メカトロニクス基礎

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 メカトロニクス基礎
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 メカトロニクスの基礎、渋谷恒司著、森北出版
担当教員 長澤 潔

到達目標

(1) 電気・電子、制御系の各分野の基本事項を理解する。
(2) 機械力学系の基本事項を理解する。
(3)  メカトロニクス用アクチュエータについて理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気・電子・制御系分野の基礎事項を理解し、応用問題に答えられる。電気・電子・制御系分野の基礎事項を理解している。電気・電子・制御系分野の基礎事項を理解できない。
評価項目2力や加速度などの機械力学系の基本事項を理解し、応用問題に答えられる。力や加速度などの機械力学系の基本事項を理解している。力や加速度などの機械力学系の基本事項を理解できない。
評価項目3DCモータなどのメカトロニクス用アクチュエータの原理・使用方法を理解し、応用問題に答えられる。DCモータなどのメカトロニクス用アクチュエータの原理・使用方法を理解している。DCモータなどのメカトロニクス用アクチュエータの原理・使用方法を理解できない。。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロニクス製品は電子電気技術、機械技術、制御技術等が複合する総合分野の産物といえる。本講義では、各分野の基本事項を実践的な内容を中心に整理し、課題や演習問題を通して理解する。具体的には、1stQでは機械力学系および各種制御系の基礎事項を整理した後、メカトロニクスを構成する要素技術として特に重要となるアクチュエータ、特にDCモータを中心にその原理および使用法について理解する。さらに2ndQでは電気・電子系部品、各種ICについて、その動作原理、使い方を理解する。
授業の進め方・方法:
以下の項目の合計点(100点満点)で評価する。
中間試験(40点)、期末試験(40点)、演習課題や授業に対する取組姿勢(20点)とし、合計50点以上を合格とする。
原則として、定期試験の合計点が60点以上かつ2/3以上の出席をもって再試験の受験資格とする。
尚、何らかの事由により、通常の対面による授業および定期試験が実施できない場合、
課題やレポートの提出状況や理解度、出席状況(遠隔授業等を含む)により成績を評価する。
その場合、課題等の割合を7割、出席状況を3割で評価する。
注意点:
課題には積極的に取り組んでください。
疑問点があれば質問したり、自分自身で調べ考えたりして、意欲的に知識の増進を図るよう心がけてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 メカトロニクスの概要と基礎演習
メカトロニクスとその重要性について,各種制御系(フィードバック制御他) について
予備調査課題の実施
メカトロニクスについて説明できる.
各種制御系(フィードバック制御、シーケンス制御) について説明できる.
2週 機械・力学系基礎事項の整理(1)
要素部品(バネ、減衰器)について
機械・力学系の要素部品について説明できる.
3週 機械・力学系基礎事項の整理(2)
力,速度,加速度,座標系のとり方,モーメント等の考え方
力・速度・加速度・モーメント等の力学系基礎事項について説明できる.
4週 機械・力学系基礎事項の整理(3)
ニュートンの運動方程式の誘導
運動方程式について説明できる.
5週 アクチュエータ概論(1)
DCモータ,ブラシレスDCモータ他
DCモータの分類・原理について説明できる.
6週 アクチュエータ概論(2)
コアレスモータ,誘導モータ,同期モータ他
DC・ACモータの分類・原理について説明できる.
7週 アクチュエータ概論(3)
DCモータの等価回路,基本特性式,静特性(TN曲線),動特性
DCモータの基本特性について説明できる.
8週 中間試験 中間試験が解ける.
2ndQ
9週 試験返却,復習
中間試験について,自らの問題点を把握し修正できる.
10週 電気・電子回路部品の整理(1)
受動素子・能動素子 (CR素子,オペアンプ,ダイオード,LED)
CRの使い方、オペアンプについて知る.
11週 電気・電子回路部品の整理(2)
受動素子・能動素子 (CR素子,オペアンプ,ダイオード,LED)
CRの使い方、オペアンプについて理解し説明できる.
12週 電気・電子回路部品の整理(3)
ロジックIC,マイコン,各種インターフェース回路
ロジックICの使い方について知る.
13週 電気・電子回路部品の整理(4)
ロジックIC,マイコン,各種インターフェース回路
ロジックICの使い方について理解し説明できる.
14週 電気・電子回路部品の整理(5)
実用回路のまとめ
電気・電子回路部品の実践的使い方を理解し説明できる.
15週 期末試験 期末試験が解ける.
16週 試験返却,復習 期末試験について,自らの問題点を把握し修正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。2
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。2
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。2
仕事の意味を理解し、計算できる。2
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。2
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。2
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。2
計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。1
電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。1
電磁気電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。1
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2
磁界中の電流に作用する力を説明できる。2
ローレンツ力を説明できる。2
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。1
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。1
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2
演算増幅器の特性を説明できる。1
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。2

評価割合

試験課題・態度合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000