ネットワーク管理2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ネットワーク管理2
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:自作プリント
担当教員 金山 典世,岩澤 全規

到達目標

TCP/IP(v4)の基礎について理解している。
ファイヤーウォールについて理解している。
RIPについて理解している。
OSPFについて理解している。
BGPについて理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ファイヤーウォール危険な通信の遮断、必要のないICMPの遮断などを理解して、ファイヤーウォールルールを設定し、確認できる。ウェブ、メイル、DNSなど必要なサービスを通過、遮断をするファイヤーウォールルールを設定・確認できる。ファイヤーウォールルールを設定・確認できない。
RIPRIPを良く理解し、RIPのトラブルに対処できる。RIPを設定し、動作を確認できる。RIPを設定・確認ができない。
OSPFOSPFを良く理解し、OSPFのトラブルに対処できる。OSPFを設定し、動作を確認できる。OSPFを設定・確認ができない。
BGPBGPを良く理解し、BGPのトラブルに対処できる。BGPを設定し、動作を確認できる。BGPを設定し、動作を確認できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 J3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目の目標は、「ネットワーク管理1」に引き続き、インターネットに代表される情報ネットワークの仕組みについて実践的に理解することにある。本科目では、TCP/IP(v4)プロトコルの理解に基づき、より実際的なネットワーク管理を通じて、インターネット技術の理解を目指す。特に、セキュリティにおいて重要なファイヤーウォールなどの動作の基本的な理解と、動的ルーティングの動作の理解を通じて、より実践的な理解を目指す。
なお,本科目は,情報処理学会が策定したIPSJ-SE推奨カリキュラムの「デジタル通信とコンピュータネットワークおよび演習」中の主要な内容に対応する(このカリキュラムはIEEE/ACM-CCSEカリキュラム:network communication basicにも対応).
授業の進め方・方法:
到達目標(1)~(5)の到達度を,約20本程度の課題で評価し、これをもって本科目の総合評価とする。総合評価が100点満点中60点以上であることを合格の条件とする。
注意点:
「ネットワークシステム1」の内容について理解していること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 複雑なネットワーク構成
冗長性の高いネットワークを実際に構築し、導通を確認する。
複数のインターフェースを設定・接続し、それぞれの通信を確認できる。
2週 セキュリティとパケット
IP的に危険なパケットについてセキュリティの観点から学ぶ。
パケットフィルタリングにおける基礎を理解できる。
3週 ファイヤーウォール I
パケットフィルタリング型ファイヤーウォールの原理について学ぶ。
基礎的なファイヤーウォールルールを記述できる。
4週 ファイヤーウォール II
実際に、ファイヤーウォールを構築し、動作を確認する。
具体的な通信に対して、ファイヤーウォールルールを記述できる。
5週 静的ルーティング
複雑なトポロジーを持つネットワークで静的ルーティングを用いて、設定する。
複数のインターフェースを持つノードにおいて、静的経路制御を設定し、確認ができる。
6週 動的ルーティング
動的ルーティングの基本について学ぶ。
動的ルーティングの基礎を理解する。
7週 RIP I
距離ベクトル型を理解した上で、QuaggaのRIPの設定を行い、動作の確認を行う。
RIPの基礎を理解し、動作を確認できる。
8週 RIP II
隣接からのRIPメッセージの確認を行い、障害時の動的ルーティングを観察する。
複雑なネットワークにおいて、RIPを設定し、動作を確認できる。
4thQ
9週 OSPF I
リンク状態型アルゴリズムを理解する。
OSPFの基礎を理解し、動作を確認できる。
10週 OSPF II
Quagga の OSPF で設定し、動作の確認を行う。
複雑なネットワークにおいて、OSPFを設定し、動作を確認できる。
11週 OSPF III
OSPFによる障害時のルーティングを観察し、動作を確認する。
障害を再現し、OSPFによる迂回ルーティングの動作を確認できる。
12週 BGP I
インターネットを支えるAS間ルーティングの概略を理解する。
BGPの基礎を理解する。
13週 BGP II
BGPメッセージを理解し、BGPを実際に設定を行う。
BGPを設定し、ピアとの接続を確認できる。
14週 BGP III
BGPにおけるパス集合と、実際の経路との関係について理解を深める。
ASのポリシーを反映したBGP設定を行い、障害時の動作についてパスと経路から確認できる。
15週 まとめと復習
動的ルーティングについてまとめをし、これまでの課題について確認をする。
これまでの課題を確認し、BGPとOSPFの同時利用などを設定し、動作確認ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。3
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3
インターネットの概念を説明できる。3
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3
主要なサーバの構築方法を説明できる。3
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題合計
総合評価割合000000100100
基礎的能力0000004040
専門的能力0000004040
分野横断的能力0000002020