次世代ネットワーク技術

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 次世代ネットワーク技術
科目番号 0054 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:自作プリント
担当教員 金山 典世

到達目標

IPv6アドレス構造について理解している。
IPv6アドレスの取得・更新過程などを理解している。
ICMPv6の役割について理解している。
IPv6アドレスとDNSの関係について理解している。
WWWサービスとIPv6アドレスの関係について理解している。
IPv6の機能がセキュリティ確保にどのように役立っているかを理解している。
セキュリティに必要な暗号化通信の一つであるIPsecについて理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
IPv6アドレス構造IPv6アドレスのフィールドやオプションを良く理解している。IPv6アドレスのフィールドやオプションを大まかに理解している。IPv6アドレスのフィールドやオプションを理解出来ていない。
IPv6アドレスの自動設定IPv6アドレスの自動構成・衝突検出などを良く理解している、IPv6アドレスの自動構成・衝突検出などを概ね理解している。IPv6アドレスの自動構成・衝突検出などを理解出来ていない。
ICMPv6ICMPv6で新しくなった機能や廃止された機能を良く理解していると同時に、MLDv1,v2 の違いなどを良く理解している。ICMPv6で新しくなった機能や廃止された機能を理解している。ICMPv6の役割を理解して出来ていない。
IPv6アドレスとDNSDNSにおけるIPv6の設定を良く理解し、更に逆引きについて良く理解している。DNSにおけるIPv6の設定を良く理解し、更に逆引きについて概ね理解している。DNSにおけるIPv6の設定が理解出来ていない。
IPv6アドレスとWWWWWWをIPv6で動作させるに当たっての手法について良く理解してる。WWWをIPv6で動作させるに当たっての手法について概ね理解してる。WWWをIPv6で動作させるに当たっての手法について理解出来ていない。
IPsecIPsecにおけるトンネルモードとトランスポートモードの違いを理解し、IKEを用いたIPsecを良く理解している。IPsecにおけるトンネルモードとトランスポートモードの違いを理解し、IKEを用いたIPsecを概ね理解している。IPsecにおけるトンネルモードとトランスポートモードの違いを理解し、IKEを用いたIPsecが理解出来ていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目の目標は、「情報ネットワーク」、「ネットワーク管理1,2」でIPv4について学習したことを踏まえ、次世代のインターネットのプロトコルであるIPv6の基礎的な理解を得ることにある。本科目では、既に多くのOSやネットワークで実用的に稼動しつつあるIPv6について、実践的に理解することを目指す。その中で、IPv6のセキュリティ、IPv6のアドレス構造や、DNS、その他のインターネットサービスにおけるIPv6への対応を理解する。
なお,本科目は,情報処理学会が策定したIPSJ-SE推奨カリキュラムの「デジタル通信とコンピュータネットワークおよび演習」中の主要な内容に対応する(このカリキュラムはIEEE/ACM-CCSEカリキュラム:network communication basicにも対応).
授業の進め方・方法:
到達目標(1)~(5)の到達度を,約15本程度の課題で評価し、これをもって本科目の総合評価とする。総合評価が100点満点中60点以上であることを合格の条件とする。
注意点:
「情報ネットワーク」「ネットワーク管理1,2」の内容について理解していること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 IPv6の歴史
IPv6の歴史から必然性を知ると同時に、演習環境の構築などを行う。
IPv6の歴史と必然性を理解する。併せて実習の仮想環境を自分で構築する。
2週 IPv6アドレスの表記方法
IPv6アドレスの表記方法、略記方法、プレフィックス、ポート番号などについて学ぶ。
IPv6アドレスの表記などについて学び、演習を行う。
3週 IPv6アドレス構造とグローバルアドレス
IPv6アドレス構造について学び、集約可能なグローバルアドレスについて学ぶ。
集約可能ユニキャストアドレスの構造について理解する。
4週 IPv6アドレス構造と様々な種類のアドレス
リンクローカル・エニーキャスト・マルチキャストアドレスなどについて学ぶ。
リンクローカルアドレス、エニ―キャストアドレス、マルチキャストアドレスについて理解する。
5週 IPv6アドレスの自動構成I
IPv6アドレスの衝突検出について学ぶ。
IPv6におけるDADについて理解する。
6週 IPv6アドレスの自動構成II
IPv6アドレスのグローバルアドレス構成方法について学ぶ。
インターフェースアドレスの構成方法についてい理解する。
7週 IPv6アドレスとICMPv6
IPv6で新たに加わった機能及び従来からある機能の変更点などを学ぶ。
ICMPv6について理解する。
8週 IPv6アドレスの実際I
IPv6アドレスの自動構成を実際に行い、DAD, RS, RAの動作などを確認する。
DADを実際に動かし、衝突時の動作を実験を行う。
4thQ
9週 IPv6とDNS I
IPv6とDNSの関係を理解し、表引きの設定を行う。
DNSにおけるIPv6を理解し、正引きDNSを構成する。
10週 IPv6とDNS II
IPv6アドレスにおける逆引きの構造を理解し、実際の動作を確認する。
逆引きIPv6アドレスをDNSに登録し、動作を確認する。
11週 IPv6とWWW
実際にIPv6でWWWサービスを動作させ、IPv4との違いを理解する。
IPv6対応apacheを動作させ、IPv4とIPv6で異なる動作のサーバを構築する。
12週 IPv6とDNS III
IPv6アドレスにおける逆引きの構造を理解し、実際の動作を確認する。
これらの総合して、DNSを構成し、IPv6上でのapacheの動作を確認する。
13週 IPSec I
IPv6で標準となったIPsec を理解し、設定を行う。
IPsecを理解し、IKEを使わない接続について、SPD,SADを設定して、接続実験を行う。
14週 IPSec II
IKEを用いた、IPsec を理解し、実際に動作を確認する。
IKEを用いたIPsec接続を、racoon を用い、事前共有鍵、および電子証明書を用いた接続実験を行う。
15週 まとめと復習
これまでのまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。3
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3
インターネットの概念を説明できる。3
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3
主要なサーバの構築方法を説明できる。3
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3
無線通信の仕組みと規格について説明できる。3
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。3
基本的なルーティング技術について説明できる。3
基本的なフィルタリング技術について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題合計
総合評価割合000000100100
基礎的能力0000004040
専門的能力0000004040
分野横断的能力0000002020