振動学Ⅰ

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 振動学Ⅰ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:振動工学の基礎 片岡、五百井共著(コロナ社)参考書:振動工学 基礎編 安田仁彦著(コロナ社)ポイントを学ぶ振動工学 鈴木浩平編著(丸善)
担当教員 長澤 潔

到達目標

(1)座標系の取り方など振動学における基本事項を理解する(5-1)
(2)1自由度振動問題を理解する(5-1)
(3)多自由度振動問題を理解する(5-1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1座標系の取り方など振動学における基本事項を理解する座標系の取り方など振動学における基本事項を理解する座標系の取り方など振動学における基本事項を理解しない
評価項目21自由度振動問題を理解する1自由度振動問題を理解する1自由度振動問題を理解しない
評価項目3多自由度振動問題を理解する多自由度振動問題を理解する多自由度振動問題を理解しない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
最近の構造物や機械に関するトラブルの原因は、以前のように静的荷重に対する材料力学的知識不足によるものはまれであり、多くは、機構部の動的挙動に対する検討が不十分であったためと考えられる。このような背景から、振動学の知識は技術者にとってますます重要なものとなっている。本講義では数学的解析にとどまらず、現象の物理的イメージを大切にしながら振動学の基礎を学ぶ。近年、振動解析に制御工学の手法を応用する傾向が強くなり、逆に振動論を制御工学の導入部として解説することも多くなった。これらを考慮し、制御工学へのアプローチとしても役立てたい。
尚、本講義では大学で使用されるテキストを使い、大学レベルの授業を行う。
授業の進め方・方法:
本科目では、上記到達目標の達成度を、中間・期末試験の結果を8割以上、レポートを2割以下の割合で点数化し最終成績を決定する。(1)(2)(3)の評価割合は各1/3程度。
最終成績60点以上(100点満点)かつ、2/3以上の出席をもって合格とする。
尚、定期試験の合計点が80点以上かつ2/3以上の出席を再試験受験資格とする。
注意点:
【自学自習】予習・復習 50時間  定期試験・課題の準備 10時間
学修単位科目であり、予習復習の時間が確保されているものとして講義を進める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 振動学の概要
振動とは, 単振動について
2週 力学,数学の基礎事項の整理
速度・加速度の表し方,微積分の応用
3週 モデル化と運動方程式の誘導(1)
座標系のとり方,自由度について,運動方程式の各種誘導法
4週 モデル化と運動方程式の誘導(2)
解析力学のはなし,運動・ポテンシャルエネルギー,ラグランジュの運動方程式
5週 運動方程式から何が分かるのか,どう使うのか
線形化、無次元化の考え方,振動数の求め方
6週 1自由度振動モデルの演習(1)
単振動を中心とした運動方程式の誘導
7週 1自由度振動モデルの演習(2)
ラグランジュの運動方程式,強制振動
8週 1自由度振動モデルの演習(3)
ラグランジュの運動方程式,剛体の運動
2ndQ
9週 中間試験
第1週~8週の範囲
10週 復習
中間試験の返却と検討
11週 多自由度振動モデルについて
2自由度モデル,梁や連続体の振動,振動モードの考え方
12週 2自由度振動モデルの演習(1)
支点が運動する振り子の問題,2連振り子など
13週 2自由度振動モデルの演習(2)
2自由度バネ質量系,学生の理解度に合わせて梁など
14週 特徴的な振動問題
パラメータ励振,自励振動,非線形連成問題について
15週 期末試験

16週 まとめ
期末試験問題の返却と復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
振動の種類および調和振動を説明できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000