到達目標
(1) オペレーティングシステムの定義,役割について理解している
(2) プロセスとそのスケジューリングについて理解し,説明できる.
(3) 並行プロセスの考え方について理解し,説明できる.
(4) メモリ管理・メモリ保護について理解し,説明できる.
(5) ファイルシステムについて理解し,説明できる.
(6) カーネルの仕組みについて理解し,説明できる.
(7) 入出力の方法について理解し,説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
OSに関する理解 | OSに関する基礎的な知識を習得し説明できる.また,これら知識をプログラミング等で活用できる | OSに関する基礎的な知識を習得し説明できる | OSに関する基礎的な知識を習得していない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
オペレーティングシステム(OS)とは,ユーザやアプリケーションにコンピュータを操作するための機能を提供するプログラムの集合体を指します.OSは,コンピュータのハードウェアを操作し人間にとって使いやすいものにすると同時に,コンピュータの資源(リソース)を効率的に利用できるようにします.本講義では,オペレーティングシステムの概要,プロセスの概念,ファイルシステム,セキュリティ,入出力などオペレーティングシステムの基礎知識を,担当教員が企業在職時に培ったソフトウェア開発の経験やその際に得たノウハウを盛り込みながら説明します.入出力の講義では,J4計算機工学の範囲(入出力機構)の説明を行います.
授業の進め方・方法:
到達目標 (1) ~ (4) を中間試験で,(5) ~ (8) を期末試験で評価する(90%).
また理解度確認の課題(レポート)を行う(10%).
(中間得点*1/2+期末得点*1/2)*0.9 + レポート点10点満点の合計(但し,小数点以下切り上げ)が60点以上(100点満点)を合格とする.
注意点:
・「全てのレポートを期日までに提出した者」のみ,定期テストの点数の平均が100点満点換算で36点以上の場合に再試験を行う
・ 学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり180分程度の予習・復習をしているものとして講義・演習を進める(理解度確認のレポートの実施・提出がこれに相当する)
・教科書は指定しないが,必要に応じて以下のいずれかの参考書を勧める.講義内では説明が足りない部分の補完にも最適である
(参考書) 野口 健一郎ら:IT Text オペレーティングシステム(改定2版),共立出版 (2018)
(参考書) 菱田 隆彰ら:オペレーティングシステム (未来へつなぐ デジタルシリーズ 25),共立出版 (2014)
# 書籍の購入は自分の未来への投資と考えてほしい.良い本を持つことは自分を助ける
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オペレーティングシステム序論1 オペレーティングシステムの役割とユーザインタフェースについて講義する。
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(1) オペレーティングシステムの定義,役割について理解している
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2週 |
オペレーティングシステム序論2 オペレーティングシステムの役割とユーザインタフェースについて講義する。
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(1) オペレーティングシステムの定義,役割について理解している
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3週 |
プロセスとその管理1 プロセスとは何か,プロセスの生成・終了。
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(2) プロセスとそのスケジューリングについて理解し,説明できる.
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4週 |
プロセスとその管理2 プロセスのスケジューリングとスケジューリングアルゴリズムについて講義する。
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(2) プロセスとそのスケジューリングについて理解し,説明できる.
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5週 |
プロセスとその管理3 プロセスのスケジューリングとスケジューリングアルゴリズムについて講義する。
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(2) プロセスとそのスケジューリングについて理解し,説明できる.
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6週 |
多重プロセス1 並行プロセスの同期・排他制御とプロセス間通信について講義する。
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(3) 並行プロセスの考え方について理解し,説明できる.
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7週 |
多重プロセス2 並行プロセスの同期・排他制御とプロセス間通信について講義する。
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(3) 並行プロセスの考え方について理解し,説明できる.
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8週 |
メモリの管理・メモリ保護 実メモリの管理方式である仮想記憶方式の発展について講義する。
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(4) メモリ管理・メモリ保護について理解し,説明できる.
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4thQ |
9週 |
中間試験 1-8回までの内容を確認する。
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10週 |
カーネル カーネルの仕組みについて講義する。
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(5) カーネルの仕組みについて理解し,説明できる.
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11週 |
ファイルの管理 ファイルの操作とファイルシステムの内部構造について講義する。
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(6) ファイルシステムについて理解し,説明できる.
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12週 |
入出力1 入出力の手順・割り込みについて講義する。 |
(5) カーネルの仕組みについて理解し,説明できる. (7) 入出力の方法について理解し,説明できる.
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13週 |
入出力2 入出力装置の制御方法について講義する。 |
(5) カーネルの仕組みについて理解し,説明できる. (7) 入出力の方法について理解し,説明できる.
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14週 |
入出力3 入出力装置の制御方法について講義する。 |
(5) カーネルの仕組みについて理解し,説明できる. (7) 入出力の方法について理解し,説明できる.
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15週 |
期末試験 8-14回までの内容を確認する
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16週 |
まとめ 試験の解答とまとめ
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 3 | |
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。 | 3 | |
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。 | 3 | |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 3 | |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 3 | |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 3 | |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 3 | |
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 90 | 10 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |