電子工学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「アナログ電子回路の基礎」 堀 桂太郎 著,東京電機大学出版社および配布資料
担当教員 市川 和典

到達目標


(1)電子の運動やエネルギー準位などの電子工学の基礎知識を理解できる。
(2)半導体における電子と正孔の働きを理解し,ダイオード、トランジスタ,FETの基本的な特性・動作回路について説明できる.
(3)太陽電池などの光起電力素子について説明できる.
(4)LEDなどの発光素子について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子の運動やエネルギー準位などの電子工学の基礎知識を正確に理解できる電子の運動やエネルギー準位などの電子工学の基礎知識を理解できる電子の運動やエネルギー準位などの電子工学の基礎知識を理解できない
半導体における電子と正孔の働きを理解し,ダイオード、トランジスタ,FETの基本的な特性・動作回路について正確に説明できる半導体における電子と正孔の働きを理解し,ダイオード、トランジスタ,FETの基本的な特性・動作回路について説明できる半導体における電子と正孔の働きを理解し,ダイオード、トランジスタ,FETの基本的な特性・動作回路について説明できない
トランジスタを用いたバイアス回路について計算を正しく行うことができる トランジスタを用いたバイアス回路について計算を行うことができる トランジスタを用いたバイアス回路について計算を行うことができない 
太陽電池などの光起電力素子、LEDなどの発光素子について正確に理解できる 太陽電池などの光起電力素子、LEDなどの発光素子について理解できる 太陽電池などの光起電力素子、LEDなどの発光素子について理解できない 

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気系・機械系問わず、あらゆる分野で半導体素子の使用は当たり前になっている。そのため、工学の分野において電子回路を用いた機器を使用できるか,あるいはその原理を理解しているかどうかが「エンジニア」としての能力に大きく影響をしている.この知識は、電気回路,制御工学,ディジタル回路等を理解する上でも大きく関係している.
この電子工学の講義では,電子回路を構成するダイオードやトランジスタ,ICなどの能動素子の構造や動作原理について基本的な知識を学ぶ.また,実際のダイオードやトランジスタを使用した各種の増幅回路について理解を深める.
授業の進め方・方法:
(1),(2)については中間試験(40%)、(3),(4)については期末試験(40%)で、また(1)-(4)いずれにおいても課題・レポートを課してこれを20%の割合で評価する。総合して50点以上(100点満点)を合格とする。また、35点以上のものについては再評価試験を受けることができる。
注意点:
電子工学,電子回路については様々なレベルのテキスト,問題集があるので必要であればそれらを利用することが効果的です.また,事前にテキストを読んでおくことぐらいは必須です.授業に関しては,演習問題も含めて進めていくので電卓が必要で.試験に関してはノートを中心に出題します.授業のノートはポイントとなる部分を書き込むことができ,自分で要点を付け加えながら完成させることができればよいでしょう.(写すのではなく自分で工夫してください。)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子工学の基礎,原子中の電子
ボーアなど原子の構造の発見の過程について解説する.
電子工学の基礎,原子中の電子について説明できることを目標にする
2週 エネルギー準位の形成
エネルギー準位の形成メカニズムについて説明する。
エネルギー準位の形成について説明できることを目標にする
3週 導体,絶縁体,半導体の性質
導体,絶縁体,半導体の構造の違い等を解説する.
導体,絶縁体,半導体の性質について説明できることを目標にする
4週 P型N型半導体の形成とエネルギー準位
P型及びN型半導体の作製とそれぞれのエネルギー準位を解説する.
P型N型半導体の形成とエネルギー準位について説明できることを目標にする
5週 PN接合ダイオードの動作
PN接合半導体ダイオードと整流作用を解説する.
PN接合ダイオードの動作について説明できることを目標にする
6週 トンネルダイオードの動作
トンネルダイオードの動作について解説する.
トンネルダイオードの動作について説明できることを目標にする
7週 液晶テレビとプラズマテレビの原理
最も身近な電子製品である液晶テレビ,プラズマテレビについて解説する.
液晶テレビとプラズマテレビの原理について説明できることを目標にする
8週 中間試験
第1回~第7回までの内容について試験を行い,理解度を確認する.
中間試験によって第1回~第7回までの内容について試験を行い,理解度を確認する
2ndQ
9週 ショットキーダイオード
ショットキーダイオードの動作にについて解説しPN接合ダイオードと比較する.
ショットキーダイオードについて説明できることを目標にする
10週 バイポーラトランジスタ
電子回路で最も良く用いられるバイポーラトランジスタについて解説する.
バイポーラトランジスタについて説明できることを目標にする
11週 コンデンサの動作原理
並行平板型、MOS型などのコンデンサについて解説する.
コンデンサの動作原理について説明できることを目標にする
12週 FET(電界効果トランジスタ)
接合型、MOS型などのFETについて解説する.
FET(電界効果トランジスタ)について説明できることを目標にする
13週 太陽電池の動作原理
PN接合型太陽電池の動作原理と最新のHIT太陽電池について解説する.
太陽電池の動作原理について説明できることを目標にする
14週 発光ダイオード(LED)の動作原理
発光ダイオードの動作原理について解説する.
発光ダイオード(LED)の動作原理について説明できることを目標にする
15週 期末試験
第10回~第15回までの内容について試験を行い,理解度を確認する.
期末試験によって第10回~第15回までの内容について試験を行い,理解度を確認する.

16週 まとめ
本講義のまとめと解説を行い,理解度を確認する.
まとめ本講義のまとめと解説を行い,理解度を確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000