到達目標
情報工学分野において,パソコンが動作するための基礎となる電気回路の振る舞いを知っておくことは重要である.
また,IoT技術が社会に注目されつつある中,低消費電力のシステムを考えるうえで電気回路の知識はなくてはならないものである.
本講義では,交流回路の基本的な取扱い方について理解し,回路網の解析をさまざまな定理を用いて行う方法について教授する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
交流基礎 | 正弦波,瞬時値,周波数,位相について理解し,平均値,実行値を計算することができる. | 正弦波,瞬時値,周波数,位相,平均値,実行値について理解している. | 正弦波,瞬時値,周波数,位相,平均値,実行値について理解していない. |
回路素子 | 抵抗,インダクタンス,キャパシタンス,インピーダンス,アドミタンスについて理解し,正弦波交流回路の計算に用いることができる. | 抵抗,インダクタンス,キャパシタンス,インピーダンス,アドミタンスについて理解している. | 抵抗,インダクタンス,キャパシタンス,インピーダンス,アドミタンスについて理解していない. |
回路解析 | 瞬時値,フェーザ,複素数表示について理解し,正弦波交流回路の計算に応用できる. | 瞬時値,フェーザ,複素数表示について理解している. | 瞬時値,フェーザ,複素数表示について理解していない. |
交流電力 | 交流電力と力率について説明でき,計算することができる. | 交流電力と力率について説明できる. | 交流電力と力率について説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
交流回路の基礎となる正弦波交流について取り上げ,数学的な取扱い方法から回路の解析方法について講義を行う.
また,ジグソー法を用いたグループ演習を2回行い,学生が自ら学び,自ら教えることにより理解力の向上を図る
授業の進め方・方法:
各到達目標達成度については
試験50点,グループ演習20点,小課題10点,受講態度10点,出席状況10点
の割合で評価を行う.
その際,50点以上を合格とする.
注意点:
予習 テキストの該当ページについて事前に目を通しておく.
授業中 授業中に不明な点があれば,講義中に質問する.また,演習の際にはグループで相談をしながら疑問点を残さないようにする.
復習 課題を期日までに提出する.
※再評価試験はグループ演習,小課題を最終提出期日までに全て提出した上で受講態度が良好と思われる学生からの依頼があれば1度のみ機会を与える.再評価試験については100点満点とし,50点以上を合格とする.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
交流とは?(教科書pp.61-67) |
交流信号とは何か,交流信号の表現方法を理解する.
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2週 |
フェーザ表示法による交流信号の取扱い(教科書pp.75-84) |
交流信号をフェーザ表示法によって表現する方法を修得する.
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3週 |
フェーザ表示法による交流素子の取扱い(教科書pp.84-90) |
交流素子による電圧・電流の振る舞いがフェーザ表示法によってどのように変化するかを理解する.
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4週 |
交流回路素子の直列接続(教科書pp.91-103) |
交流素子の直列回路について理解する.
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5週 |
交流回路素子の並列接続(教科書pp.104-113) |
交流素子の並列回路について理解する.
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6週 |
交流の直並列回路(教科書pp.114-119) |
交流素子の直並列回路について理解する.
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7週 |
グループ課題1(教科書pp.141-145) |
1-6週までの内容理解を深めるため,各題材に応じた課題についてグループで解法を考え,説明できるようになる.
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8週 |
グループ課題1解説 |
7週目で理解した各題材を他者に教えることができる.また,他の題材を教えてもらうことで理解する.
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
第1回から第8回までの試験範囲の中間試験を行う.
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10週 |
テスト返却 後期中間試験まとめ |
テスト返却と後期中間試験のまとめを行う.
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11週 |
テブナンの定理と重ね合わせの理(教科書pp.120-132) |
回路解析を行うときに用いる法則や定理について理解する.
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12週 |
交流電力と交流の表現(教科書pp.67-74,pp.133-140) |
交流信号における電力について理解する.加えて,交流信号の平均値,実効値について理解する.
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13週 |
グループ課題2(教科書pp.145-152) |
1-12週までの内容理解を深めるため,各題材に応じた課題についてグループで解法を考え,説明できるようになる.
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14週 |
グループ課題2解説 |
14週目で理解した各題材を他者に教えることができる.また,他の題材を教えてもらうことで理解する.
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15週 |
期末試験 |
第1回から第14回までの試験範囲の期末試験を行う.
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16週 |
テスト返却と後期のまとめ |
テスト返却.後期のまとめを行う.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 3 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 3 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 3 | |
評価割合
| 定期試験 | グループ演習課題 | 小課題 | 受講態度 | 出席状況 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 20 | 10 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 10 | 10 | 30 |
専門的能力 | 40 | 10 | 10 | 0 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 | 10 |