到達目標
(1)コンピュータネットワークの概要を理解している
(2)コンピュータネットワークの基礎知識を理解している
(3)TCP/IPの基礎を理解している
(4)セキュリティ確保に必要な暗号の基本について理解している
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
ネットワークの理解 | パケット交換の利点、それによるヘッダの必要性などを理解している。 | 回線交換とパケット交換の違いを理解している。 | 電話とネットワークの違いが理解されていない。 |
TCP/IPの理解 | 各レイヤーを理解し、特にCIDRによるIPを理解している。 | 4階層モデルを理解し、それぞれの階層の役割を理解している。 | 階層を理解しておらず、IPを理解していない。 |
暗号の理解 | 暗号化と電子署名の違いを理解し、利用できる。 | 共通鍵暗号と公開鍵暗号の違いを理解し、公開鍵暗号を利用できる。 | 共通鍵暗号と公開鍵暗号の違いが理解できず、適切に暗号化ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
近年、情報系技術者にとって、インターネットは必須知識となりつつある。
本科目の目標は、インターネットに代表される情報ネットワークの仕組みについて理解することにある。インターネットの仕組みを理解するためには、その通信方式を規定しているTCP/IPプロトコルを学ぶことが重要である。そこで、本科目では主としてTCP/IPプロトコルの基礎技術について解説を行う。
最終的には、本科目で情報ネットワークとTCP/IPプロトコルの基礎技術を修得することを目標とする。とくに情報ネットワークでは、ネットワークおよびTCP/IP、セキュリティに必要な暗号などについての基礎知識を対象とする。
なお、本科目は,情報処理学会が策定したIPSJ-SE推奨カリキュラムの「デジタル通信とコンピュータネットワークおよび演習」中の主要な内容に対応する(このカリキュラムはIEEE/ACM-CCSEカリキュラム:network communication basicにも対応)。
授業の進め方・方法:
到達目標(1)~(4)の到達度を,
・授業課題 100%
の割合で評価し、これらの合計を本科目の総合評価とする。総合評価が100点満点中60点以上であることを合格の条件とする。
注意点:
【自学自習】予習・復習 30時間
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
仮想PC、パケットダンプ、Unixについて 仮想PCについて説明し、導入するUnixやパケットダンプの方法について解説する。
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仮想PCを理解し、実習用にUnixを導入する。
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2週 |
通信とTCP/IP インターネットの歴史、ネットワーク、パケット交換方式について説明し、演習を行う。
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回線交換・パケット交換の違いを理解する。
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3週 |
TCP/IPの階層とOSI階層モデル、物理層 TCP/IP及びOSIの階層モデルについて学習し、そのうちで特に物理層について学習する。
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階層モデルの必然性を理解し、物理層を理解する。
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4週 |
データリンク層 データリンク層についてより詳しく学び、CSMA/CD, ARPについて学習を行う。
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セグメント内での通信について理解する。
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5週 |
ネットワーク層 セグメント間通信の実際を見た上で、IPアドレスの基本構造について学習する。
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セグメントを越えた通信としてIPアドレスを理解する。
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6週 |
トランスポート層 サーバ・クライアントモデルを理解し、アプリケーション間通信の概要について学習する。
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アプリケーション間通信の方法について理解する。
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7週 |
IPアドレスの構造1 クラスフルなIPアドレスについて学ぶ。
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クラスA,B,C,D,Eを理解し、特にA,B,C の違いを2進法に基づいて理解する。
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8週 |
IPアドレスの構造2 クラスレスなIPアドレスについて学ぶ。
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CIDRを理解し、計算を行ってみる。
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2ndQ |
9週 |
ネットワークのトポロジー ネットワークの構成要素について学び、ネットワークの構成方法、手法について学ぶ。
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リピータ、スイッチ、ルータによるネットワークトポロジーを理解する。
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10週 |
ICMP ICMP(Internet Control Message Protocol)の役割について学ぶ。
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ICMPの役割を理解する。
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11週 |
TCP,UDP I アプリケーション間通信について、特にTCPの詳細について学ぶ。
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TCPのコネクション志向を理解する。
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12週 |
TCP,UDP II 11回に引き続き、TCPについて学び、同時にUDPについても学ぶ。
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TCPのハンドシェーク、オプションを理解し、UDPとの違いを理解する。
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13週 |
アプリケーション層のプロトコル アプリケーション層のさまざまなプロトコル(DNS,SSH,NTP,DHCP,HTTP,etc.)について学ぶ。
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様々なプロトコルについて理解し、telnet やSSHを動かしてみる。特に、SSHによるセキュアな暗号化通信の重要性を理解する。
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14週 |
認証と暗号 認証と暗号についての基本的な理解を得、セキュリティについて理解する。
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現代のセキュリティにおいて重要な共通鍵暗号と公開鍵暗号を理解し、GnuPGを利用し、暗号化・署名を実際に行ってみる。
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15週 |
期末試験 期末試験を行う.
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16週 |
まとめと演習 これまでのまとめをを行う。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 3 | |
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。 | 3 | |
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。 | 3 | |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 3 | |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 3 | |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 3 | |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 3 | |
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 50 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |