「覚える」ことも大切だが、内容を「理解する」ことと「使いこなす」ことが重要である。このためには練習問題や演習に普段から自ら積極的に取り組むことが大切である。また、段階的に進むため、前の部分をおろそかにすると理解が非常に難しくなる。試験前の徹夜の暗記勉強だけでは絶対にできないことを肝に銘じてほしい。逆に授業時間ごとに内容をしっかり把握し、自分のものとしておけば、自然に「優」の評価が得られると思う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルの計算, 直交座標系
三次元の直交座標系におけるベクトルの表記法と加減算、スカラ乗除算について解説する
三次元の直交座標系におけるベクトルの表記法と加減算、スカラ乗除算について理解する
2週 単位ベクトル, ベクトル場
単位ベクトルの概念と変数を含んだベクトルの取り扱いについて講義する
単位ベクトルの概念と変数を含んだベクトルの取り扱いについて理解する
3週 内積(スカラ積)
ベクトルの乗算のひとつドット積について学ぶ
ベクトルの乗算のひとつドット積について理解する
4週 外積(ベクトル積)
ベクトルの乗算のひとつクロス積について学ぶ
ベクトルの乗算のひとつクロス積について理解する
5週 円筒座標系
空間座標の表示方法のひとつである円筒座標系とそのベクトル表記について解説する
空間座標の表示方法のひとつである円筒座標系とそのベクトル表記について理解する
6週 球座標系
空間座標の表示方法のひとつである球座標系とそのベクトル表記について解説する
空間座標の表示方法のひとつである球座標系とそのベクトル表記について理解する
7週 微少長さと面積・体積の計算
それぞれの座標系における微少長さについて調べ、積分による面積・体積の計算方法を学習する
それぞれの座標系における微少長さについて調べ、積分による面積・体積の計算方法を理解する
8週 中間試練
2ndQ
9週 クーロンの法則
点電荷の間に働く力についてベクトル解析する
点電荷の間に働く力についてベクトル解析により理解する
10週 電界の強さ
点電荷が三次元空間に生じる電界について考える
点電荷が三次元空間に生じる電界について理解する
11週 体積電荷
点電荷の集合体として、様々な形状の体積電荷量の計算を行う
点電荷の集合体として、様々な形状の体積電荷量の計算手法を理解する
12週 線電荷による電界1
直線形状の無限長線電荷について、発生する電界の計算方法を解説する
直線形状の無限長線電荷について、発生する電界の計算方法を理解する
13週 線電荷による電界2
直線形状の有限長線電荷について、発生する電界の計算方法を理解し、連続的に分布した電荷による電界の計算法を解説する
直線形状の有限長線電荷について、発生する電界の計算方法を理解し、連続的に分布した電荷による電界の計算法を理解する
14週 面電荷による電界
面状の電荷分布による電界について調べる
面状の電荷分布による電界について理解する
15週 期末試験
16週 演習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3

評価割合

授業への取り組み姿勢(出席・態度)小テスト宿題(練習問題・演習)の解答状況定期試験の成績合計
総合評価割合10102060100
基礎的能力00000
専門的能力10102060100
分野横断的能力00000