ネットワークシステムⅠ

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ネットワークシステムⅠ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:自作プリント参考書:竹下他著,マスタリングTCP/IP入門編第3版(あるいは第4版),オーム社
担当教員 金山 典世

到達目標

(1)コンピュータネットワークの概要を理解している
(2)コンピュータネットワークの基礎知識を理解している
(3)TCP/IP(v4)の基礎を理解している
(4)セキュリティ確保に必要な暗号の基本について理解している

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ネットワークの理解パケット交換の利点、それによるヘッダの必要性などを理解している。回線交換とパケット交換の違いを理解している。電話とネットワークの違いが理解されていない。
TCP/IPの理解各レイヤーを理解し、特にCIDRによるIPを理解している。4階層モデルを理解し、それぞれの階層の役割を理解している。階層を理解しておらず、IPv4を理解していない。
暗号の理解暗号化と電子署名の違いを理解し、利用できる。共通鍵暗号と公開鍵暗号の違いを理解し、公開鍵暗号を利用できる。共通鍵暗号と公開鍵暗号の違いが理解できず、適切に暗号化ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近年、情報系技術者にとって、インターネットは必須知識となりつつある。
本科目の目標は、インターネットに代表される情報ネットワークの仕組みについて理解することにある。インターネットの仕組みを理解するためには、その通信方式を規定しているTCP/IPプロトコル(v4)を学ぶことが重要である。そこで、本科目では主としてTCP/IPプロトコルのバージョン4の基礎技術について解説を行う。
最終的には、本科目で情報ネットワークとTCP/IPプロトコルの基礎技術を修得することを目標とする。とくに、ネットワークおよびTCP/IP(v4)、セキュリティに必要な暗号などについての基礎知識を対象とする。
なお、本科目は,情報処理学会が策定したIPSJ-SE推奨カリキュラムの「デジタル通信とコンピュータネットワークおよび演習」中の主要な内容に対応する(このカリキュラムはIEEE/ACM-CCSEカリキュラム:network communication basicにも対応)。
授業の進め方・方法:
到達目標(1)~(4)の到達度を,
・試験    60%
・授業課題  40%
の割合で評価し、これらの合計を本科目の総合評価とする。総合評価が100点満点中60点以上であることを合格の条件とする。
注意点:
特段の理由のない限り追試験は実施しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 仮想PC、パケットダンプ、Unixについて
仮想PCについて説明し、導入するUnixやパケットダンプの方法について解説する。
仮想PCを理解し、実習用にUnixを導入する。
2週 通信とTCP/IP
インターネットの歴史、ネットワーク、パケット交換方式について説明し、演習を行う。
回線交換・パケット交換の違いを理解する。
3週 TCP/IPの階層とOSI階層モデル、物理層
TCP/IP及びOSIの階層モデルについて学習し、そのうちで特に物理層について学習する。
階層モデルの必然性を理解し、物理層を理解する。
4週 データリンク層
データリンク層についてより詳しく学び、CSMA/CD, ARPについて学習を行う。
セグメント内での通信について理解する。
5週 ネットワーク層
セグメント間通信の実際を見た上で、IPアドレスの基本構造について学習する。
セグメントを越えた通信としてIPアドレスを理解する。
6週 トランスポート層
サーバ・クライアントモデルを理解し、アプリケーション間通信の概要について学習する。
アプリケーション間通信の方法について理解する。
7週 IPアドレスの構造1
クラスフルなIPアドレスについて学ぶ。
クラスA,B,C,D,Eを理解し、特にA,B,C の違いを2進法に基づいて理解する。
8週 IPアドレスの構造2
クラスレスなIPアドレスについて学ぶ。
CIDRを理解し、計算を行ってみる。
2ndQ
9週 ネットワークのトポロジー
ネットワークの構成要素について学び、ネットワークの構成方法、手法について学ぶ。
リピータ、スイッチ、ルータによるネットワークトポロジーを理解する。
10週 ICMP
ICMP(Internet Control Message Protocol)の役割について学ぶ。
ICMPの役割を理解する。
11週 TCP,UDP I
アプリケーション間通信について、特にTCPの詳細について学ぶ。
TCPのコネクション志向を理解する。
12週 TCP,UDP II
11回に引き続き、TCPについて学び、同時にUDPについても学ぶ。
TCPのハンドシェーク、オプションを理解し、UDPとの違いを理解する。
13週 アプリケーション層のプロトコル
アプリケーション層のさまざまなプロトコル(DNS,SSH,NTP,DHCP,HTTP,etc.)について学ぶ。
様々なプロトコルについて理解し、telnet やSSHを動かしてみる。特に、SSHによるセキュアな暗号化通信の重要性を理解する。
14週 認証と暗号
認証と暗号についての基本的な理解を得、セキュリティについて理解する。
現代のセキュリティにおいて重要な共通鍵暗号と公開鍵暗号を理解し、GnuPGを利用し、暗号化・署名を実際に行ってみる。
15週 期末試験
期末試験を行う.
16週 まとめと演習
これまでのまとめをを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題合計
総合評価割合600000040100
基礎的能力25000001540
専門的能力25000001540
分野横断的能力10000001020