到達目標
・ 電流の概念、導体・半導体・誘電体の性質を把握する
・ 電流により定常磁界が発生することを理解し計算できる
・ 磁束と磁束密度の概念を理解する
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 電流の概念、導体・誘電体の性質を把握する | 電流の概念、導体・誘電体の性質を把握する | 電流の概念、導体・誘電体の性質を把握しない |
評価項目2 | 電流により定常磁界が発生することを理解し計算できる | 電流により定常磁界が発生することを理解し計算できる | 電流により定常磁界が発生することを理解し計算できない |
評価項目3 | 磁束と磁束密度の概念を理解する | 磁束と磁束密度の概念を理解する | 磁束と磁束密度の概念を理解しない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電気磁気学は19世紀にファラデーにより現象論として整備され,マクスウェルにより4つの方程式として数学的に体系化された.電気・電子工学の根幹を 受け持つ本教科では,ベクトル解析と空間座標の基礎知識を学び,3次元的な大きさと方向を持つ量としての電気磁気現象理解の根本とする.3年の「基礎電気磁気学」で学んだ基礎的な事項を元にして,本講では,電流による定常磁界の発生,電流素片に作用する力,トルクの導出,電磁誘導の法則の理解を目標とする.
授業の進め方・方法:
学習目標が達成され,電気磁気学に関する基礎的な原理の理解と工学的考察を行う能力があるか否かを評価する.
成績は学習目標の達成度を中間・期末試験=90%,レポート=10%の割合で評価し,総合成績60点以上を合格とする.
注意点:
電気磁気学は数学の概念を工学現象の説明に見事に反映することができる体系である.基礎的な事項を「覚える」ことも大切だが,内容を「理解する」こと「使いこなす」ために,練習問題や演習に普段から自ら積極的に取り組むことが大切である.また,段階的に進むため,前の部分をおろそかにすると理解が非常に難しくなる.試験前の徹夜の暗記勉強だけでは絶対にできないことを肝に銘じてほしい.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電流と電流密度 電流および電流密度の定義についてスカラーとベクトルの対比をしながら解説する |
電流および電流密度の定義についてスカラーとベクトルの対比をしながらを理解する
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2週 |
電流の連続性 電流の概念の更なる理解のために,電荷保存則と電流連続の方程式について学ぶ
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電流の概念の更なる理解のために,電荷保存則と電流連続の方程式について理解する
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3週 |
金属導体と導体の性質 金属導体中での電子の運動を元に電界と電流密度の関係からオームの法則の一般形を導出する
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金属導体中での電子の運動を元に電界と電流密度の関係からオームの法則の一般形を理解する
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4週 |
半導体 簡単なバンド理論を解説し、半導体におけるキャリアの移動度と導電率の関係について学ぶ
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簡単なバンド理論を解説し、半導体におけるキャリアの移動度と導電率の関係について理解する
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5週 |
誘電体の性質 絶縁体における分極の概念を解説し、分極率と誘電率の導出を行う
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絶縁体における分極の概念を理解し、分極率と誘電率の導出を理解する
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6週 |
静電容量 キャパシタへの電荷の蓄積と電極間の電位差の相互関係として静電容量を求める方法を学ぶ
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キャパシタへの電荷の蓄積と電極間の電位差の相互関係として静電容量を求める方法を理解する
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7週 |
静電容量の実例、演習 様々な形状のキャパシタにおける静電容量を計算する |
様々な形状のキャパシタにおける静電容量を計算方法を理解する
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8週 |
中間試験
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2ndQ |
9週 |
ビオ-サバールの法則1 微少電流により任意の位置に生じる微少磁界を求め、それの積分による特定形状の電流要素が発生する磁界を計算する
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微少電流により任意の位置に生じる微少磁界を求め、それの積分による特定形状の電流要素が発生する磁界の計算を理解する
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10週 |
ビオ-サバールの法則2 ビオ-サバールの法則を様々な形状の導体に適用し、その計算方法に習熟する
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ビオ-サバールの法則を様々な形状の導体に適用し、その計算方法を理解する
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11週 |
アンペアの周回積分の法則 ビオ-サバールの法則を対称性のある空間に拡張したアンペアの周回積分の法則について様々な形状の導体に適用する
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ビオ-サバールの法則を対称性のある空間に拡張したアンペアの周回積分の法則について様々な形状の導体に適用することを理解する
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12週 |
回転 ベクトル演算のひとつである回転の概念を学び、アンペアの周回積分の法則への適用を行う
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ベクトル演算のひとつである回転の概念と、アンペアの周回積分の法則への適用を理解する
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13週 |
ストークスの定理 磁界の性質から任意のベクトル場に成立するストークスの定理について述べる
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磁界の性質から任意のベクトル場に成立するストークスの定理について理解する
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14週 |
磁束と磁束密度、磁位 透磁率というパラメータを導入することで磁束密度および磁束についての概念を理解し、静電界・定常磁界におけるマクスウェル方程式を導出する
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透磁率というパラメータを導入することで磁束密度および磁束についての概念を理解し、静電界・定常磁界におけるマクスウェル方程式を導出できること理解する
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15週 |
期末試験
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16週 |
演習
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 3 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 3 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 3 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 3 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 3 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 3 | |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 3 | |
静電エネルギーを説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 90 | 10 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |