衛生環境工学

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 衛生環境工学
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境・建設工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:改訂 上下水道 コロナ社,参考書:大学土木 水環境工学 オーム社参考書:上水道工学 森北出版株式会社,初学者の建築講座 建築設備 大塚雅之
担当教員 武邊 勝道,荒尾 慎司

到達目標

(1)水質の表現方法とその意味を理解する。
(2)上水道設備に関する基本的な事項を説明できる。
(3)下水道設備に関する基本的な事項を説明できる。
(4)汚水処理方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水質の表現方法とその意味を正しく理解できる.水質の表現方法とその意味を理解できる.水質の表現方法とその意味を理解できない.
評価項目2汚水処理方法について正しく説明できる.汚水処理方法について説明できる.汚水処理方法について説明できない.
評価項目3上水道設備に関する基本的な事項を正しく説明できる.上水道設備に関する基本的な事項を説明できる.上水道設備に関する基本的な事項を説明できない.
評価項目4下水道設備に関する基本的な事項を正しく説明できる.下水道設備に関する基本的な事項を説明できる.下水道設備に関する基本的な事項を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
衛生工学は,私たちの健康を守り,よりよい生活条件を整えるために具体的方策を講じていく学問で,その対象とする分野は多岐にわたる.この授業では,水質環境の表し方に関する知識を習得するとともに,上水道及び下水道に関する基礎的な知識,理論の習得を図る。なお,環境・工学実験3と4では本授業での学習内容を習得しておく必要がある.
本科目では「水質評価項目の測定方法とその意味が理解でき」,「上水道・下水道施設概略について説明でき」,さらに,「汚水の浄化方法について説明できる」ことを到達目標および評価基準として設定する。この到達目標は,上水道及び下水道を計画,設計,維持管理する上での基礎である.
授業の進め方・方法:
上水道・下水道のしくみを理解するうえで欠かせない水質について考えるためには,化学の知識が不可欠です。低学年での化学を習得しておいてください。授業では,ノートをしっかり取ることを心がけて下さい.また,計算問題についての復習を怠ると,確認試験で点が取れなくなりますので,重点的に復習して下さい.
本講義は大学の3,4年生に相当するレベルの講義となる.
到達目標(1), (2)については毎回行う確認試験で, 到達目標(3), (4)については期末試験で評価する.
最終成績は確認試験×0.5+期末試験×0.5によって評点を決定する.60点以上を合格とする.
注意点:
再評価試験及び追認試験の実施【有】(実施条件:授業に真摯に取り組んだ者)
学修単位科目であり,1回の講義(90分)あたり180分以上の予習・復習をしているものとして講義・演習を進めます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水質の指標1
水質分析の基礎:濃度の表し方,標準物質と評定
濃度の表し方,標準物質と評定について説明できる.
2週 水質の指標2
排水処理に要求される水質の指標について
(pH 4.8アルカリ度,炭酸イオン濃度と炭酸水素イオン濃度,BOD,COD)
排水処理に要求される水質の指標について説明できる.

3週 水質の指標3
排水処理に要求される水質の指標について
(DO,BOD,COD)汚染水の水質変換過程(自浄作用など)
排水処理に要求される水質の指標について説明できる.
4週 水質汚濁物の物質の汚染物質の移動に伴う物質収支.原単位・発生負荷の計算方法.,ストリータフェルペスの式について 汚染水の水質変換過程と水質について説明できる.
5週  環境基本法と環境基準の根拠
 環境基本法の基本理念と環境基準等の根拠になっている,リスクの考え方.
環境基本法の基本理念と環境基準等の根拠について説明できる.
6週 上下水道における浄水および排水処理設備(沈殿除去率と水面積負荷)
 浄水の単位操作と沈殿理論,沈殿除去率の考え方と水面積負荷の計算方法について
上下水道における浄水および排水処理設備について説明できる.
7週 排水処理設備(活性汚泥法)
活性汚泥法の操作因子について。活性汚泥法の種類について。
活性汚泥法の操作因子及び種類について説明できる.
8週 汚泥処理
返送汚泥率,汚泥の沈降性,バルキングについて。
汚泥処理について説明できる.
2ndQ
9週 上水道計画
上水道計画の考え方,水の使用量の変動について。
使用量増加の主要な要因である将来人口の推計方法について。
上水道計画の考え方,水の使用量及び将来人口の推計方法について説明できる.
10週 上水道施設の構成、水源と取水
上水道施設の構成について。日本の水資源,地表水の分類とその特性及び取水施設
上水道施設の水源と取水施設について説明できる.
11週 導水、送水及び配水
貯水池や河川から取水した原水の導水から配水までの施設概要について。
上水道施設の導水,送水及び配水施設について説明できる.
12週 下水道概説
下水道の役割と構成、分流式下水道と合流式下水道について。
下水道の役割と構成、分流式下水道と合流式下水道について説明できる.
13週 下水道設備計画
汚水量と雨水量について。
計画汚水量と計画雨水量について説明できる.
14週 雨水排水設備・雨水管渠の容量計算
降雨強度公式、合理式に関する演習。
降雨強度公式、合理式を用いて雨水流出量を計算できる.
15週 確認試験B
第9回~第14回についての確認試験。
16週 試験の返却および問題の解説
試験を返却し,問題の解説などを行う。
誤った問題を正しく理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境水の物性、水の循環を説明できる。3
水質指標を説明できる。3
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。3
水道の役割、種類を説明できる。3
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。3
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。3
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。3
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。3
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。3
汚泥処理・処分について、説明できる。3

評価割合

確認試験期末試験合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000