環境・建設工学実験2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 環境・建設工学実験2
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境・建設工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:土質試験 基本と手引き[第3回改訂版](地盤工学会),水理実験解説書(土木学会),環境・建設工学実験2・3実験指導書.参考書:土質試験の方法と解説 [第3回改訂版](地盤工学会)
担当教員 武邊 勝道,広瀬 望,山口 剛士,堀田 崇由

到達目標

(1)土質実験:土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。(3-1,3-2)
(2)水理学実験:水圧,流速,流量の基本的計測方法を知り,流れの様々な分類とその基本的特性について理解し,説明できる。(3-1,3-2)
(3)環境工学実験:水質分析,細菌量の手法の基礎を理解し,説明できる。(3-1,3-2)
(4)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
(5)実験結果の解釈や利用の方法(考察の行い方)を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土質実験では,土質分析に関する理論や分析方法を,実験を通じて正しく理解し、説明できる。土質実験では,土質分析に関する理論や分析方法を,,実験を通じて理解し、説明できる。土質実験では,土質分析に関する理論や分析方法を,実験を通じて理解し、説明できない。
評価項目2環境工学実験では環境分析に関する理論や分析方法を,実験を通じて正しく理解し、説明できる。環境工学実験では環境分析に関する理論や分析方法を,実験を通じて理解し、説明できる。環境工学実験では環境分析に関する理論や分析方法を,実験を通じて理解し、説明できない。
評価項目3水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,正しく理解し、説明できる。水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,理解し、説明できる。水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,理解し、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・土質実験,水理実験,環境工学実験により構成される。
・土質実験では,地盤や材料として用いる土の工学的性質を調べ方を学ぶ目的で,原位置で採取した土試料を室内で調べる。物理試験:含水比試験,土粒子の密度試験,粒度試験,液性限界・塑性限界試験
・水理実験では自然界における水理学的現象を,模型を使って再現し,実験結果と理論を比較することにより,より深い理解をうながす。
・環境工学実験では,水質の分析,微生物計測を通じて環境工学の理解と水処理・環境工学の解析方法を理解する。
・自らの手で実験器具を使用して現象を再現し,計測し,まとめる技術者の育成が求められており,本授業はこのような社会の要求に合致した内容と水準である.
授業の進め方・方法:
・原則として全てのレポートの提出をもって合格の必要条件とする.
・レポートの評価項目:未完成のレポートは再提出を要求し,提出期限に遅れたものは減点する。基本的な評価基準は以下に定めるが,実験項目毎に到達目標に従って項目を設定し評価を行う.
レポート(100%)で評価を行う.内訳は,土質実験43%,水理学実験21%,環境工学実験 36%(内:水質実験3/5,微生物実験2/5)とする.満点の60%以上を合格とする.
注意点:
実験の目的および方法について理解するためには,まず予習が必要です。データシート記入法も含め,実験方法を体得しましょう。
電卓持参のこと。レポートは採点後,修正を求めて返却した場合も,必ず再度提出してもらいます。
土は直ぐ近くの場所でも工学的性質が異なるため,土質試験は実社会でもしばしば行われます。また,土質試験はJIS規格,地盤工学会規格等で詳細に決められており,実社会でも同じ実験器具・装置を使用します。結果の整理を行うデータシートも規格で定められています。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①実験内容のガイダンス及び安全教育
②建設分野における情報セキュリティ教育
実験を行う上での注意事項を理解する.
2週 H1:直角三角堰の検定(1) 直角三角堰の検定を理解できる.
3週 H1:直角三角堰の検定(2) 直角三角堰の検定方法を理解し,計測できる.
4週 H7:数値解析実験(層流・乱流),ベルヌーイについて 層流・乱流を理解し,説明できる.ベルヌーイの法則について理解する.
5週 S1:pH4.8アルカリ度 pH4.8の意味を理解し,分析方法を習得する.
6週 S4:濁度の測定と凝集沈殿濁度除去(1) 濁度の測定と凝集沈殿濁度除去のの方法について理解する.
7週 S4:濁度の測定と凝集沈殿濁度除去(2) 濁度の測定と凝集沈殿濁度除去のの方法について理解する.
8週 B1:細菌数の計測と消毒実験1 細菌の平板培養法を習得し,次亜塩素酸ソーダによる消毒効果について理解する
2ndQ
9週 B1:細菌数の計測と消毒実験2 細菌の平板培養法を習得し,次亜塩素酸ソーダによる消毒効果について理解する
10週 試料土調整,土の透水試験 土質試験の概要を理解する.
(1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
11週 土の粒度試験1 沈降分析 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
12週 土の粒度試験2 ふるい分析 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
13週 土の液性限界試験 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
14週 土の塑性限界試験,土粒子の密度試験 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
15週 データ整理およびレポート作成(1) 土の物理的性質,分類 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
16週 レポート確認を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。3
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。3
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。3
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。3
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。3
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。3
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00