基礎電磁気学演習

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎電磁気学演習
科目番号 0030 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】
前野昌弘著,「よくわかる電磁気学」,(東京図書)
【参考書】
安達三郎,大貫繁雄共著,「電気磁気学【第2版・新装版】」,(森北出版)
長岡洋介著,「電磁気学 I (物理入門コース3)」,(岩波書店)
長岡洋介著,「電磁気学 II (物理入門コース4)」,(岩波書店)
橋本淳一郎著,「単位が取れる電磁気学ノート」,(講談社)
阿部龍蔵著,「新・演習 電磁気学」,(サイエンス社)
担当教員 中村 伊吹

到達目標

情報工学分野において,回路設計やワイヤレスネットワークなどにおいて電磁気学を基礎とした技術の発展は目覚ましい.
本講義では,工学を学ぶ上で必要と考えられる電磁気学に関する基礎事項を演習を交えて理解することを目標とする.
(1)静電界に関する基本法則を理解している.
(2)導体,誘電体について理解している.
(3)電流と静磁界の関係について理解している.
(4)磁性体について理解している.
(5)電磁波の基本方程式について理解している.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電荷と静電界ガウスの法則,クーロンの法則を説明し,電界や点電荷に働く力を計算することができる.電荷,電界,電位などの静電界に関する基礎事項について説明できている.電荷,電界,電位などの静電界に関する基礎事項について説明できていない.
導体,誘電体平行平板コンデンサの静電容量について直列接続や並列接続した場合も踏まえて計算できる.導体,誘電体,静電エネルギーなどの基礎事項について説明できる.導体,誘電体,静電エネルギーなどの基礎事項について説明できない.
電流と静磁界ビオ・サバールの法則やアンペールの法則を使って磁界を計算できる.ビオ・サバールの法則,アンペールの法則,ローレンツ力について説明できる.ビオ・サバールの法則,アンペールの法則,ローレンツ力について説明できない.
磁性体磁性体,磁束密度,比透磁率,ヒステリシス特性を説明できる.磁性体,磁束密度,比透磁率,ヒステリシス特性を理解している.磁性体,磁束密度,比透磁率,ヒステリシス特性を理解していない.
電磁誘導と電磁界ファラデーの法則,マクスウェル方程式について説明できる.時間に応じて変動する電界と磁界について説明できる.時間に応じて変動する電界と磁界について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電磁気学を学ぶ上で必要な数学について簡単に説明し,これまで学んできた法則を踏まえて電磁気学における近接場の考え方を習得することを目標とする.
また,物理的な見方を養えるように講義を行い,ジグソー法を用いたグループ演習を2回行う.
授業の進め方・方法:
各到達目標達成度については
試験40点 グループ演習30点 小演習20点 受講態度10点
の割合で評価を行う.
その際,60点以上を合格とする.
注意点:
予習 テキストの該当ページについて事前に目を通しておく.
授業中 授業中に不明な点があれば,講義中に質問する.また,演習の際にはグループで相談をしながら疑問点を残さないようにする.
※授業進度によって順番が前後する可能性がある.
復習 課題を期日までに提出する.
※再評価試験はグループ演習,小課題を最終提出期日までに全て提出した上で受講態度が良好と思われる学生からの依頼があれば1度のみ機会を与える.再評価試験については100点満点とし,60点以上を合格とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電荷と電界 電荷とクーロンの法則を理解し、電荷間の力の計算方法を理解する。
また,ガウスの法則を理解し使えるようになる.
2週 電位と導体 電位と導体について理解する.
3週 誘電体と電界のエネルギー 誘電体と電界のエネルギーについて理解する.
4週 電磁気学から見た電気回路 直流電気回路を電磁気学の観点から概観し,理解する.
5週 グループ演習1 1-4週目までに行ってきた電界に関する演習問題を各単元のいずれかを選択し,理解する.
6週 グループ演習1解説 5週で選んだ単元について,他者へ説明することができる.また,別の単元について担当者からの説明を聞いて理解する.
7週 中間試験 1-6週までの内容を確認する.
8週 中間試験解説 7週目の試験内容を解説し,電界についての理解を深める.
4thQ
9週 磁界と磁性体 磁界と磁性体について定義と性質を理解する.
10週 電流と磁界 アンペールの法則,ビオサバールの法則を理解し,計算に使うことができる.
11週 電磁誘導とインダクタンス 時間変化する磁界についての性質を理解する.
12週 交流と電磁界 電磁気学から見た交流回路について概観し,理解する.
電磁気学の基礎方程式であるマクスウェル方程式について理解する.
13週 グループ演習2 9-12週目までに行ってきた電界に関する演習問題を各単元のいずれかを選択し,理解する.
14週 グループ演習2解説 13週で選んだ単元について,他者へ説明することができる.また,別の単元について担当者からの説明を聞いて理解する.
15週 期末試験

1-14週までの内容を確認する.
16週 まとめと復習 15週目の試験内容を解説し,電磁気学についての理解を深める.
また,最新技術についての概要を把握する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3

評価割合

試験グループ課題小課題受講態度合計
総合評価割合40302010100
基礎的能力10010020
専門的能力3020101070
分野横断的能力0100010