電気回路1

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路1
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 : 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「続電気回路の基礎 第3版」,西巻正郎,下川博文,奥村万規子共著,森北出版
担当教員 松本 浩介

到達目標

(1)2端子対回路のマトリクス表示について説明できる.
(2)2端子対回路をマトリクス表示し,回路計算ができる.
(3)伝送線路を回路として捉え,線路上の信号の伝搬について説明できる.
(4)伝送線路の特性を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12端子対回路のマトリクス表示について正しく説明できる.2端子対回路のマトリクス表示について説明できる.2端子対回路のマトリクス表示について説明できない.
評価項目22端子対回路をマトリクス表示し,正しく回路計算ができる.2端子対回路をマトリクス表示し,回路計算ができる.2端子対回路をマトリクス表示し,回路計算ができない.
評価項目3伝送線路を回路として捉え,線路上の信号の伝搬について正しく説明できる.伝送線路を回路として捉え,線路上の信号の伝搬について説明できる.伝送線路を回路として捉え,線路上の信号の伝搬について説明できない.
評価項目4伝送線路の特性を正しく計算できる.伝送線路の特性を計算できる.伝送線路の特性を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路の知識は,電気系技術者にとって必須のものであり,電子工学,制御工学やロボット工学など幅広い科目で用いられている.この科目では,3年生までの基礎電気回路で修得した知識をもとに,2端子対回路・伝送回路について講義を行い,回路計算に必要な変換ができる力を身につける.前半は2端子対回路について,マトリクス表示など各パラメ-タを用いた表現法や等価回路,変換法について学ぶ.後半では,分布定数回路である伝送回路における線路上の信号の伝搬について学ぶ。
本講義においては電気回路を専門的に学ぶ大学課程程度のレベルとなるよう到達目標,評価基準を定める.
授業の進め方・方法:
到達目標(1),(2)については中間試験で,(3),(4)については期末試験で評価を行う.また,いずれの項目についても課題提出・小テストを随時行い,成績は以下のように決定する。
「中間試験40%,期末試験40%,課題・小テスト等20%で総合60点以上(100点満点)を合格とする。」また、40点以上のものについては再評価試験を受けることができる。
提出期限を過ぎた課題については評価の対象としない.
注意点:
自学自習については予習・復習10時間、試験準備5時間を目安とする。
学修単位科目であり、1回の講義(90分)あたり90分以上の予習復習をしているものとして講義・演習を進めます。その評価として課題・小テストを実施します。
基礎電気回路で学んだ知識を活用して,回路計算を行っていきます.講義では演習も行うために電卓が必要です.基礎電気回路で基本的な電気回路の知識を身につけており,それを用いて考え,計算できることが大事です.教科書すべての問題を解説することはありません。練習問題,演習問題は各自で解き方を工夫してみてください.試験についてはノートを中心に出題します.各自が理解したこと,補足事項など工夫して作成することがポイント.まる写しは意味がありません.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎的な回路の復習,2端子対回路のあらましおよびマトリクス表示
電気回路の基礎的な事項についての復習と2端子対回路のあらまし,および2端子対回路のマトリクス表示について解説する.
2週 2端子対回路のマトリクス表示
2端子対回路におけるパラメータを用いたマトリクス表示について解説する.
3週 2端子対回路の接続
2端子対回路の直列接続(Zマトリクス),並列接続(Yマトリクス),縦続接続(Fマトリクス)について解説する.
4週 2端子対回路の入力インピ-ダンスなどの表し方
2端子対回路の入力インピ-ダンス,出力インピ-ダンス,電圧利得,電流利得をFパラメ-タにより表現する方法について解説する.
5週 2端子対回路の等価回路
2端子対回路を等価変換する際のT形等価回路,π形等価回路への変換法および,T形π形変換,変圧器のT形等価回路,対称格子形回路のT形等価変換について解説する.
6週 マトリクス要素の物理的意味と変換関係
各マトリクス要素の物理的意味とその要素を求めるための回路について解説する.
7週 等価電源の定理
2端子対回路の等価電圧源,および電流源回路について解説する.
8週 中間試験
第1週~第7週までの内容について試験を行い,理解度を確認する.
2ndQ
9週 伝送線路の概要,伝送回路の方程式と解
回路要素を用いた集中定数回路と分布定数回路,伝送回路の概要および伝送線路で成り立つ方程式とその解法について解説する.
10週 伝搬定数と伝搬速度,特性インピ-ダンス
伝送線路における伝搬定数と伝搬速度,また線路の特性インピ-ダンスについて解説する.
11週 いろいろな伝送線路
無限長、無ひずみ、無損失伝送線路、また平行導線線路,同軸線路の伝搬を解説する.
12週 無損失線路上での伝搬
無損失伝送線路における電圧と電流の分布について解説する.
13週 反射係数と定在波
入射波と反射波による定在波について解説する.
14週 演習
伝送線路上の伝搬の様子について演習を行う。
15週 期末試験
第9週~第14週までの内容について試験を行い,理解度を確認する.
16週 まとめ
本講義のまとめと解説を行い,理解度を確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3

評価割合

中間試験期末試験課題・小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000