衛生環境工学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 衛生環境工学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境・建設工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:改訂 上下水道 コロナ社,参考書:大学土木 水環境工学 オーム社参考書:上水道工学 森北出版株式会社,初学者の建築講座 建築設備 大塚雅之
担当教員 武邊 勝道

到達目標

(1)水質の表現方法とその意味を理解する。
(2)上水道設備に関する基本的な事項を説明できる。
(3)下水道設備に関する基本的な事項を説明できる。
(4)汚水処理方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水質の表現方法とその意味を正しく理解できる.水質の表現方法とその意味を理解できる.水質の表現方法とその意味を理解できない.
評価項目2汚水処理方法について正しく説明できる.汚水処理方法について説明できる.汚水処理方法について説明できない.
評価項目3上下水道設備に関する基本的な事項を正しく説明できる.上下水道設備に関する基本的な事項を説明できる.上下水道設備に関する基本的な事項を説明できない.
評価項目4環境工学の背景について基本的な事項を正しく説明できる.環境工学の背景について基本的な事項を説明できる.環境工学の背景について基本的な事項を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
衛生環境工学は,私たちの健康を守り,よりよい生活条件を整えるために具体的方策を講じていく学問で,その対象とする分野は多岐にわたる.この授業では,水質環境を含めた環境工学に関する知識を習得するとともに,上水道及び下水道に関する基礎的な知識,理論の習得を図る。なお,環境・工学実験3とでは本授業での学習内容を習得しておく必要がある.
本科目では「水質評価項目の測定方法とその意味が理解でき」,「環境工学の背景を理解でき」「上水道・下水道施設概略について説明でき」,さらに,「汚水の浄化方法について説明できる」ことを到達目標および評価基準として設定する。この到達目標は,上水道及び下水道を計画,設計,維持管理する上での基礎である.
授業の進め方・方法:
上水道・下水道のしくみを理解するうえで欠かせない水質について考えるためには,化学の知識が不可欠です。低学年での化学を習得しておいてください。授業では,ノートをしっかり取ることを心がけて下さい.また,計算問題についての復習を怠ると,確認試験で点が取れなくなりますので,重点的に復習して下さい.また,教科書をしっかり読み込み,内容を深く理解してください.
本講義は大学の3,4年生に相当するレベルの講義となる.
到達目標(1), (2),(3), (4)について,毎回行う確認試験(課題試験)によって評点を決定する.60点以上を合格とする.
注意点:
再評価試験及び追認試験の実施【有】(実施条件:授業に真摯に取り組んだ者)
学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり180分以上の予習・復習をしているものとして講義・演習を進めます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水質分析の基礎:濃度の表し方,
上水道の目的・構成

濃度の表し方について説明できる.
上水道の目的・構成
2週 標準物質と評定.上水道水質基準・上水道計画
標準物質と評定について説明できる.
上水道基準・上水道計画について説明できる.

3週 水質の指標(pH),上水道の水源,取水,導水,送水 pHが計算できる.
上水道の水源,取水,導水,送水を説明できる
4週 弱酸塩を含む水溶液のpHの推定方法.上水の浄水システム 弱酸塩を含む水溶液のpHのを計算できる.
上水の浄水システムを説明できる.
5週 薬品凝集沈殿・濾過,pH4.8アルカリ度,水中の炭酸量の推定方法
薬品凝集沈殿・濾過,pH4.8アルカリ度を説明できる.
6週 膜濾過,消毒,BODとCOD 上下水道における膜濾過,消毒について説明できる.
BODとCODを説明できる.
7週 高度浄水処理,河川の自浄作用(ストリータ・フェルペスの式) 高度浄水処理について説明できる.
河川の自浄作用について説明できる.
8週 浄水の配水,給水.放射性物質と汚染
浄水の配水,給水について説明できる.
放射性物質の危険性と汚染について説明できる.
2ndQ
9週 下水道の目的,定義,種類.下水道基本計画,環境基本法 下水道の目的,定義,種類を説明できる.
環境基本法を説明できる.
10週 下水排除施設,大気汚染防止法,水質汚濁防止法 下水排除施設について説明できる.
大気汚染防止法,水質汚濁防止法について説明できる.
11週 ポンプ施設,雨水流出量,環境リスクの考え方 ポンプ施設,雨水流出量について説明できる.
環境リスクについて説明できる.
12週 下水の水質,廃棄物処理の方法,汚染物質の移動(移流と拡散) 下水の水質,廃棄物処理の方法について説明できる.
移流と拡散について説明できる.
13週 活性汚泥法,物質収支と,回分式処理と連続式処理 活性汚泥法について説明できる.
回分式処理と連続式処理について説明できる.
14週 高度処理,連続式反応器による処理方法 高度処理を説明できる.
連続式反応器による処理方法を説明できる.
15週 汚泥の処理,化学平衡と重金属の除去方法
汚泥の処理について説明できる.
重金属の除去方法について説明できる.
16週 試験の返却および問題の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境と人の健康との関わりを説明できる。2
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。2
水の物性、水の循環を説明できる。3
水質指標を説明できる。3
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。3
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。2
水道の役割、種類を説明できる。4
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。3
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。4
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。3
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。4
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。4
汚泥処理・処分について、説明できる。4

評価割合

確認試験期末試験合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000