熱力学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0050 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:工業熱力学 丸茂・木本(コロナ社)
担当教員 門脇 健

到達目標

(1) 熱力学の物理量に関する基本問題が解ける.
(2) 熱力学の第一法則に関する基本問題が解ける.
(3) 完全ガスの性質に関する基本問題が解ける.
(4) 完全ガスの状態変化に関する基本問題が解ける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の物理量に関する基本問題が正しく解ける熱力学の物理量に関する基本問題が解ける熱力学の物理量に関する基本問題が解けない
評価項目2熱力学の第一法則に関する基本問題が正しく解ける熱力学の第一法則に関する基本問題が解ける熱力学の第一法則に関する基本問題が解けない
評価項目3完全ガスの性質に関する基本問題が正しく解ける完全ガスの性質に関する基本問題が解ける完全ガスの性質に関する基本問題が解けない
評価項目4完全ガスの状態変化に関する基本問題が正しく解ける完全ガスの状態変化に関する基本問題が解ける完全ガスの状態変化に関する基本問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学はエネルギーの形態の変化や変換,ならびに熱の授受にともなう物質の状態変化を巨視的な立場から取り扱う学問であり,動力発生装置である原動機や冷凍機をはじめ,各種のエネルギー関連機械の基本となっている.
本講義では系・熱平衡・単位・状態量などの基礎的事項から始めて,熱力学の第一法則,理想気体,ガスサイクルなどについて学ぶ.
本科目は,大学レベルの教科書を用いて熱力学の基本法則を理解し,理想気体の各種の状態変化が計算できるレベルとなるように到達目標および評価基準を設定する.

授業の進め方・方法:
到達目標(1)(2)については中間試験で ,(3)(4)については期末試験で評価する.
「中間試験50%+期末試験50%=100点満点」で評価し,60点以上を合格とする.
再評価試験は,評価が60点未満の者を対象にして行う.ただし,受験資格は2/3以上出席者に限る.
注意点:
自主学習の内訳
・予習・復習  :45時間 (3時間×15回 )
・定期試験準備 :15時間
本科目は学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり90分以上の予習復習をしているものとして講義・演習を進めます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 温度と熱
温度,熱量,比熱と熱容量,顕熱と潜熱
熱力学で用いる基本的な物理量について理解する
2週 圧力と仕事
圧力,絶対仕事
閉じた系における絶対仕事について理解する
3週 圧力と仕事
工業仕事
開いた系における工業仕事について理解する
4週 熱力学の第一法則ならびに内部エネルギーとエンタルピー
ジュールの実験,エネルギー保存則,閉じた系
閉じた系における熱力学の第一法則の式と熱力学の第一基礎式について理解する
5週 熱力学の第一法則ならびに内部エネルギーとエンタルピー
開いた系,定常流動系
開いた系における熱力学の第一法則の式と熱力学の第二基礎式について理解する
6週 完全ガス
状態式,内部エネルギー
完全ガスの状態式と内部エネルギーについて理解する
7週 完全ガスの性質
比熱,熱力学の第一法則の式
完全ガスの比熱と熱力学の第一法則の式について理解する
8週 中間試験
第1回から第7回までの範囲で中間試験を行う.
熱力学の第一法則と完全ガスの性質についての試験を行う
4thQ
9週 完全ガスの状態変化
等温変化
完全ガスの等温変化について理解する
10週 完全ガスの状態変化
等容変化
完全ガスの等容変化について理解する
11週 完全ガスの状態変化
等圧変化
完全ガスの等圧変化について理解する
12週 完全ガスの状態変化
断熱変化,ポリトロープ変化
完全ガスの断熱変化とポリトロープ変化について理解する
13週 熱力学の第二法則とエントロピー
カルノーサイクル
熱力学の第二法則とカルノーサイクルの熱効率について理解する
14週 熱力学の第二法則とエントロピー
エクセルギーとアネルギー
熱力学の第二法則とエクセルギーについて理解する
15週 期末試験
第9回から第14回までの範囲で期末試験を行う.
完全ガスの状態変化と熱力学の第二法則についての試験を行う
16週 まとめ
テスト返却と解答.講義全体のまとめを行う.
テストの解答とまとめを行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3
熱力学の第二法則を説明できる。3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3
サイクルをT-s線図で表現できる。3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00