水力学I

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水力学I
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「学生のための流体力学入門」(パワー社)参考書:水力学に関する全ての書籍
担当教員 高尾 学

到達目標

(1)「流体の基本的な性質」について理解できる.
(2)「静止流体の力学」についての基礎法則について理解できる.
(3)「流れている流体の力学」についての流れの状態について理解する.
(4)「流れている流体の力学」について基礎法則について理解する.
(5)「流れている流体の力学」について基礎法則を実際に使って問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「流体の基本的な性質」について理解できる「流体の基本的な性質」について理解できる「流体の基本的な性質」について理解できない
評価項目2「静止流体の力学」についての基礎法則について理解できる「静止流体の力学」についての基礎法則について理解できる「静止流体の力学」についての基礎法則について理解できない
評価項目3「流れている流体の力学」についての流れの状態について理解する「流れている流体の力学」についての流れの状態について理解する「流れている流体の力学」についての流れの状態について理解しない
評価項目4「流れている流体の力学」について基礎法則について理解する「流れている流体の力学」について基礎法則について理解する「流れている流体の力学」について基礎法則について理解しない
評価項目5「流れている流体の力学」について基礎法則を実際に使って問題を解くことができる「流れている流体の力学」について基礎法則を実際に使って問題を解くことができる「流れている流体の力学」について基礎法則を実際に使って問題を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人類は,地球上に存在する水や空気のような「流体」を対象として原理や法則を見いだしてきた.そして,その原理や法則を工学的に応用し,ポンプ,風車,送風機,飛行機,ロケットなどとして実際の生活に役立ててきた.これらに関しての基礎事項として,まず,「流体の基本的な性質」および「静止流体の力学」についての基礎・法則を講義する.次に,「流れている流体の力学」についての流れの状態,巨視的観点からの力学法則を講義し演習を行う.本講義は流体に関する入門である.
本科目は,静止流体力学・連続の式・運動量保存の法則およびベルヌーイの定理として広く知られている基礎事項を修得し活用できるレベルとなるように到達目標および評価基準を設定する.
授業の進め方・方法:
定期試験:2回の定期試験により全成績の90%を評価し,中間試験により到達目標(1)~(3)を,期末試験により(4),(5)をそれぞれ評価する.また,課題により全成績の10%を評価する.
合否判定:定期試験の評価により,総合成績が60点以上の受講生を合格とする.
注意点:
本科目は学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり90分以上の予習復習をしているものとして講義・演習を進めます.
再評価試験:期末試験後の再試験期間に中間・期末の全範囲を対象に1回のみ実施し,70点以上の得点で合格(最終成績60点)とする.ただし,定期試験の総合成績により,50点以上60点未満の評価を獲得した者のみ受験できる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の基本概念(流体の定義,基本物理量,単位)
流体の基礎となる特徴や現象,流体の定義,比体積などの基本物理量と単位について講義する.(関連科目:物理)
2週 流体の基本概念(流体の物性-粘性,圧縮性)
流体の粘性(粘性係数,動粘度),せん断応力,圧縮率を講義する.
3週 流体の基本概念(流体の物性-表面張力・毛管現象1)
表面張力,毛管現象,接触角についての基本的な考え方を講義する.
4週 流体の基本概念(流れの分類と諸法則)
完全流体と実在流体,ニュートン流体と非ニュートン流体,定常流と非定常流,層流と乱流,高速流と低速流について講義する.
5週 流体の静力学(圧力と密度についての詳細)
流体で用いる圧力について,単位,工学気圧,標準気圧,換算方法など圧力と密度に関する基礎知識を講義する.
6週 流体の静力学(静止液体の圧力)
パスカルの原理および,液体の深さと圧力の関係を講義する.
7週 流体の静力学(マノメータ)
U字管マノメータ,逆U字管マノメータなどマノメータの原理を講義し,応用例を学ぶ.
8週 中間試験
第1週から第7週までの範囲で試験を行う.
2ndQ
9週 流体の静力学(静水圧)
静止液体中の平面に働く力の原理を講義し,応用例を学ぶ.
10週 流体の静力学(回転・浮力)
容器が回転する場合(円筒座標系)の液体に働く力と自由表面,浮力(アルキメデスの原理)を講義し,応用例を学ぶ.
11週 質量保存(流れの状態,質量流量,体積流量、連続の式)
流れの状態(流量と平均速度,定常流と非定常流,層流と乱流,レイノルズ数,)および連続の式(質量流量と体積流量)を講義する.(関連科目:物理)
12週 エネルギー保存(ベルヌーイの定理)
外部とエネルギーの出入りがない定常流におけるエネルギー保存の法則であるベルヌーイの定理を講義する.
13週 エネルギー保存(オイラーの運動方程式)
微小流管を検査体積としてオイラーの運動方程式を導出すること,および理解することを学ぶ.
14週 運動量保存(運動量保存の法則)
運動量理論に基づく基礎式として,運動用保存の法則を導出かつ理解する.
15週 期末試験
第9週から第14週までの範囲で試験を行う.
16週 期末試験の解答とまとめ
期末試験の解答解説と全て授業を通してのまとめと質問を受ける.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
パスカルの原理を説明できる。3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3
定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000