制御工学3

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学3
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 [教科書]Scilabで学ぶシステム制御の基礎  [参考書]得丸英勝(編著),自動制御,森北出版 ほか
担当教員 中西 大輔

到達目標

(1) ラウス・フルビッツ,ナイキスト等の安定判別法について理解し,説明できる.
(2) 安定余裕,ロバスト性,感度といった制御系の特徴について理解し,説明できる.
(3) 状態方程式ベースの安定性・制御系設計について理解し,説明できる.
(4) 制御系の簡単なシミュレーションが行え,その特徴を把握,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラウス・フルビッツ,ナイキスト等の安定判別法について理解し,正しく説明できる.ラウス・フルビッツ,ナイキスト等の安定判別法について理解し,説明できる.ラウス・フルビッツ,ナイキスト等の安定判別法について理解しておらず,説明することができない.
評価項目2安定余裕,ロバスト性,感度といった制御系の特徴について理解し,正しく説明できる.安定余裕,ロバスト性,感度といった制御系の特徴について理解し,説明できる.安定余裕,ロバスト性,感度といった制御系の特徴について理解しておらず,説明することができない.
評価項目3状態方程式ベースの安定性・制御系設計について理解し,正しく説明できる.状態方程式ベースの安定性・制御系設計について理解し,説明できる.状態方程式ベースの安定性・制御系設計について理解しておらず,説明することができない.
評価項目4制御系の簡単なシミュレーションが行え,その特徴を把握,正しく説明できる.制御系の簡単なシミュレーションが行え,その特徴を把握,説明できる.制御系の簡単なシミュレーションが行え,その特徴を把握しておらず,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々が目にする多くのシステム,例えば機械系,物理系,生理現象等には何らかしらの制御構造があり,安定性が保たれている.安定性とは何か,制御系を設計するうえで考慮すべき重要な事は何か,どのような制御・解析法があるか,などについて考察を行っていく.制御工学1・2では触れられなかった部分の古典制御理論を学習し,その後現代制御理論について触れる.なお,2単位の学習単位科目であることを踏まえて進めていく.教科書「Scilabで学ぶシステム制御の基礎」を参考に,プログラム課題も行ってもらう予定.
授業の進め方・方法:
到達目標(1)~(4)の達成度について
●中間試験(40%)
●期末試験(40%)
●演習課題(20%)
の割合で評価し,60%以上を合格とする.
なお,期末試験の受験要件は原則として「授業回数全体の2/3以上の出席」とする.
再評価試験は原則として「クラス全体の学期末成績が平均70を下回り,不合格者数が10%を超える場合」に実施する.

注意点:
【自学自習】予習・復習   50時間
      定期試験の準備 10時間
本科目は,2単位の学修単位科目であり,1回の講義あたり3時間程度の自学自習をしているものとして講義・演習を進める.
制御工学は簡単に言えば物を上手に動かすための学問であるが,その内容は数学的に複雑であるため,図書館等に赴き,制御工学に関する様々な良書を手にとって解読して欲しい(本によって分かりやすい分かりにくいがある).
問題演習,プログラム課題等はなるべく多く出す予定.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学の概論と復習
制御工学1,2の重要事項を復習する
2週 ダイナミカルシステムの安定性
安定性,ラウス・フルビッツの安定判別法について学ぶ
3週 制御系の感度特性と定常特性
感度関数,制御系の型について学ぶ
4週 制御系の安定性
内部安定性,ナイキストの安定判別法,ゲイン余裕,位相余裕について学ぶ
5週 制御系のロバスト性
不確かさ,相補感度関数について学ぶ
6週 制御系設計1
いくつかの制御系設計法について概説する
7週 制御系設計2
いくつかの制御系設計法について概説する
8週 試験前復習
これまでの内容を復習し,質疑応答を行う
2ndQ
9週 中間試験

10週 現代制御理論とは
現代制御理論の考え方,状態方程式について学ぶ
11週 状態方程式と伝達関数
状態方程式と伝達関数の関係について学ぶ
12週 可制御性,可観測性
システムの構造(制御できるか否か)について学ぶ
13週 状態方程式の解と安定性
解の導出方法,リアプノフ方程式について学ぶ
14週 制御系設計3
状態方程式を用いた設計法について概説する
15週 期末試験

16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3
伝達関数を説明できる。3
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3
制御系の過渡特性について説明できる。3
制御系の定常特性について説明できる。3
制御系の周波数特性について説明できる。3
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。3

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合4040200100
基礎的能力00000
専門的能力4040200100
分野横断的能力00000